← プラウトゥス

カシナ

§784-860

偽の花嫁シャリヌスを連れ出すオリンピオとリシダムス

ライシダムスとオリンピオがカシナ(に変装したカリヌス)を連れ出し婚礼の儀式を行うが、花嫁の異常な怪力と手荒さに翻弄される。

表示 ▾
表示
訳
訳の書体
AI ↗
← 前次 →
784

​ne quis eam abripiat. facite vostro animo volup.1

誰かに彼女を奪われないようにね。あなたたちの心の望むままに楽しんでおくれ。

785

​sed properate istum atque istam actutum emittere,

だが、あの男とあの女を大急ぎで送り出すよう急いでおくれ、

​tandem ut † veniamus luci;2 égo cras hic ero.

私たちが明るいうちに到着できるように。私は明日、ここに戻る。

​cras habuero, uxor, ego tamen convivium.

妻よ、私は明日、それでも宴会を開くつもりだからな。

​Fit quod futurum dixi: incenatum senem

私が起こるだろうと言った通りのことが起きている。夕食を食べていない老人を

​foras extrudunt mulieres.

女たちが外へ追い出している。

​Quid tu hic agis?

お前はここで何をしている?

790

​Ego eo quo me ipsa misit.

私は、あの方自身が私を送り出した場所へ行くのです。

​Veron?

本当か?

​Serio.

本気です。

​Quid hic speculare?

なぜここで覗き見している?

​Nil equidem speculor.

私は何も覗き見などしていませんよ。

​Abi:

行け。

​tu hic cunctas, intus alii festinant.

お前はここでぐずぐずしているが、中では他の者たちが急いでいる。

​Eo.—

行きますよ。—

​Abi hinc sis ergo, pessumarum pessuma.

ならば、お願いだからここから立ち去れ、最悪な女たちのなかの最悪な女め。

​iamne abiit illaec? dicere hic quidvis licet.

あの女はもう行ったか?ここなら何を言っても差し支えない。

795

​qui amat, tamen hercle, si esurit, nullum esurit.

恋している者は、ヘラクレスにかけて、たとえ飢えていても、少しも飢えを感じないのだ。

​sed eccúm progreditur cum corona et lampade

だが、見よ、花冠をつけ、松明を持って進み出てくるぞ、

​meus socius, compar, commaritus vilicus.

私の相棒、相役、そして「共同の花婿」である管理人が。

Áge tibicen, dum íllam educunt húc novam nuptám foras,

さあ、笛吹きよ、あの新しい新婦をこちらへ、外へと連れ出す間、

​suavi cantu concelebra omnem hanc plateam hymenaeo.

甘美な調べで、この通り全体を婚礼の歌で満たしておくれ。

800

​hymen hymenaee o hymen.

ヒュメン、ヒュメナイオスよ、おおヒュメン。

​Quid agis, mea salus?

調子はどうだ、私の救世主よ?

​Esurio hercle, atque adeo hau salubriter.

ヘラクレスにかけて、腹ペコです、しかも全く健康によろしくないほどに。

​At ego amó.

だが、私は恋をしているのだ。

​At ego hercle nihili facio. tibi amor pro cibost,

だが私は、ヘラクレスにかけて、そんなものはどうでもいい。あなたにとって恋は食べ物の代わりでしょうが、

​mihi ieiunitate iam dudum intestina murmurant.

私にとっては、空腹のせいでさっきから腸がグーグー鳴っているのです。

​Nam quid illaéc nunc tam diu intus remorantur remeligines?

一体なぜあののろま女どもは、今になって中であんなに長い間ぐずぐずしているのだ?

805

​quasi ob industriam, quanto ego plus propero, procedit minus.

まるでわざとであるかのように、私が急げば急ぐほど、物事は進まない。

​Quid si etiam suffundam hymenaeum, si qui citius prodeant?

いっそ私からも婚礼の歌を付け加えようか、そうすれば少しは早く出てくるだろうか?

​Censeo, et ego te adiutabo in nuptiis communibus.

そうしてくれ、私たちの共同の婚礼のために、私も手伝おう。

​Hymen hymenaee o hymen.

