Humanitext Reader

テレンティウス · 自虐者 §474..-545b..

メネデムスへの説得とスィルスへの策略の教唆

11 / 20 箇所 · ラテン語

要旨

フレスモはメネデムスに対し、息子の要求を間接的に満たすために奴隷の策略を利用するよう説得し、一時的に席を外したのち、現れた奴隷のスィルスに策略を仕掛けるようそそのかす。

§474..Consilia ad adolescentes: et tibi perdere
[フレスモ]若者たちに策を授けるのだ。
§475..Talentum hoc pacto satius est quam illo minam.
そしてお前にとっては、この方法で一タラントを失う方が、あっちの方法で一ミナを失うよりもましなのだ。
§476..Non nunc pecunia agitur;
今は金の問題ではない。
sed illud, quomodo §477..Minimo periclo id demus adolescentulo.
むしろ、どのようにして最小限の危険でそれを若者に与えるか、ということだ。
§478..Nam si semel tuum animum ille intellexerit, §479..Prius proditurum te tuam vitam, et prius §480..Pecuniam omnem, quam abs te amittas filium; hui, §481..Quantam fenestram ad nequitiam patefeceris!
なぜなら、もしあの子が一度お前の心を知ってしまったら、お前があの子を失うくらいなら、自分の命を先に投げ出し、またすべての財産を先に手放すつもりだと知ったら、おお、なんという放蕩への窓を大きく開いてしまうことになるか!
§482..Tibi autem porro ut non sit suave vivere:
そうなればお前にとっては、これから先、生きることが楽しくなくなるだろう。
§483..Nam deteriores omnes sumus licentia.
私たちは皆、放任されると悪くなるものなのだから。
§484..Quodcunque inciderit in mentem volet: neque id §485..Putabit, pravum siet an rectum quod petet.
心に浮かんだことは何でも欲しがるようになるだろうし、自分の求めることが正しいか悪いかなどと考えもしなくなるだろう。
§486..Tu rem perire et ipsum non poteris pati.
お前は財産が失われることも、あの子自身が破滅することも耐えられない。
§487..Dare denegaris; ibit ad illud ilico, §488..Quo maxime apud te se valere sentiet:
与えるのを拒めば、彼はすぐに、お前に対して最も効果があると彼が感じているあの手段に出るだろう。
§489..Abiturum se abs te esse ilico minabitur.
すなわち、すぐにお前のもとを去ると脅すのだ。
§490..Videre verum, atque ita uti res est, dicere.
[メネデムス]お前の言うことはもっともだ。 まさに事の真相を語っている。
§491..Somnum hercle ego hac nocte oculis non vidi meis, §492..Dum id quaero tibi qui filium restituerem.
[フレスモ]ヘラクレスにかけて、私は昨夜一睡もしていないのだ、どうやってお前に息子を連れ戻すかを考えて。
§493..Cedo dextram: porro te idem oro ut facias, Chreme.
[メネデムス]右手をくれ。 フレスモよ、これからも同じように助けてくれるよう頼む。
§494..Paratus sum.
[フレスモ]いつでも力になろう。
§494b..Scin quid nunc facere te volo?
[メネデムス]今お前に何をしてほしいか、分かっているか?
[フレスモ]言ってくれ。
§495b..Quod sensisti illos me incipere fallere.
[メネデムス]あいつらが私を騙しにかかっているとお前が気づいたことだ。
§496..Id ut maturent facere: cupio illi dare
それをあいつらが早く実行するようにしてほしい。
§497..Quod vult: cupio iam videre.
あの子が望むものを与えたいのだ。 もうあの子に会いたくてたまらない。
§497b..Operam dabo.
[フレスモ]何とかしよう。
§498..Paulum negoti mihi obstat: Simus et Crito
少し用事があってな。
§499..Vicini nostri hic ambigunt de finibus: §500..Me cepere arbitrum: ibo ac dicam, ut dixeram §501..Operam daturum me, hodie non posse his dare.
隣人のシムスとクリトがここで境界のことで争っていて、私を仲裁人に選んだのだ。 行って、仲裁すると言っておいたが、今日はできないと伝えてこよう。
§502..Continuo hic adero.
すぐにここに戻る。
§502b..Ita quaeso.
[メネデムス]頼む。
Di vestram fidem!
神々よ!
§503..Ita comparatam esse hominum naturam omnium, §504..Aliena ut melius videant et diiudicent §505..Quam sua? an eo fit quia in re nostra aut gaudio §506..Sumus praepediti nimio aut aegritudine?
どうして人間の本性は皆、他人のことなら自分のことよりもうまく見て判断できるのに、自分のこととなると、過度の喜びや悲しみに縛られてそういかなくなるのだろうか?
§507..Hic mihi quanto nunc plus sapit quam egomet mihi!
今の彼は、私自身よりも私のことをどれほど賢く考えてくれていることか!
§508..Dissolvi me otiosus operam ut tibi darem.
[フレスモ]用事を片づけて、お前のために時間を作ってきたぞ。
§509..Syrus est prehendendus, atque adhortandus mihi.
スィルスを捕まえて、けしかけなければならんな。
§510..A me nescio quis exit: concede hinc domum,
おや、家から誰か出てくる。
