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ホメロス風讃歌 · 第5歌 アフロディテ讃歌 §78-148

乙女に扮したアプロディテとアンキセスの対面

2 / 4 箇所 · ギリシア語

要旨

アンキセスの前にアプロディテが人間の未婚の乙女の姿で現れ、彼を惑わせる。アンキセスは彼女を女神とみなして崇めようとするが、彼女は自らをフリュギアの王女と偽り、エルメスに連れてこられたのだと語って求婚し、アンキセスもまたそれを受け入れる。

§78οἳ δʼ ἅμα βουσὶν ἕποντο νομοὺς κατὰ ποιήεντας §79πάντες·
彼らは皆、牛たちと一緒に草深い牧草地へと行った。
ὃ δὲ σταθμοῖσι λελειμμένος οἶος ἀπʼ ἄλλων §80πωλεῖτʼ ἔνθα καὶ ἔνθα διαπρύσιον κιθαρίζων.
しかし彼一人が牧舎に取り残され、他の者たちから離れて、澄んだ音色で竪琴を弾きながら、あちこを歩き回っていた。
§81στῆ δʼ αὐτοῦ προπάροιθε Διὸς θυγάτηρ Ἀφροδίτη §82παρθένῳ ἀδμήτῃ μέγεθος καὶ εἶδος ὁμοίη,
彼の前に、ゼウスの娘アプロディテが立った、背丈も姿も、結婚前の未婚の乙女に似た姿で。
§83μή μιν ταρβήσειεν ἐν ὀφθαλμοῖσι νοήσας.
彼が彼女を目にして心に恐れを抱くことのないように。
§84Ἀγχίσης δʼ ὁρόων ἐφράζετο θαύμαινέν τε §85εἶδός τε μέγεθός τε καὶ εἵματα σιγαλόεντα.
アンキセスは彼女を見て、見つめ、驚嘆した、その姿、背丈、そして光り輝く衣服に。
§86πέπλόν μὲν γὰρ ἕεστο φαεινότερον πυρὸς αὐγῆς, §89καλόν, χρύσειον, παμποίκιλον·
なぜなら彼女は、火の輝きよりもまばゆいペプロスをまとっていたからだ、美しく、黄金に輝き、極めて多彩な衣を。
ὡς δὲ σελήνη §90στήθεσιν ἀμφʼ ἁπαλοῖσιν ἐλάμπετο, θαῦμα ἰδέσθαι·
それは彼女の柔らかな胸のあたりで月のように輝いており、見るも目を見張るばかりであった。
§87εἶχε δʼ ἐπιγναμπτὰς ἕλικας κάλυκάς τε φαεινάς·
彼女は曲がった耳飾りと、輝く花の蕾形の飾りを身につけていた。
§88ὅρμοι δʼ ἀμφʼ ἁπαλῇ δειρῇ περικαλλέες ἦσαν.
そして、柔らかな首のまわりには、極めて美しい首飾りがあった。
§91Ἀγχίσην δʼ ἔρος εἷλεν, ἔπος δέ μιν ἀντίον ηὔδα·
アンキセスを愛が捉え、彼は彼女に向かって言葉を発した。
§92<milestone type="startquote"/> χαῖρε, ἄνασσʼ, ἥ τις μακάρων τάδε δώμαθʼ ἱκάνεις, §93Ἄρτεμις ἢ Λητὼ ἠὲ χρυσέη Ἀφροδίτη §94ἢ Θέμις ἠυγενὴς ἠὲ γλαυκῶπις Ἀθήνη,
「お健やかに、女王よ、祝福された神々のどなたかがこの家においでになったのでしょう、アルテミスか、レトか、黄金のアプロディテか、あるいは高貴な生まれのテミスか、それとも輝く目のアテナか。
§95ἤ πού τις Χαρίτων δεῦρʼ ἤλυθες, αἵτε θεοῖσι
あるいは、ここへ来られたのはカリスたちのどなたかでしょうか。
§96πᾶσιν ἑταιρίζουσι καὶ ἀθάνατοι καλέονται,
彼女たちはすべての神々と親しく交わり、不滅の者と呼ばれています。
§97ἤ τις Νυμφάων, αἵτʼ ἄλσεα καλὰ νέμονται §98ἢ Νυμφῶν, αἳ καλὸν ὄρος τόδε ναιετάουσι §99καὶ πηγὰς ποταμῶν, καὶ πίσεα ποιήεντα.
あるいは、美しい木立を守るニュンペたちのどなたかでしょうか、あるいは、この美しい山、川の源泉、そして草深い緑の野に住まうニュンペたちのどなたかでしょうか。
