デモステネス · Demosthenes
第四十四弁論 レオカレスへの抗弁
Against Leochares
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. III. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1931.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本作は、古代アテナイの法廷を舞台に、アルキアデスという人物の遺産相続権をめぐって争われる法廷弁論です。原告である語り手は、対立相手のレオストラトスとその息子レオカレスによる不当な遺産占有と虚偽の異議申し立てを激しく非難します。弁論はまず、原告自身がアルキアデスに最も近い男系の親族であることを詳細な家系図と法律を用いて論証することから始まります。続いて、女系にあたる相手方が三世代にわたって違法な養子縁組を繰り返し、不当に財産を維持し続けてきた経緯が暴露されます。さらに原告は、アテナイの法律を引用しながら、養子が新たな養子をとることの違法性や、相手方の主張における矛盾を厳しく追及します。最終的に、相手方の強欲さと不当な手続きを暴き、男系最親族としての正当な権利を主張して、裁判員に公正な判決を求めます。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §1-9
レオカレスの不当な遺産要求と家系の説明
語り手は、相手方のレオカレスが不当な遺産相続を要求して虚偽の異議申し立てを行ったと告発し、裁判員に対して自分たちの正当性を訴えるとともに、その論証のために家系の詳細な歴史を説明し始める。
- §10-16
男系親族による相続権の証明と養子縁組批判
話者は自らの家系がアルキアデスに対して男系で最も近い親族であることを詳細に説明し、その事実を示す証言と法律を提示する。さらに、相手側が主張する養子縁組の不当性と不法な財産占有を批判し、今後の弁論の方向性を示す。
- §17-25
三代にわたる不当な養子縁組と男系の相続権
話者は、女系の遠い親戚である対立相手が、違法な養子縁組を三世代にわたって繰り返してアルキアデスの財産を不当に占有してきた経緯を暴露し、最後の養子が子を遺さずに死んだ現在、男系最親族である自分たちに相続権があると訴える。
- §26-33
血縁の近さの根拠と葬儀後の不法な追放
語り手は自分たちが最も正当な相続人であることを改めて主張し、相手方が強欲にも複数の財産を占有しようとし、葬儀の後に自分たちを無断で追い出した不法行為を暴露する。
- §34-43
レオストラトスによる不法な養子縁組工作の暴露
訴訟相手のレオストラトスが、自らあるいは息子のレオカレスを亡きアルキアデスの養子に仕立て上げ、不当に遺産を占有しようと画策した一連の違法行為を暴露する。
- §44-51
嫡出と養子縁組の矛盾と不法登録の追及
弁論者は、レオストラトス一族が主張するアテナイ法上の「嫡出(実子)」と「適法(養子)」の矛盾を暴き、証言や証拠の不当性を法廷に示して原告側の相続権の正当性を訴える。
- §52-59
レオストラトスの異議申し立ての矛盾と制度批判
原告は、レオストラトスとその息子による矛盾した言動や、法律に反する伝聞による異議申し立ての不当性を指摘する。さらに、異議申し立てという制度が本来不要であり、裁判を妨げるものであるとして厳しく非難する。
- §60-68
男系の相続権と養子の養子縁組を禁じる法
弁論者は、相手方の異議申し立てが虚偽であることを確認した上で、自分たちが男系の最先順位の相続人であることを論じる。また、養子が他者を養子にすることは法的に禁じられており、ソロンの法も養子の遺言処分権を厳しく制限していることを説明する。