§511..Ne nos inter nos congruere sentiant.
ここから離れて家に引っ込んでくれ、私たちが示し合わせているのを感づかれないように。
§512..Hac illac circumcursa: inveniendum est tamen §513..Argentum: intendenda in senem est fallacia.
[スィルス]あちこち駆け回れ。 しかし、金は見つけ出さねばならん。 あの老人に策略を仕掛けねば。
§514..Num me fefellit hosce id struere? Videlicet
[フレスモ]彼らがそれを企んでいるというのは、やはり私の読み通りだったか。
§515..Cliniae ille servus tardiusculus est, §516..Idcirco huic nostro tradita est provincia.
どうやらクリニアのあの奴隷は少々どんくさいから、わがスィルスにこの任務が引き渡されたのだな。
§517..Quis hic loquitur? Perii. Numnam haec audivit?
[スィルス]誰が話しているんだ? しまった、今のを聞かれたか?
[フレスモ]スィルス。
[スィルス]おや。
§518..Quid tu istic?
[フレスモ]そこで何をしている?
§518b..Recte equidem: sed te miror, Chreme, §519..Tam mane qui heri tantum biberis.
[スィルス]いや、何でもありません。 それよりフレスモ様、昨日あんなにお飲みになったのに、こんなに早くからお目覚めとは驚きました。
§519b..Nihil nimis.
[フレスモ]大したことはない。
§520.."Nihil" narras? visa vero est, quod dici solet, §521..Aquilae senectus.
[スィルス]『大したことはない』ですって? 俗に言う『鷲の老後』そのものに見えましたよ。
[フレスモ]これこれ。
§521c..Mulier commoda et §522..Faceta haec meretrix.
[スィルス]それにしても、あの遊女は気が利いていて面白い女性ですね。
§522b..Sane, idem visa est mihi.
[フレスモ]全くだ、私にもそう見えた。
§523..Et quidem hercle forma luculenta.
[スィルス]それに、ヘラクレスにかけて実に美しい。
§523b..Sic satis.
[フレスモ]まあ、そこそこな。
§524..Ita non ut olim; sed uti nunc, sane bona:
[スィルス]昔ほどではないにしても、今にしては、本当にいい女です。
§525..Minimeque miror Clinia hanc si deperit.
クリニア様が彼女に夢中になるのも全く不思議ではありません。
§526..Sed habet patrem quendam avidum, miserum, atque aridum,
しかし、彼には欲深で、哀れで、干からびた父親がいますね、この隣人の。
§527..Vicinum hunc: nostine? At quasi is non divitiis §528..Abundet, gnatus eius profugit inopia.
ご存じでしょう? まるであの人が財産に溢れていないかのように、彼の息子は貧しさのあまり逃げ出したのです。
§529..Scis esse factum ut dico?
私の言う通りになったのをご存じですか?
§529b..Quid ego nesciam?
[フレスモ]知らないはずがあろうか。
§530..Hominem pistrino dignum.
[スィルス]粉挽き小屋に送られるにふさわしい男です。
[フレスモ]誰がだ?
§530c..Istunc servulum §531..Dico adolescentis.
[スィルス]あの若者の奴隷ですよ。
§531b..Syre, tibi timui male.
[フレスモ](独白)スィルスよ、お前のために冷や汗をかいたぞ。
§532..Qui passus est id fieri.
[スィルス]そんな事態になるのを許した奴です。
§532b..Quid faceret?
[フレスモ]彼に何ができたというのだ?
§532c..Rogas?
[スィルス]お聞きになりますか?
§533..Aliquid reperiret, fingeret fallacias, §534..Unde esset adolescenti amicae quod daret; §535..Atque hunc difficilem invitum servaret senem.
何か方法を見つけ、計略を企てて、若者が恋人に与えるための金を手に入れ、あの気難しく不本意な老人を救うべきだったのです。
§536..Garris.
[フレスモ]たわごとを。
§536b..Haec facta ab illo oportebat, Syre.
それこそが彼になされるべきことだったのだ、スィルスよ。
§537..Eho quaeso, laudas qui heros fallunt?
[スィルス]おや、お願いです、主人を騙す者を褒めるのですか?
§537b..In loco
[フレスモ]時と場合による。
§538..Ego vero laudo.
私は大いに褒めるぞ。
§538b..Recte sane.
[スィルス]なるほど、ごもっとも。
§538c..Quippe quia §539..Magnarum saepe id remedium aegritudinum est.
[フレスモ]なぜなら、それがしばしば大きな苦痛の治療薬となるからだ。
§540..Huic iam mansisset unicus gnatus domi.
そうでなければ、あの人の一人息子は今も家に留まっていただろうに。
§541..Iocone an serio illaec dicat, nescio; §542..Nisi mihi quidem addit animum, quo lubeat magis.
[スィルス](独白)冗談で言っているのか本気なのか分からないが、ともかく私にやる気を与えてくれるのはありがたい。
§543..Et nunc quid exspectat, Syre? an dum hinc denuo
[フレスモ]それで、スィルス、あいつは今何を待っているのだ?
§544..Abeat, cum tolerare huius sumtus non queat?
彼女の費用を賄えなくなって、あの子が再びここから去ってしまうのを待っているのか?
§545..Nonne ad senem aliquam fabricam fingit?
老人を騙す計略を何か練らないのか?
§545b..Stolidus est.
[スィルス]あいつは愚か者ですから。

