§960b..Eccum.
ほら、あそこに。
§960c..Quid me incusas, Clitipho?
[フレスモ]なぜ私を非難するのだ、クリティポー?
§961..Quicquid ego huius feci, tibi prospexi et stultitiae tuae.
今回のことで私がしたことは何であれ、お前とお前の愚かさを思って手を打ったのだ。
§962..Ubi te vidi animo esse omisso, et suavia in praesentia §963..Quae essent prima habere, neque consulere in longitudinem, §964..Cepi rationem ut neque egeres, neque ut haec posses perdere.
お前が怠惰な精神の持ち主で、差し当たって心地よいことだけを最優先し、将来を見据えようとしないのを見て、お前が困窮することもなく、またこの財産を台無しにすることもできないような策を講じたのだ。
§965..Ubi cui decuit primo tibi non licuit per te mihi dare, §966..Abii ad proximos qui erant tibi; eis commisi et credidi:
本来真っ先に与えるべきお前に、お前自身の行いのせいで直接与えることができなくなったので、お前に最も近い人々のもとへ行き、彼らに財産を委ね、託したのだ。
§967..Ibi tuae stultitiae semper erit praesidium, Clitipho;
クリティポーよ、あそこなら、お前の愚かさに対する保護が常にあるだろう。
§968..Victus, vestitus, quo in tectum te receptes.
食物、衣服、そして身を寄せるための屋根がな。
§968b..Hei mihi!
[クリティポー]ああ、情けない!
§969..Satius est quam te ipso herede haec possidere Bacchidem.
お前自身が相続人となって、バッキスがこの財産を我が物にするよりは、その方がはるかによい。
§970..Disperii: scelestus quantas turbas concivi insciens!
破滅だ。 愚かにも、私は知らず知らずのうちに何という大騒動を引き起こしてしまったのだ!
§971..Emori cupio.
死んでしまいたい。
§971b..Prius quaeso disce quid sit vivere:
[フレスモ]頼むから、まず生きるとはどういうことか学んでからにしてくれ。
§972..Ubi scies, si displicebit vita, tum istoc utitor.
それが分かった上で、なお人生が気に入らないなら、その時その手段を用いるがよい。
§973..Here, licetne?
[スィルス]旦那様、よろしいでしょうか?
§973b..Loquere.
[フレスモ]話せ。
§973c..At tuto?
[スィルス]ですが、お咎めなしで?
§973d..Loquere.
[フレスモ]話せ。
[スィルス]それは一体何という不条理、あるいは何の狂気でしょうか、私が犯した過ちがこの若旦那の不利益になるというのは?
§974b..Ilicet.
[フレスモ]出て行け。
§975..Ne te admisce: nemo accusat, Syre, te;
余計な口を挟むな。 スィルス、誰も前を非難してはおらん。
nec tu aram tibi §976..Nec precatorem pararis.
自分自身のために祭壇を準備する必要も、執り成し手を調達する必要もない。
§976b..Quid agis?
[クリティポー]どうされるのですか?
§976c..Nihil succenseo,
[フレスモ]私は少しも怒っていない、お前に対しても、この男に対してもな。
§977..Nec tibi nec huic: nec vos est aequum quod facio mihi.
また、お前たちが私のすることに対して私に腹を立てるのも、理にかなわないことだ。
§978..Abiit;
[スィルス]行ってしまわれた。
vah, rogasse vellem.
ああ、聞いておけばよかった。
§978b..Quid?
[クリティポー]何をだ?
§978c..Unde mihi peterem cibum:
[スィルス]どこで飯を食えばいいのかを、です。
§979..Ita nos alienavit: tibi iam esse ad sororem intelligo.
あれほど私たちを締め出されたのですから。 あなた様は、今や妹君のところに身を寄せるしかないとお見受けします。
§980..Adeon rem rediisse ut periculum etiam fame mihi sit, Syre?
[クリティポー]スィルス、事態は私にさえ餓死の危険があるほどにまで至ったというのか?
§981c..nos esurituros satis.
[スィルス]十分にひもじい思いをするだろう、という希望が。
§982..Irrides in re tanta, neque me quicquam consilio adiuvas?
[クリティポー]これほどの一大事にからかい、何の知恵も貸してくれないのか?
§983..Immo et ibi nunc sum, et usque id egi dudum, dum loquitur pater;
[スィルス]いいえ、それどころか私も今まさにそのことを考えておりますし、お父上が話しておられる間もずっと、その算段をめぐらせていたのです。
§984c..non aberit longius.
[スィルス]真相はそう遠くありません。
§985..Quid id ergo?
[クリティポー]それでは、それは何なのだ?
§985b..Sic est, non esse horum te arbitror.
[スィルス]こういうことです。 私は、あなた様がこのご夫妻のお子ではないと思っております。
§985c..Quid istuc, Syre?
[クリティポー]それはどういうことだ、スィルス?
§986..Satin sanus es?
お前は正気なのか?
§986b..Ego dicam quod mihi in mentem: tu diiudica.
