アリストテレス · Aristotle
不可分の線について
On Indivisible Lines
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底本
Aristotle. Aristotelis Opera, Volume 6. Bekker, Immanuel, editor. Oxford: Oxford University Press, 1837.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
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要旨
本作は、空間や線の無限分割可能性をめぐる古代の幾何学的・哲学的論争を扱い、「不可分な線」の存在を主張する学説を批判的に検証する学術的論文です。冒頭では、不可分な線の存在を擁護する物理的・形而上学的な主要論証を紹介しつつ、即座にその説への反論が開始されます。中盤では、ゼノンのパラドックスや幾何学的な比例、ピタゴラスの定理との矛盾を挙げ、このような最小単位の仮定が幾何学そのものを崩壊させることを論証します。さらに議論は、線が点(point)の結合から構成されるという主張への批判へと移行し、点同士の接触や重なり合いがもたらす幾何学的な不条理を克明に指摘します。最終盤では、線から点を取り出すことの不可能性を明らかにし、点が線の最小構成要素や接合部にはなり得ないことを示して、連続体の分割可能性をめぐる緻密な論証を締めくくります。
目次
6 チャンク
引用方式:section
- §1-10
不可分な線の存在論証とその批判の開始
不可分な線の存在を擁護する五つの数学的・物理的・形而上学的論証を提示し、その後、無限分割可能なものも『小さい』でありうるという反論から、不可分線説への批判を開始する。
- §11-21
不可分な線に関する諸論拠への詳細な反駁
不可分な線や大きさを認める様々な論拠を個別に論駁する。特に、大きいものと小さいものの分割の有限性・無限性に関する議論、イデア論や元素論からのアプローチ、ゼノンのパラドックスや幾何学的論証(円運動や1.5倍比の運動)との矛盾を指摘する。
- §22-31
幾何学と運動の諸原理による不可分な線の論駁
著者は数学的諸定義や幾何学的な比例・適用関係、およびピタゴラスの定理との矛盾を指摘し、さらに接触の概念や連続的なものの二等分可能性、運動と時間の比例関係を根拠として、不可分な線の存在が不合理であることを論証する。
- §32-41
不可分な線の矛盾と線が点から成る説の否定
「不可分な線」の仮定が引き起こす定義上および幾何学的な自己矛盾を指摘し、さらに線が点の結合から構成されるという説を、空間の広がり、時間の経過、および点どうしの接触の不可能性を根拠に否定する。
- §42-51
点が重なり合う不条理と線が点から成る説の批判
線が点から構成されるという主張に対し、同じ場所での点の重なり合い、直線や曲線における接合の違いの喪失、物体の点への分解といった幾何学的な不条理を挙げて反駁し、線から点を取り出すことの不可能性を指摘する。
- §52-60
線の減余不可能性と点の諸定義への批判
線から点を取り去ることの不可能性を明らかにし、点が「線における最小の構成要素」でも、また二つの部分を結合する「分割不可能な接合部(関節)」でもありえないことを幾何学的・論理的観点から批判する。