語釈・文法注

  1. 475tibi perdere talentum hoc pacto satius est quam illo minam — `tibi`(お前にとって)は判断の与格、`satius`(よりましである)は比較級形容詞の好ましい形。`perdere`(失うこと)が主語不定詞。`hoc pacto`(この方法で)と`illo [pacto]`(あの方法で)が対比されている。ChremesはMenedemusに対し、奴隷に騙されたふりをして大金(タラント)を失う方が、甘やかして後々息子を破滅させたり少額(ミナ)を失うより賢明であると説得している。
  2. 482Tibi autem porro ut non sit suave vivere — `ut non sit` は、前の文(§481)の感嘆文 `Quantam fenestram... patefeceris!` に続くか、あるいは結果の `ut` 節(「結果としてお前にとっては生きることが楽しくなくなる」)として解釈される。
  3. 503Ita comparatam esse hominum naturam — 感嘆の対格不定詞構文(accusative with infinitive of exclamation)。`comparatam esse`(構成されていること)が不定詞で、`hominum naturam omnium`がその主語対格。直前の `Di vestram fidem!`(神々よ!)という叫びに呼応し、「人間の本性が〜であるとは!」という驚きと嘆きを表す。
  4. 536bHaec facta ab illo oportebat, Syre — `oportebat`(〜すべきであった)は非人称動詞の過去形で、`haec facta [esse] ab illo`(これらのことが彼によってなされること)という対格不定詞構文(ここでは受動完了不定詞 `facta esse` の `esse` が省略)を伴う。ChremesはSyrusに対して、Cliniaの奴隷が主人を騙す企てを実行すべきだったのだとそそのかしている。

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テレンティウス, 自虐者 §474..-545b... Humanitext Reader, https://reader.humanitext.ai/text/urn:cts:latinLit:phi0134.phi002.humanitext-lat2:474..-545b..

AIによる草稿訳である旨と閲覧日を添えてください。

訳文・注・要旨はAIによる草稿で、読者の指摘により改訂されています。