底本
Plautus. Plauti Comoediae, Volume 1. Leo, Friedrich, editor. Berlin: Weidmann, 1895.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
要旨
本作は、捨て子の少女カシナ(Casina)をめぐり、好色な老主人リシダムス(Lysidamus)とその息子が、それぞれの身代わりの奴隷を通じて結婚を争うドタバタ喜劇です。夫の浮気と陰謀を察知した聡明な妻クレオストラタ(Cleostrata)は、隣人や女奴隷たちと結託して夫への復讐を開始します。物語は、カシナの所有権を決めるくじ引きや、隣家を巻き込んだ騙し合いを経て、滑稽な婚礼の儀式へと向かいます。リシダムスらは、カシナに変装した男の奴隷にさんざん翻弄され、暗闇の中で手酷い目に遭わされて這々の体で逃げ出します。最終的にすべての悪行が露見して老主人は平謝りし、妻に許されるとともに、カシナが自由市民であることが判明して息子と結ばれるハッピーエンドで幕を閉じます。
目次
14 チャンク
引用方式:line
- §1-80
観客への挨拶と筋書きと設定の提示
劇のプロローグ。観客への挨拶と旧作の価値の擁護に始まり、捨て子の少女をめぐって父と子が争うプロット、さらには奴隷の結婚という劇の設定に対する反論を述べる。
- §81-157
オリンピオとカリヌスの口論と妻の復讐の誓い
プロローグの締めくくりとして、少女がアテナイの自由市民であることが明かされる。続いて本編が始まり、荘園管理人オリンピオと従者カリヌスがカシナを巡って激しく口論し、さらに老人の妻クレオストラティラが夫の横暴に対する復讐を誓う。
- §158-233
クレオストラタとミュッリナの相談と夫の歓待の拒絶
クレオストラタが隣人のミュッリナに夫の悪行を相談しているところへ、浮かれた夫のリシダムスが現れて妻に媚びを売ろうとするが冷たくあしらわれる。
- §233b-291
リシダムスの香水を巡る口論とカリヌスへの説得
クレオストラタは夫リシダムスの香水の匂いから不貞を疑い、激しい口論となる。その後、リシダムスは奴隷のカリヌスを呼び出し、カシナを諦めて荘園管理人に譲るよう、自由を条件に説得を試みる。
- §292-359b
くじ引きの決定とリシダムスとオリンピオの準備
リシディムスとチャリヌスはカシナをめぐり、どちらの条件が良いかを言い争った末に、くじ引きで決着をつけることを決める。その後、リシディムスはオリュンピオと合流し、妻クレオストラタの妨害に立ち向かうべく、チャリヌスとのくじ引きの準備を整える。
- §360-415
カシナを巡るくじ引きと奴隷たちの小競り合い
リシダムスとクレオストラタは、オリュンピオとチャリヌスのためにカシナを巡るくじ引きを開始するが、その過程で互いの奴隷が罵り合い、小競り合いを起こす。
- §415b-485
くじの決定と密談を盗み聞きするカリヌス
クレオストラタが引いたくじによって農場管理人オリュンピオの勝利が決まります。チャリヌスは絶望して自殺を考えますが、リシダムスとオリュンピオの密談を盗み聞きし、隣の家を利用してカシナをリシダムスのものにする陰謀が企てられていることを知ります。
- §486-550
リシダムスの密会の手配とクレオストラタの妨害
リシダムスはカシナを迎え入れるために隣人アルケシムスの家を空ける手配をし、買い出しを命じる。しかし、陰謀を察知したクレオストラタはアルケシムスの妻の貸し出しを巧みに断り、アルケシムスは自分が企てに巻き込まれたことを後悔する。
- §551-621
クレオストラタの罠による老人たちの口論
隣人のアルケシムスは、クレオストラタの計略によって妻の派遣が拒絶されたことに混乱し、企てから手を引こうとする。一方、夫のクサニオは広場での裁判の無駄足を嘆いて帰宅するが、妻クレオストラタとアルケシムスの間で「相手が断った」という嘘の言い合いが生じ、二人の老人の間で激しい言葉の応酬(quin の掛け合い)が勃発する。
- §622-699
パルダリスカの偽りの狂言と怯えるリシダムス
パルダリスカは家から怯えた様子で飛び出し、カシナが剣を手に持ってリシダマスとオリンピオ、そして自分自身の命を奪うと脅し、家の中で大騒ぎを起こしているという嘘の報告をして、リシダマスを恐怖に陥れる。
- §700-783
リシダムスの帰宅とシャリヌスが語る婚礼の罠
ライシダムスはパルダリスカに説得を懇願した後、買い出しから戻ったオリンピオと出会って家に入る。その後、シャリヌスが老主人たちを騙すための家の中の滑稽な準備状況を観客に暴露する。
- §784-860
偽の花嫁シャリヌスを連れ出すオリンピオとリシダムス
ライシダムスとオリンピオがカシナ(に変装したカリヌス)を連れ出し婚礼の儀式を行うが、花嫁の異常な怪力と手荒さに翻弄される。
- §861-941
新房での災難を語るオリンピオと逃げ出すリシダムス
オリンピオが新房の中で「新婦」(女装したカリヌス)から手酷い暴行を受け、命からがら逃げ出してきた顛末を打ち明ける。続いて、同じく手痛い目に遭って這々の体で逃げてきた主人のリシダムスが登場し、己の破滅と恥辱を嘆く。
- §942-1018
リシダムスの露見と謝罪による大団円
オリュンピオとリシダムス(老人)は、カシナに変装したチャリヌスらに散々に弄ばれた末、妻クレオストラタらにすべての悪行が露見する。老人は謝罪して許しを得、劇はカシナとエウテュニクスの結婚が予告されるハッピーエンドで幕を閉じる。