§100σοὶ δʼ ἐγὼ ἐν σκοπιῇ, περιφαινομένῳ ἐνὶ χώρῳ, §101βωμὸν ποιήσω, ῥέξω δέ τοι ἱερὰ καλὰ §102ὥρῃσιν πάσῃσι.
私はあなたのために、見晴らしの良い、四方からよく見える場所に祭壇を作り、すべての季節に美しい生贄を捧げましょう。
σὺ δʼ εὔφρονα θυμὸν ἔχουσα §103δός με μετὰ Τρώεσσιν ἀριπρεπέʼ ἔμμεναι ἄνδρα,
あなた様は好意に満ちた心をもって、私がトロイア人の中で傑出した男となるようお恵みください。
§104ποίει δʼ ἐξοπίσω θαλερὸν γόνον, αὐτὰρ ἔμʼ αὐτὸν
そして私の後に、繁栄する子孫を授けてください。
§105δηρὸν ἐὺ ζώειν καὶ ὁρᾶν φάος ἠελίοιο, §106ὄλβιον ἐν λαοῖς, καὶ γήραος οὐδὸν ἱκέσθαι.
私自身については、末長く健やかに生き、太陽の光を見続け、民の中で幸福であり、老いの敷居に達することができますように。
<milestone type="endquote"/> §107τὸν δʼ ἠμείβετʼ ἔπειτα Διὸς θυγάτηρ Ἀφροδίτη·
」すると、ゼウスの娘アプロディテが彼に答えた。
§108<milestone type="startquote"/> Ἀγχίση, κύδιστε χαμαιγενέων ἀνθρώπων, §109οὔ τίς τοι θεός εἰμι·
「アンキセスよ、地より生まれた人間の中で最も輝かしい方よ、私は決して神ではありません。
τί μʼ ἀθανάτῃσιν ἐίσκεις;
なぜ私を不滅の女神たちと比べるのですか。
§110ἀλλὰ καταθνητή τε, γυνὴ δέ με γείνατο μήτηρ.
私は死すべき人間であり、一人の女性である母が私を産んだのです。
§111Ὀτρεὺς δʼ ἐστὶ πατὴρ ὀνομακλυτός, εἴ που ἀκούεις, §112ὃς πάσης Φρυγίης εὐτειχήτοιο ἀνάσσει.
私の父は、もしやお聞き及びかもしれませんが、高名なオトレウスであり、堅固な壁に囲まれたフリュギア全土を支配しています。
§113γλῶσσαν δʼ ὑμετέρην τε καὶ ἡμετέρην σάφα οἶδα.
私はあなた方の言葉も、私たちの言葉も、はっきりと知っています。
§114Τρῳὰς γὰρ μεγάρῳ με τροφὸς τρέφεν·
というのも、トロイア人の乳母が私の館で私を育てたからです。
ἣ δὲ διαπρὸ §115σμικρὴν παῖδʼ ἀτίταλλε, φίλης παρὰ μητρὸς ἑλοῦσα.
彼女は、私の愛する母のもとから私を引き取って、幼い子供であった私をずっと養育してくれました。
§116ὣς δή τοι γλῶσσάν γε καὶ ὑμετέρην εὖ οἶδα.
こういうわけで、私はあなた方の言葉をも本当によく知っているのです。
§117νῦν δέ μʼ ἀνήρπαξε χρυσόρραπις Ἀργειφόντης §118ἐκ χοροῦ Ἀρτέμιδος χρυσηλακάτου, κελαδεινῆς.
しかし今、黄金の杖を持つアルゲイポンテスが私をさらいました、黄金の紡ぎ糸を持ち、騒がしい狩りを楽しむアルテミスの舞踊の群れから。
§119πολλαὶ δὲ νύμφαι καὶ παρθένοι ἀλφεσίβοιαι §120παίζομεν, ἀμφὶ δʼ ὅμιλος ἀπείριτος ἐστεφάνωτο.
多くのニンフや、多くの牛をもたらす処女たちが一緒に遊んでおり、私たちの周囲を無数の群衆が取り囲んでいました。
§121ἔνθεν μʼ ἥρπαξε χρυσόρραπις Ἀργειφόντης·
そこから、黄金の杖を持つアルゲイポンテスが私をさらったのです。
§122πολλὰ δʼ ἔπʼ ἤγαγεν ἔργα καταθνητῶν ἀνθρώπων, §123πολλὴν δʼ ἄκληρόν τε καὶ ἄκτιτον, ἣν διὰ θῆρες §124ὠμοφάγοι φοιτῶσι κατὰ σκιόεντας ἐναύλους·
そして彼は、死すべき人間の多くの耕作地を越え、生肉を食らう野獣たちが影深い谷間を歩き回る、耕されず家も建てられていない広大な地を越えて私を連れて行きました。
