底本
Terence. Publii Terentii Comoediae Sex. Parry, Edward St. John, editor. London: Whittaker and Co.; George Bell, 1857.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:latinLit:phi0134.phi002.perseus-lat2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 21 件・原文 1 件を修正
AI校閲 2026-10-18:検出 Gemini 4 Argon/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳の修正なし
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 22 件・表記の統一 4 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、息子を過酷に扱って去らせたことを後悔し、自らに厳しい労働を課す老父メネデムスと、彼を取り巻く人々の人間模様を描いた古典喜劇です。隣人のクレメスはお節介からメネデムスに同情しますが、実はメネデムスの息子クリニアが密かに帰国し、クレメスの息子クリティポの家に滞在していました。クリティポもまた、贅沢な愛人バキスとの関係や金策に悩んでおり、機知に富んだ奴隷シルスの複雑な策略が展開されることになります。その過程で、クリニアの恋人アンティピラがクレメスの実の娘であることが発覚し、さらにクレメス自身が息子たちに騙されていたことが明らかになって立場が逆転します。最終的に、すべての欺瞞が暴かれ、息子が父親の要求に従って結婚を承諾することで、家族の和解と平穏が取り戻されます。
目次
20 チャンク
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登場人物一覧と劇の背景の解説
『自虐者』の登場人物一覧と、幼児の遺棄・再会、恋人のために旅立った息子への悔恨から自虐的な労働を課す父親の背景を含むプロット全体の導入部分。
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シルスの策略の展開と露見した放蕩
クレメスはバクスの祭りのために帰宅するが、息子の放蕩を隠すためのシルスの幾重もの策略に巻き込まれていく。最終的にすべての嘘が発覚して父親たちの立場が逆転し、息子クリティポンは改心を迫られる。
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上演記録と詩人の創作手法への誹謗に対する弁護
本作の構成をめぐる三一の法則に関する論争史を解説した後、上演記録(ディダスカリア)を提示し、プロローグ役の老優が詩人の混作行為や他者の才能への依存といった誹謗中傷に対して弁護を展開し始める。
- §25..-96..
公平な審判の嘆願とクレメスによる詰問
プロローグの後半で、劇団長アンビウィウス・トゥルピオが静的な劇(会話劇)の上演を求めて観客に公平な審判を請う。続く本編の第1幕第1場では、隣人となったばかりのクレメスが、高齢で裕福ながら過酷な肉体労働に身をやつすメネデムスに理由を尋ね、メネデムスは苦渋のうちに一人息子の事情を語り始める。
- §97..-167d..
息子の出奔の経緯とメネデムスの自虐
メネデムスは厳しい反対から息子が従軍して去ったこと、その悔恨から過酷な自己処罰を課している事情をクレメスに明かし、食事の誘いを断る。
- §168..-221..
クリニアの帰国とクレメスによる父の説教
クレメスは、メネデムスの息子クリニアが帰国し自分の家に滞在していることを息子のクリティポから知らされる。クレメスは父親としての厳しさを擁護する説教を始めるが、クリティポはこれに内心で反発する。
- §222..-276..
クリティポの苦衷とアンティピラ到着への誤解
クリティポが父親の説教を皮肉った後、恋人バキスの金遣いの荒さに頭を悩ませる。一方、クリニアは恋人アンティピラの到着を不安視するが、多くの女奴隷と荷物を伴って到着した彼女を見て、彼女の堕落を疑って絶望する。
- §277..-339c..
アンティピラの貞淑とバッキス同伴への怒り
スィルスはクリニアの恋人アンティピラの貞淑な生活の様子を詳しく語り、クリニアを喜ばせる。しかし、スィルスがクリティポの恋人バッキスをも連れてきたと告げると、クリティポはその危険な計画に憤慨し、二人の間で激しい議論が交わされる。
- §340..-402..
スィルスの脅しとバッキスによるアンティピラへの賛美
スィルスが計画中止を匂わせてクリティポを脅し、妥協させる。その後、アンティピラとバッキスが登場し、バッキスはアンティピラの一途な操を称賛する。
- §403..-473..