[スィルス]私は心に浮かんだことを申します。 ご自身でご判断ください。
§987..Dum istis fuisti solus, dum nulla alia delectatio §988..Quae propior esset, te indulgebant, tibi dabant: nunc filia
あのご夫妻にとって、あなた様がお一人きりであり、もっと身近で愛すべき存在が他になかった間は、あなた様を甘やかし、何でも与えてくれました。
§989..Postquam est inventa vera, inventa est causa qua te expellerent.
しかし今、本物の娘君が見つかった途端、あなた様を追い出すための口実が見つかったのです。
§990..Est verisimile.
[クリティポー]あり得ることだ。
§990b..An tu ob peccatum hoc esse illum iratum putas?
[スィルス]それとも、あの旦那様が今回の過ちのせいで怒っておられるとお思いですか?
§991..Non arbitror.
[クリティポー]そうは思わない。
§991b..Nunc aliud specta: matres omnes filiis
[スィルス]では、もう一つの点をご覧ください。
§992..In peccato adiutrices, auxilio in paterna iniuria
母親というものは誰しも、息子の過ちにおいては助けとなり、父親の不条理な仕打ちに対しては味方になってくれるものです。
§993..Solent esse: id non fit.
ところが、今回はそれが起きていません。
§993b..Verum dicis: quid nunc faciam, Syre?
[クリティポー]お前の言う通りだ。 私は今、どうすればいいのだ、スィルス?
§994..Suspicionem istanc ex illis quaere; rem profer palam:
[スィルス]その疑念についてお二人に問い質し、この件を公に表に出すのです。
もしそれが事実でないなら、お二人をすぐに同情へと導くことになるでしょうし、事実なら、ご自身が誰の子であるかを知ることになります。
§996b..Recte suades;
[クリティポー]良い勧めだ。
faciam.
そうしよう。
§996c..Sat recte hoc mihi
[スィルス]これは実に良いタイミングで思いついた。
§997..In mentem venit: namque adolescens quam minima in spe situs erit §998..Tam facillime patris pacem in leges conficiet suas.
というのも、あの若者が希望を失えば失うほど、それだけ簡単に、父親の提示する条件で和解することになるだろうからな。
§999..Etiam haud scio an uxorem ducat;
さらに、おそらく彼は妻を娶るだろう。
ac Syro nihil gratiae.
だが、スィルスには何の感謝もないのだろうな。
§1000..Quid hoc autem? senex exit foras: ego fugio: adhuc quod factum est
おや、これは何だ? 老旦那が外に出てこられる。 私は逃げるとしよう。
§1001..Miror, continuo non iussisse abripi me.
これまであの方が、すぐに私を連行して命じなかったのが不思議なくらいだ。
Ad Menedemum hunc pergam:
こちらのメネデームス様のところへ行こう。
§1002..Eum mihi precatorem paro: seni nostro fidei nihil habeo.
あの御方を私の執り成し手として準備するのだ。 我が家の老旦那は全く信用ならんからな。
§1003..Profecto nisi caves tu homo, aliquid gnato conficies mali:
[ソストラタ]本当に、あなた、気をつけないと、息子に何か災いをもたらすことになりますよ。
§1004..Idque adeo miror quomodo §1005..Tam ineptum quicquam tibi in mentem venire, mi vir, potuerit.
そして実際、私の旦那様、どうしてそれほど愚かな考えがあなたの心に浮かび得たのか、不思議でなりません。
§1006..Oh, pergin mulier esse? Nullamne ego rem unquam in vita mea
[フレスモ]おや、お前はどこまでも女で通すつもりか?
§1007..Volui quin tu in ea re mihi fueris adversatrix, Sostrata?
ソストラタ、私がこれまでの人生で何かを望んだ時、お前がその件で私の反対者にならなかったことが一度でもあったか?
§1008..At si rogitem iam, quid est quod peccem, aut quamobrem hoc faciam, nescias:
だが、今もし私がお前に、私が何の過ちを犯しているのか、あるいはなぜこれをしているのかと尋ねたなら、お前は答えられまい。
§1009..In qua re nunc tam confidenter restas, stulta.
にもかかわらず、愚か者め、お前は今その件でこれほど自信たっぷりに抵抗しているのだ。
§1009b..Ego nescio?
[ソストラタ]私が知らないとでも?
§1010..Immo scis, potius quam quidem redeat ad integrum haec eadem oratio.
[フレスモ]いや、知っているとも。 これと同じ話をまた一から繰り返されるくらいなら、そう言っておく方がましだ。
§1011..Oh, iniquus es, qui me tacere de re tanta postules.
[ソストラタ]まあ、これほどの大事について私に黙っていろとおっしゃるなんて、あんまりですわ。
§1012..Non postulo: iam loquere: nihilo minus ego hoc faciam tamen.
[フレスモ]要求などせん。 さあ話すがよい。 それでも私は、やはりこれを実行するがな。
§1013..Facies?
[ソストラタ]本当にやるのですか?
§1013b..Verum.
[フレスモ]そうだ。
§1013c..Non vides quantum mali ex ea re excites?
[ソストラタ]そのことからどれほどの災いを引き起こすことになるか、お分かりにならないのですか?