§125οὐδὲ ποσὶ ψαύσειν ἐδόκουν φυσιζόου αἴης·
私は、生命を育む大地に自分の足が触れていることさえ感じられないほどでした。
§126Ἀγχίσεω δέ με φάσκε παραὶ λέχεσιν καλέεσθαι §127κουριδίην ἄλοχον, σοὶ δʼ ἀγλαὰ τέκνα τεκεῖσθαι.
そして彼は、私がアンキセスの床の傍らで正妻と呼ばれ、あなたに輝かしい子供たちを産むことになるのだと言いました。
§128αὐτὰρ ἐπεὶ δὴ δεῖξε καὶ ἔφρασεν, ἦ τοι ὅ γʼ αὖτις §129ἀθανάτων μετὰ φῦλʼ ἀπέβη κρατὺς Ἀργειφόντης·
こうして道を教え、告げ終えると、力強きアルゲイポンテスは再び不滅の神々の群れへと立ち去って行きました。
§130αὐτὰρ ἐγώ σʼ ἱκόμην, κρατερὴ δέ μοι ἔπλετʼ ἀνάγκη.
そうして私はあなたのところへ参りました。 私には逆らえない必然があったのです。
§131ἀλλά σε πρὸς Ζηνὸς γουνάζομαι ἠδὲ τοκήων §132ἐσθλῶν·
しかし、私はゼウスと、あなたの高貴なご両親にかけて、あなたに懇願します。
οὐ μὲν γάρ κε κακοὶ τοιόνδε τέκοιεν·
なぜなら、卑しい親たちがあなたのようなお方を生むはずがないからです。
§133ἀδμήτην μʼ ἀγαγὼν καὶ ἀπειρήτην φιλότητος §134πατρί τε σῷ δεῖξον καὶ μητέρι κέδνʼ εἰδυίῃ §135σοῖς τε κασιγνήτοις, οἵ τοι ὁμόθεν γεγάασιν.
未婚であり、愛の交わりを経験したことのない私を連れて行き、あなたの父上と、良識ある母上、そして同じ血を引くご兄弟たちに合わせてください。
§136οὔ σφιν ἀεικελίη νυὸς ἔσσομαι, ἀλλʼ εἰκυῖα.
私は彼らに不相応な嫁ではなく、ふさわしい者となるでしょう。
§137πέμψαι δʼ ἄγγελον ὦκα μετὰ Φρύγας αἰολοπώλους §138εἰπεῖν πατρί τʼ ἐμῷ καὶ μητέρι κηδομένῃ περ·
そして、足の速い馬を持つフリュギア人のもとへ、すぐに使者を送って、私の父と、心配しているであろう母に知らせてください。
§139οἳ δέ κε τοι χρυσόν τε ἅλις ἐσθῆτά θʼ ὑφαντὴν §140πέμψουσιν·
そうすれば彼らは、あなたに十分な黄金と織り上げられた衣服を送ってくれるでしょう。
σὺ δὲ πολλὰ καὶ ἀγλαὰ δέχθαι ἄποινα.
あなたは多くの、そして輝かしい贈り物を受け取ってください。
§141ταῦτα δὲ ποιήσας δαίνυ γάμον ἱμερόεντα, §142τίμιον ἀνθρώποισι καὶ ἀθανάτοισι θεοῖσιν. <milestone type="endquote"/>
これらのことを終えたなら、憧れに満ちた婚礼の宴を開いてください、人間にとっても不滅の神々にとっても尊い婚礼の宴を。
§143ὣς εἰποῦσα θεὰ γλυκὺν ἵμερον ἔμβαλε θυμῷ.
」女神はこのように語って、彼の心に甘い憧れを吹き込んだ。
§144Ἀγχίσην δʼ ἔρος εἷλεν ἔπος τʼ ἔφατʼ ἔκ τʼ ὀνόμαζεν·
アンキセスを愛が捉え、彼は言葉を発して呼びかけた。
§145<milestone type="startquote"/> εἰ μὲν θνητή τʼ ἐσσι, γυνὴ δέ σε γείνατο μήτηρ, §146Ὀτρεὺς δʼ ἐστὶ πατὴρ ὀνομακλυτός, ὡς ἀγορεύεις, §147ἀθανάτου δὲ ἕκητι διακτόρου ἐνθάδʼ ἱκάνεις §148Ἑρμέω, ἐμὴ δʼ ἄλοχος κεκλήσεαι ἤματα πάντα·
「もしあなたが死すべき人間であり、一人の女性である母があなたを産み、あなたが言うように、高名なオトレウスがあなたの父であるなら、そして不滅の使者ヘルメスの意志によってあなたがここへ来たのであるなら、あなたは生涯、私の妻と呼ばれるでしょう。

