底本
Horace. The Works of Horace. Vol. II. Smart, Christopher, editor. Philadelphia: J. Whetham, 1836.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0893.phi006.perseus-lat2
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要旨
本作は、ローマの詩人ホラティウスが、詩作の原理と実践的な技術について論じた書簡形式の詩論である。冒頭では、創作における全体的な調和と統一性の重要性が説かれ、言葉の選択、新語の創出、各詩形の適切な使用法が論じられる。中盤では、劇作における登場人物の性格の一貫性や、演劇の構成規則、ギリシアの模範に倣った厳格な推敲の必要性が強調される。ホラティウスは、自らを詩作の原理を教える「砥石」と位置づけ、天賦の才に甘んじることなく技術を磨くべきだと主張する。後半では、詩の目的が「有益さ」と「心地よさ」の融合にあることが示され、最後に、おべっかを避けて率直な批評を受け入れるべきこと、そして独りよがりな狂った詩人の滑稽さがユーモラスに描写されて結ばれる。
目次
6 チャンク
引用方式:line
- §1-79
詩の統一性と調和および言葉と韻律の選択
詩的創作における統一性と整合性の重要性を説き、部分的な描写の美しさにとらわれて全体の調和を損なう過ちを警告する。また、時代の変化に伴う言語の変遷と、詩人が有する新語創出の権利、および各詩形(韻律)の起源と用途について論じる。
- §80-158
劇詩の韻律と人物描写および主題の扱い
ホラティウスは、劇作における韻律の適切な割り当てや、登場人物の性格描写の一貫性の重要性、そして伝統的な主題を独自のやり方で再現する手法について論じる。
- §159-240
年齢に応じた人物描写と劇作の規則および合唱隊
登場人物の年齢に応じた描き分けの重要性を説き、演劇の構成規則(五幕構成、神の介入の制限など)を解説した上で、合唱隊の役割や、音楽・サテュロス劇の歴史的変遷と表現の節度について論じる。
- §241-319
ギリシアの規範による推敲と詩人の職分
ホラティウスは、よく知られた素材を新しく配列することの重要性や、悲劇・喜劇における適切なキャラクター表現、そしてギリシアの規範に基づいた厳格な推敲の必要性を説く。さらに、天賦の才に頼って推敲を怠る風潮を批判し、自らは「砥石」となって正しい詩作の原理や道徳的基礎を教える役割を担うと宣言する。
- §320-397
益と美の統合と凡庸さの否定および詩の起源
詩における有益さと心地よさの融合の重要性、凡庸な詩人が許されない冷酷な現実を説き、さらに詩の起源とその社会化・教化における崇高な役割を論じる。
- §398-476
才能と技術の調和と誠実な批評の必要性
詩の起源と社会的効用、天性と技術の調和の必要性を論じ、おべっか使いの嘘を見破る重要性をクインティリウスの厳格な批評態度を例に挙げつつ警告する。最後に、狂った詩人たちの滑稽で執拗な朗読の害を風刺的に描写する。