ヒュメン、ヒュメナイオスよ、おおヒュメン。

​Perii hercle ego miser, dirumpi hymenaeum cantando licet:

ヘラクレスにかけて、哀れな私は死にそうだ。歌うことで婚礼の歌が破裂せんばかりだというのに、

810

​illo morbo quo dirumpi cupio, non est copia.

私が破裂したいと願うあの情欲を果たす機会がない。

​Edepol ne tu, sí equos esses, esses indomabilis.

ポルクスにかけて、本当に、もしお前が馬だったら、誰も手なづけられない野生馬だったろう。

​Quo argumento?

どういう証拠でそう言うのだ?

​Nimis tenax3 es.

お前はあまりに執拗すぎる。

​Num me expertu's uspiam?

お前はどこかで私を試したことがでもあるのか?

​Di melius faciant. sed crepuit ostium, exitur foras.

神々よ、より良き事をしてくださるように。だが扉が鳴った、外へ出てくるぞ。

​Di hercle me cupiunt servatum. iam oboluit Casinus procul.

ヘラクレスにかけて、神々は私が救われることを望んでおられる。早くも遠くからカシナが漂ってきた。

815

​Sensim supera tolle limen pedes, mea nova nupta;

そっと敷居をまたいで足を上げるのだ、私の新しいお嫁さんよ。

​sospes iter incipe hoc, uti viro tuo

健やかにこの旅立ちを始めるのだ、あなたの夫に対して

​sémper sis superstes,

常にあなたが生き長らえるように。

​tuaque út potior polléntia sit vincásque virum victríxque sies,

そしてあなたの支配力の方がより強力であり、あなたが夫を打ち負かして勝利者となるように。

​tua vóx superet tuomque imperium: vir te vestiat, tu virum despolies.

あなたの声が勝り、あなたの命令が通るように。夫はあなたに服を着せ、あなたは夫から身ぐるみを剥ぐように。

820

​noctúque et diu ut viro súbdola sis,

夜も昼も、夫に対して悪賢く立ち回ることを、

ópsecro, memento.

どうか心に留めておいておくれ。

​Malo máxumo suo hercle ílico, ubi tántillum peccássit.

ヘラクレスにかけて、ほんの少しでもあいつが過ちを犯したら、その場ですぐに最大の災いをもたらしてやるのだ。

​Tace.

黙れ。

​Nón taceo.

黙りません。

​Quae rés?

どういうことだ?

​Mala malaé male monstrat.

悪い女が悪い女に悪いことを吹き込んでいるのです。

​Faciés tu hanc rém mi ex paráta imparátam.

お前は私にとって、準備万端だったこの出来事を台無しにする気か。

​id quaérunt volúnt, haec ut ínfecta fáciant.

彼女たちは、これらを台無しにすることを望み、狙っているのだ。

​Age Olýmpio, quando vís, uxorem

さあ、オリンピオ、お前が望むなら、妻を

830

áccipe hanc ab nobis.

私たちから受け取るがよい。

​Date érgo, datúrae si umquam éstis hodie.

では、今日いつか渡すつもりがあるなら、さあ渡してください。

​Abíte intro.

中へ入るがよい。

​Amábo, integrae átque imperítae huic

お願いですから、この手つかずでうぶな子に、

​impército.

優しくしてやってください。

​Futurum est.

そうしよう。

​Valéte.

さようなら。

​Ite iám.

さあ、行きなさい。

​Ite.

行くのだ。

​Iám valete.

では、さようなら。

835

​Iamne ábscessit úxor?

妻はもう去ったか?

​Domíst, ne time.

家の中にいますよ、ご心配なく。

​Eúax,

わあ、嬉しいぞ!

​nunc pól demum ego sum líber.

ポルクスにかけて、今こそようやく私は自由だ。

​meúm corculúm, melculúm, verculum.

私の小さなお心、小さなお蜜、小さなお春よ。

​Heús tu,

おい、お前、

​malo, sí sapies, cavébis;

賢明ならお仕置きに気をつけるんだな。

​meást haec.