語釈・文法注

  1. §82παρθένῳ ἀδμήτῃ μέγεθος καὶ εἶδος ὁμοίη — 「結婚前の未婚の乙女」を表す `παρθένῳ ἀδμήτῃ` は、関係対格 `μέγεθος καὶ εἶδος`(背丈と姿において)を伴って形容詞 `ὁμοίη`(〜に似た)に修飾されている。アプロディテが自身の神としての威光を隠すために、あえて人間(人間としての処女)の姿に扮したという文脈を示す。
  2. §83μή μιν ταρβήσειεν — 接続詞 `μή` に導かれる接続法過去 `ταρβήσειεν`(恐れる、ホメロス的接続法語尾)は、主節の過去時制(`στῆ`)を受けて否定の目的を表している(「〜しないように」)。目的節において過去の主動詞の後に希求法ではなく接続法が用いられるのは、事態の生々しさや意図の直接性を強調するホメロス的語法である。
  3. §90θαῦμα ἰδέσθαι — 不定詞 `ἰδέσθαι`(見る)は名詞 `θαῦμα`(驚異)を修飾する「限定(観点)の不定詞」(「見るに、見ることにおいて驚異である」)であり、ホメロスにおける代表的な定型表現。
  4. §125οὐδὲ ποσὶ ψαύσειν ἐδόκουν — 主動詞 `ἐδόκουν`(私は〜と思われた/〜と考えた)は個人変化をしており、不定詞 `ψαύσειν`(触れるだろう)の意味上の主語は `ἐδόκουν` の主語(アプロディテ自身)と一致する。ここでの表現は、エルメスによって超自然的な速度で空中を運ばれたため「自分の足が地に着いていないかのように感じられた」とする解釈と、二度と故郷の地を踏めない「死の絶望」を感じていたとする解釈の両方が可能だが、文脈上、超自然的な移動の速さと浮遊感を描写していると解釈するのが自然である。
  5. §131πρὸς Ζηνὸς γουνάζομαι — 前置詞 `πρός` は属格を伴って「〜にかけて懇願する」という誓いや請願の定型表現を作る。ここでは `Ζηνὸς ἠδὲ τοκήων`(ゼウスと両親)に係っている。

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ホメロス風讃歌, 第5歌 アフロディテ讃歌 §78-148. Humanitext Reader, https://reader.humanitext.ai/text/urn:cts:greekLit:tlg0013.tlg005.humanitext-grc2:78-148

AIによる草稿訳である旨と閲覧日を添えてください。

訳文・注・要旨はAIによる草稿で、読者の指摘により改訂されています。