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カシナ

§233b-291

リシダムスの香水を巡る口論とカリヌスへの説得

クレオストラタは夫リシダムスの香水の匂いから不貞を疑い、激しい口論となる。その後、リシダムスは奴隷のカリヌスを呼び出し、カシナを諦めて荘園管理人に譲るよう、自由を条件に説得を試みる。

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233b

​Nón potes ímpetrare.

お望み通りにはさせないわ。

Énecas.

お前は私を殺す気か。

​Véra dicás velim.

本当ならいいのにね。

​Crédo ego istúc tibi.

それについてはお前の言うことを信じるよ。

235

​Réspice, o mi lepos.

こちらを向いておくれ、私の愛しい人。

​Nempe ita ut tú mihi es.

もちろん、あなたが私にとってそうであるようにね。

​unde híc, amabo, unguénta olent?

ところでお願だから、どこからこの香油の匂いが漂ってくるの?

​Oh périi, manufestó miser

おお、おしまいだ、哀れな私は現行犯で捕まってしまった。

​téneor. cessó caput pállio detérgere?

急いで外套で頭を拭わなくては。

út te bonus Mercúrius perdat, mýropola, quia haec míhi dedisti.

良いメルクリウス神がお前を破滅させますように、香油屋め、こんなものを私に与えおって。

Ého tu nihili, cána culex, vix téneor quin1 quae décent te dicam,

おい、ろくでなし、白髪の蚊め、お前にふさわしい罵り言葉を浴びせてやらずにはいられないわ。

240

​sénecta aetate únguentatus pér vias, ignáve, incedis?

こんな老いさらばえた年齢になって、香油を塗って通りをのこのこ歩くなんて、この恥知らずめ!

​Pól ego amico dédi cuidam operam, dum émit unguenta.

ポルクスにかけて、私はある友人が香油を買うのを手伝っていたのだよ。

​Vt cito comméntust.

なんと素早く言い訳を思いつくこと。

écquid te pudet?

少しは恥ずかしいと思わないの?

Ómnia quae tu vís.

お前が望むことなら何でも。

​Vbi in lustrá iacuisti?

どこの売春宿で寝転んでいたの?

Égone in lustra?

私が売春宿で寝ていたと?

​Scío plus quam tu me árbitrare.

あなたが思っている以上に、私はよく知っているのよ。

​Quíd id est? quid scis?

それは何だ?何を知っているというのだ?

​Té sene omniúm † senem néminem esse ignáviorem.

あらゆる老人の中でも、あなたほどだらしのない老人はいないということよ。

245

únde is, nihili? ubí fuisti? ubí lustratu's?2 úbi bibisti?

どこから来たの、ろくでなし?どこにいたの?どこの悪所でうろついていたの?どこで飲んでいたの?

​mádes mecastor: víde, palliolum ut rúgat.

カストルにかけて、あなた酔っ払っているわ。見てごらんなさい、外套がこんなに皺だらけよ。

​Di me et te ínfelicent,​si égo in os méum hodie viní guttam índidi.

もし私が今日、一口でもワインを口にしたなら、神々が私とお前を不幸になさいますように。

​Immo age, út lubet,

いいえ、お好きになさいな、

​bíbe, es, disperde rem.

飲むなり、食べるなり、財産を使い果たすなり。

Óhe, iam satis, uxór, comprime te, nímium tinnis,

おい、もう十分だ、妻よ、お静かに。お前はやかましすぎる。

​relínque aliquantum orátionis, crás quod mecum lítiges.

明日私と言い争うための文句を、少しは残しておきなさい。

​séd quid ais? iam domuisti animum, potius ut quod vir velit​fieri, id facias, quam adversere contra?

ところで、どうなんだ?夫が望む通りに物事がなされるよう、従う気になったか、それとも反対し続けるつもりか?

​Qua de re?

何について?

​Rogas?

そんなことを聞くのか?

​super ancilla Casina, ut detur nuptum nostro vilico,

女奴隷カシナを、我々の荘園管理人に嫁がせる件についてだよ。

255

​servo frugi atque ubi illi bene sit ligno, aqua calida, cibo,

真面目な奴隷だし、薪やお湯、食べ物、衣服に不自由せず、彼女が快適に暮らせるような男だ。

​vestimentis, ubique educat pueros quos pariat † potius

そして彼女が産む子供たちをそこで育てられるのだ。

​quam illi servo nequam des, armigero nili atque improbo,

お前があの役立たずで価値のない邪悪な盾持ち奴隷に彼女を与えるよりはね。

​cui hominí hodie peculi nummus non est plumbeus.

あの男には、今日、鉛の小銭一枚の私有財産もないのだから。

​Mirum ecastor, te senecta aétate officium tuom​non meminisse.

カストルにかけて、そんなお歳になりながら、ご自分の本分をお忘れになっているとは驚きですわ。

​Quid iam?

なぜだね?

​Quia, si facias recte aut commode,

なぜなら、もしあなたが正しく、適切に行動されるなら、

​me sinas curare ancillas, quae mea est curatio.

女奴隷たちの面倒は私に任せてくださるはずだからです。それは私の管轄なのですから。

​Qui, malum, homini scutigerulo dáre lubet?

いったいなぜ、あの盾持ちの野郎に与えたいなどと思うのだ、ちくしょう?

​Quía enim filio

それは、私たちの一人息子を

​nos oportet opitulari único.

助けてやるのが当然だからですよ。

​At quamquam unicust,

だが、いくら彼が一人息子だとしても、

​nihilo magis ille unicust mihi filius quam ego illi pater:

彼が私にとって一人息子である以上に、私が彼にとって唯一の父親であるわけではない。

265

​illum mi aequiust quam me illi quae volo concedere.

