デモステネス · Demosthenes
第四十八弁論 オリュンピオドロス弾劾
Against Olympiodorus
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. III. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1931.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本作は、親族コモンの遺産分配をめぐり、アテナイの法廷で原告が共同相続人であるオリンピオドロス(Olympiodorus)の裏切りを告発する法廷弁論です。当初、両者は紛争を避けるために遺産を等分する契約を結びましたが、遺産の奴隷による金銭窃盗や他者からの請求など、度重なるトラブルに直面します。二人は一時的に協力して遺産を奪還するものの、勝訴した途端にオリンピオドロスは契約を破って財産を独占してしまいます。原告は、かつて自分が合意を守るために不利益を甘受したことを示し、被告が様々な虚偽の口実を用いて分配を拒んでいる現状を非難します。さらに原告は、封印された契約書の開封を要求するとともに、被告が娼婦に惑わされて生活を乱し親族を放置している不道徳さを暴露します。自身の家族の窮状を訴えつつ、法廷での公正な判決を求めて弁論を結びます。
目次
7 チャンク
引用方式:section
- §1-7
提訴に至る経緯とコモンの遺産をめぐる争い
原告は、親族のオリンピオドロスから受けている不当な扱いについて語り、裁判員に和解か公正な判決を求める。さらに、親族コモンの死と、オリンピオドロスがその遺産分配をめぐって無道な主張を始めた経緯を語り始める。
- §8-15
遺産均等分割の合意と奴隷モスシオンの横領
語り手とオリンピオドロスが紛争回避のためコモンの遺産を等分する契約を結んだ経緯が明かされ、その後、オリンピオドロスの取り分に含まれていた奴隷モスシオンが生前のコモンから大金を盗み出していた事実が暴露される。
- §16-24
隠匿金の回収と他者からの請求による訴訟延期
奴隷のモスシオンの盗難が発覚して一部が返還された後、オリンピオドロスが原告に無断でさらなる拷問を行い大金を独占し、分け前の分配を引き延ばします。その間に他の親族らから遺産請求が相次いだため、二人は法廷対策を練るものの準備不足に直面しますが、オリンピオドロスのアカルナニア遠征への従軍が決定し、これを好都合な訴訟延期の機会とします。
- §25-32
遺産奪還の勝訴とオリュンピオドロスの独占
対立当事者の異議申立てによりコモンの遺産を一時的に失うが、帰国したオリンピオドロスと再び共同闘争を計画し、別個に請求を行うことで勝訴して財産を奪還する。しかし、勝訴後にオリンピオドロスは誓約を破り、財産を独占して分配を拒否する。
- §33-42
オリュンピオドロスの合意違反と虚偽の弁解
原告はコモンの遺産分割や相手方の財産奪取に関する証言と要求書を提示し、オリンピオドロスが様々な虚偽の口実を設けて財産平分の合意を破っていることを批判する。さらに、かつて自分が合意を守るために不利益を冒して請求を退いた事実を挙げ、オリンピオドロスの言い訳がいかに矛盾しているかを論じる。
- §43-50
前回の裁判での沈黙の理由と契約書の開封要求
原告は、前回の裁判でオリンピオドロスと共同闘争を行っていたために、彼の不都合な主張に反論せず協力していたことを説明し、相手方が契約書の開示を拒否した不当性を突いて、法廷での契約書開封を要求する。
- §51-58
オリュンピオドロスの放蕩の暴露と公正な裁きの要求
話者は法廷で契約書を開封し誓言を公開することを相手に要求し、それを拒む態度を非難する。さらに、相手が娼婦に惑わされて親族を顧みず異常な私生活を送っていることを暴露し、自身の妻や娘の苦境を訴えて公正な判決を求める。