この女は俺のものだぞ。

​Sció, sed meus fructus est prior.

知っているが、私の楽しむ権利が先なのだ。

840

​Tene hánc lampadem.

この松明を持っていなさい。

Ímmo ego hánc tenebo.

いや、私がこれを持っていよう。

​Venus múltipotens, bona múlta mihi

強大なるウェヌスよ、あなたは私に多くの良きものを

​dedísti, huius cúm copiám mihi dedísti.

与えてくださった、この者を思う存分愛する機会をくださった時に。

​O

おお、

​corpúsculum malaculum,

柔らかで小さな身体、

​mea uxórcula. quae res?

私の小さなお妻さんよ。どうしたのだ?

845

​Quid est?

何事だ?

Ínstitit plantam

私の足を踏みつけました、

​quasi lúca bos.4

まるで「ルカニアの牛」のように。

​Tacé sis,

黙っておくれ、

​nebula haúd est mollis aeque atque huius pectus est.

霧だって、この子の胸ほど柔らかくはない。

​Edepol papillam bellulam—ei misero mihi.

ポルクスにかけて、なんと美しいお乳だ――おお、哀れな私に災いあれ!

​Quid est?

どうしたのだ?

​Péctus mi icit non cubito, verum ariete.

肘ではなく、本物の破城槌で私の胸を突いてきました。

850

​Quid tu ergo hanc, quaeso, tractas tam dura manu?

それなら、お前はなぜこの子をそんなに乱暴な手で扱うのだ?

​at mihi, qui belle hanc tracto, non bellum facit.

私のように、この子を優しく扱っている者には、この子は手荒なことはしないぞ。

​Vah.

うわっ。

​Quid negotist?​c Opsecro, ut valentulast,

どうしたというのだ?

​paene exposivit cubito.

お願いですから、この子のなんて力強いこと、

​Cubitum5 ergo ire volt.

肘であやうく私をノックアウトするところでした。 それなら、寝室に行きたいのだろう。

+追加マーカー:853c (翻訳側で原文にないマーカーが挿入されたため、本セクションに統合)

​Quin imus ergo?

それなら、なぜ私たちは行かないのだ?

​I, belle belliatula.—

行くのだ、可愛い可愛いお嬢さん。—

855

​Accéptae bene ét commode éximus íntus

歓迎されて、快く中から出てきたわ、

​ludós visere húc in viam nuptiális.

この通りへ婚礼の余興を見物するために。

​numquam écastor úllo dié risi adaéque,

カストルにかけて、今までこれほど笑った日は一度もないわ、

​neque hóc quod relícuom est plus rísuram opínor.

そして私の生涯の残りの日々において、これ以上笑うこともないでしょう。

​Lúbet Chalinum quíd agat scire, nóvom nuptum cum nóvo marito.

カリヌスが、新しい花嫁が新しい花婿と何をしているか知りたいものだわ。

860

​Nec fállaciam ástutiórem ullus fécit

これほど狡猾な策略を企てた者は誰もいないわ。

構文注5 件
  1. 784volup

    副詞形 volupe の古風な短縮形であり、facere の目的語のように、または述語的に「心地よく、好ましい状態」という意味で機能している。

  2. 786luci

    古風な単数奪格(または位置格)の形式で、単に「明るいうちに」「日中に」を意味する副詞的表現。

  3. 812btenax

    「頑固な、粘り強い」という第一義のほかに、抱きついて離れないといった「情欲が強い」という二重の意味(ダブル・ミーニング)が込められている。

  4. 846luca bos

    直訳すると「ルカニアの牛」だが、ピュロス戦争中にローマ人がルカニア地方で初めて遭遇した「象」を指す古典期の有名な呼称である。

  5. 853bcubitum

    直前の cubito(名詞 cubitus 「肘」の奪格)と、動詞 cubo(横たわる、寝る)の目的スピーヌム(cubitum ire「寝に行く」)をかけた言葉遊び(地口)である。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-22)
  • 2026-09-22 AI校閲 — 原文 1 件
urn:cts:latinLit:phi0119.phi006.humanitext-lat2:784-860