彼が私の望むことに従う方が、私が彼の望むことに従うよりもずっと妥当だ。

​Tu ecastor tibi, homo, malam rem quaeris.

カストルにかけて、あなた、自分で痛い目を見ようとしていますよ。

​Subolet, sentio.

感づかれたな、気配がする。

​egone?

私がかね?

​Tu. nam quid friguttis? quid istuc tam cupide cupis?

そうよ。なぜそんなにもごもご言っているの?なぜそれをそんなに必死に望んでいるの?

​Vt enim frugi servo detur potius quam servo improbo.

それは、邪悪な奴隷よりも真面目な奴隷に与えたいからに決まっているだろう。

​Quid si ego impetro atque exoro a vilico, causa mea

もし私が荘園管理人に願い出て、私のために

270

​ut eam illi permittat?

彼女を彼に譲るように説得したらどうするの?

​Quid si ego autem ab armigero impetro,

しかし、もし私が盾持ちに頼み込んで、

​ut eam illi permittat? atque hóc credo impetrassere.3

彼女を彼に譲るようにさせたらどうだ?そして私はそれを承諾させられると信じているよ。

​Convenit. vin tuis Chalinum huc evocem verbis foras?

いいでしょう。あなたの言葉でカリヌスをここへ呼び出しましょうか?

​tú eum orato, ego autem orabo vilicum.

あなたは彼に頼み、私は荘園管理人に頼むことにしましょう。

​Sane volo.

ぜひそうしてくれ。

​Iam hic erit. nunc experiemur, nostrum uter sit blandior.—

すぐに彼は来ます。今に、私たちのどちらが説得が上手いか、はっきりしますわ。――

275

​Hercules dique istam perdant, quod nunc liceat dicere.4

ヘルクレスと神々があの女を破滅させてくれればいいのだ、今ここでならそう言っても差し支えないのだから。

​ego discrucior miser amore, illa autem quasi ob industriam

哀れな私は恋に苦しみ抜いているのに、彼女はわざとらしく私に逆らう。

​mi advorsatur. subolet hoc iam uxori quod ego machinor:

私が企んでいることを、妻はもう感づいているのだ。

​propter eam rem magis armigero dat operam de industria.

それゆえに彼女は、わざと盾持ちに肩入れしているのだ。

​qui illum di omnes deaeque perdant.

すべての神々、女神たちがあの男を破滅させてくれますように。

​Te uxor aiebat tua

だんな様、奥様が、だんな様が

280

​me vocare.

私をお呼びだとおっしゃっていました。

​Ego énim vocari iussi.

そうだ、私が呼ばせたのだ。

​Eloquere quid velis.

ご用件をお話しください。

​Primum ego te porrectiore fronte volo mecum loqui;

まず、もっとにこやかな顔をして私と話してもらいたいものだ。

​stultitia est ei te esse tristem, cuius potestas plus potest.

より大きな権力を持つ者に対して、不機嫌な顔をするのは愚かなことだからな。

​probum te et frugi hominem iam pridem esse arbitror.

お前が誠実で真面目な男だと、私はずっと前から思っているのだ。

​Intellego.

分かります。

​quin, si ita arbitrare, emittis me manu?5

それほどお思いでしたら、どうして私を解放してくださらないのですか?

​Quin id volo.

いや、私はそうしたいのだよ。

​sed nihil est, me cupere factum, nisi tu factis adiuvas.

だが、私がそう望んでも、お前が行いで助けてくれなければ何にもならん。

​Quid velis modo id velim me scire.

だんな様が何を望んでおられるのか、とにかくそれを教えていただきたいです。

​Ausculta, ego eloquar.

聞きなさい、話して聞かせよう。

​Casinam ego uxorem promisi vilico nostro dare.

私はカシナを、我が荘園管理人に妻として与える約束をしたのだよ。

​At tua uxor filiusque promiserunt mihi.

しかし、だんな様の奥様と息子様は、私に彼女を約束してくださいました。

​Scio.

分かっている。

290

​sed utrum nunc tu caelibem te ésse mavis liberum

だが、お前は自由の身の独身者として暮らすのがいいか、

​an maritum servom aetatem degere et gnatos tuos?

それとも奴隷の既婚者として生涯を送り、お前の子供たちも奴隷にさせるのがいいか?

構文注5 件
  1. 239vix téneor quin

    「〜せずにはいられない」を意味する。抑制を表す動詞の否定に伴い、quin 節が「〜することから(妨げる)」という否定的な含意を伴って後続する構文である。

  2. 245ubí lustratu's

    通常の動詞 lustrare(清める、巡る)ではなく、名詞 lustra(悪所、売春宿)から作られたプラウトゥス特有の即興的な造語であり、「どこの悪所で放蕩してきたのか」という意味の卑俗なユーモアを含んでいる。

  3. 271impetrassere

    古風な未来不定詞能動態(impetraturum esse に相当)であり、プラウトゥスなどの初期ラテン語戯曲で好んで使われる古形形態である。

  4. 275quod nunc liceat dicere

    制限的な関係節で、「今(妻が近くにいなくて)言うことが許される限りにおいて」という但し書きをなし、一人になったことでようやく本音の呪詛を吐けるリシダムスの状況を説明している。

  5. 284_285emittis me manu

    「手から放す」を直訳とし、ローマ法における奴隷解放(manumissio)を指す慣用表現(manu mittere)の変形である。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-22)
  • 2026-09-22 AI校閲 — 原文 1 件
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