クリニアの再会とフレスモの策略の助言
帰国したクリニアはアンティピラと劇的な再会を果たす。一方フレスモは、隣人メネデムスに息子の帰国を知らせつつも、彼が両極端に走って息子の愛人(贅沢になったバッキス)に無制限の金銭を与えるのを防ぐため、奴隷の策略にわざと騙されるふりをして金を与えるよう助言する。
- §474..-545b..
メネデムスへの説得とスィルスへの策略の教唆
フレスモはメネデムスに対し、息子の要求を間接的に満たすために奴隷の策略を利用するよう説得し、一時的に席を外したのち、現れた奴隷のスィルスに策略を仕掛けるようそそのかす。
- §546..-603..
クリティフォへの叱責と担保の少女を巡る策略
フレスモはスィルスに計略の実行を促すが、息子のクリティフォがバッキスに馴れ馴れしく接しているのを目撃し、厳しく叱責する。事態の露見を防ぐためにクリティフォが散歩へ追いやられた後、スィルスはフレスモに対し、借金の担保となった少女を巡る新たな計略を切り出す。
- §603b..-656..
指輪による娘の発見とソーストラタの告白
ソーストラタは、バッキスの連れてきた娘がかつて自分が夫の命令に背いて密かに預けた実の娘であることを、指輪を手がかりに確信し、フレスモにその事実を明かし始めます。
- §657..-709..
アンティフィラの素性の判明とスィルスの新たな計略
ソーストラータが確認した指輪により、バッキスが連れてきた娘が彼らの実の娘アンティピラであることが判明する。スィルスは喜びを爆発させるクリニアを落ち着かせつつ、クリティポーの情事を守るための新たな計画を提案する。
- §710..-768..
バッキスのメネデームス家への移動とフレスモの称賛
スィルスは真実を語ることで老人たちを騙す計略を進め、バッキスを脅迫に近い態度でメネデームス家へ移らせる。その最中、フレスモが彼女の浪費に呆れながら登場し、スィルスの嘘の成功報告を聞いて彼を称賛する。
- §769..-837..
スィルスの詐術によるフレスモからの金策とクリティポーの役目
スィルスはフレスモを騙して、クレニアがフレスモの娘と結婚するためにお金が必要だという作り話を信じ込ませ、バッキスへの借金を返済するための金をフレスモ自身に用意させます。さらに、その金を不審に思われないよう息子のクリティポーを介してバッキスに渡させることに成功し、クリティポーは喜んで金を受け取りに行きます。
- §838..-900..
娘の持参金に悩むフレスモと真相を知るメネデームス
フレスモは実の娘の持参金の工面に頭を痛め、騙されているメネデームスを助けようとするが、実はメネデームスはフレスモが実の息子に騙されていることを見抜いており、フレスモの愚かさを嘲笑する。
- §900b..-960..
欺瞞の露見とフレスモの激怒
メネデームスはフレスモに対し、彼の息子クリティポーとバッキスが二人きりで寝室に入っていった事実を告げる。それを聞いたフレスモは、かつて騙されていた事実と、バッキスがクリニアではなく自身の息子クリティポーの愛人であったことを悟り、激怒して対策を講じる。
- §960b..-1013c..
フレスモの廃嫡宣告とクリティポーの出生の疑惑
フレスモはクリティポーに対し、お前の愚行を案じて全財産を婚約者の家に譲ることにしたと言い放ち、これを聞いたクリティポーは絶望する。スィルスはクリティポーに、本当はフレスモ夫妻の実子ではないのではないかという疑念を吹き込み、両親に確かめるよう促した後、フレスモとソストラタが口論しながら現れる。
- §1014..-1067c..
クリティポーの出生の確認と父子の和解
クリティポーは自分が貰い子であるという疑いについて両親に問い質し、実の子であることを確信します。最終的に、クリティポーは結婚を承諾することを条件に父親と和解し、スィルスの許しも勝ち取って劇は幕を閉じます。
