Humanitext Reader

プラウトゥス · 綱引き §489-564c

ラボラックスとシャルムの口論と娘たちの生存

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要旨

難破した船から這い上がってきた女衒のラブラクスと、その客のシャルムは、浜辺でお互いの愚行をなすりつけ合って激しい罵り合いと愚痴を交わす。そこへ神殿からスケパルニオが現れ、神像にすがる二人の若い女性の生存を伝える。

§489edepol, Libertas, lepida es, quae numquam pedem
シャルム:ポルクスにかけて、自由(女神)よ、お前は本当に愛らしいな、ヘラクレスと一緒に船に足を踏み入れようとは決して思わなかったのだから。
§490voluisti in navem cum Hercule una imponere. §491sed ubi ille meus est hospes, qui me perdidit?
だが、俺を破滅させたあの俺の客人はどこにいる?
§492atque eccum incedit.
おっと、あそこを歩いてくるぞ。
§492bQuo malum properas, Labrax?
おい、ラブラクス、一体どこへそんなに急いで行くんだ?
§493nam equidem te nequeo consequi tam strenue.
俺にはお前のように元気よく追いかけることはとてもできない。
§494Vtinam te prius quam óculis vidissem meis, §495malo cruciatu in Sicilia perbiteres, §496quem propter hoc mihi optigit misero mali.
ラブラクス:この目で見る前に、お前がシチリアで無残な拷問を受けて死んでいればよかったのだ、お前のせいで、哀れな俺にこれほどの災難が降りかかったのだから。
§497Vtinam, quom in aedis me ad te adduxisti tuas, §498in carcere illo potius cubuissem die.
シャルム:お前が俺を自分の家に連れて行ったあの日に、むしろあの牢獄で眠っていればよかったのだ。
§499deosque ímmortales quaeso, dum vivas uti §500omnes tui símiles hospites habeas tibi.
そして、お前が生きている限り、お前に似たような客人ばかりを持つことを不死の神々に祈るよ。
§501Malam fortunam in aedis te adduxi meas.
ラブラクス:お前を家に連れ込んだのは、不運を連れ込んだようなものだ。
§502quid mihi scelesto tibi erat auscultatio, §503quidve hinc abitio quidve in navem inscensio?
不届き者の俺が、なぜお前の言葉に耳を貸したのか、なぜここから出発し、なぜ船に乗り込んだのか?
§504ubi perdidi etiam plus boni quam mihi fuit.
そこで俺は自分が持っていた以上の財産を失ってしまった。
§505Pol minime miror, navis si fractast tibi, §506scelus te ét sceleste parta quae vexit bona.
シャルム:ポルクスにかけて、船が難破したのも当然だ、悪党のお前と、悪事で手に入れたお前の財産を運んでいたのだからな。
§507Pessum dedisti me blandimentis tuis.
ラブラクス:お前の甘言が、俺を奈落の底に突き落としたのだ。
§508Scelestiorem cenam cenavi tuam, §509quam quae Thyestae quondam aut posita est Tereo.
シャルム:俺はお前の家で、かつてテュエステスやテレウスに出されたものよりももっとおぞましい食事を味わわされたよ。
§510Perii, animo male fit.
ラブラクス:もうだめだ、気分が悪い。
contine quaeso caput.
お願いだ、頭を支えてくれ。
§511Pulmoneum edepol nimis velim vomitum vomas.
シャルム:ポルクスにかけて、肺まで吐き出してしまえばいいのに。
§512Eheu, Palaestra atque Ampelisca, ubi estis nunc?
ラブラクス:ああ、パライストラ、アンペリスカ、お前たちは今どこにいる?
§513Piscibus in alto, credo, praebent pabulum.
シャルム:深い海の中で、魚の餌にでもなっているのだろうさ、思うに。
§514Mendicitatem mi optulisti opera tua, §515dum tuis ausculto magnidicis mendaciis.
ラブラクス:お前のせいで俺は乞食同然になったのだ、お前の大言壮語の嘘を信じてしまったばかりに。
§516Bonam est quod habeas gratiam merito mihi, §517qui te ex insulso salsum feci opera mea.
シャルム:俺のおかげで、塩気のないお前が塩辛くなったのだから、当然俺に感謝すべきだ。
§518Quin tu hinc is a me in maxumam malam crucem?
ラブラクス:いっそ、俺の前から消えてとっとと地獄へ落ちたらどうだ?
§519Eas.
シャルム:お前が行くがいい。
easque res agebam commodum.
俺はちょうどそうしようとしていたところだ。
§520Eheu, quis vivit me mortalis miserior?
ラブラクス:ああ、俺より惨めな人間がこの世にいるだろうか?
§521Ego multo tanto miserior quam tu, Labrax.
シャルム:俺はお前よりずっと惨めだよ、ラブラクス。
§522Qui?
ラブラクス:なぜだ?
§522bQuia ego indignus sum, tu dignus qui sies.
シャルム:俺にはそんな罰を受ける理由がないのに、お前には十分にその資格があるからだ。
§523O scirpe, scirpe, laudo fortunas tuas, §524qui semper servas gloriam aritudinis.
シャルム:おお、葦よ、葦よ、お前の境遇が羨ましい、いつでも乾いているという栄光を保っているのだからな。
§525Equidem me ad velitationem exerceo, §526nam omnia corusca prae temore fabulor.
俺はといえば、軽装歩兵の訓練をしているよ、寒さのあまり、全身をガタガタ震わせながら話しているのだからな。
§527Edepol, Neptune, es balineator frigidus:
ポルクスにかけて、ネプトゥヌスよ、お前は冷たい風呂屋だな。
§528cum vestimentis postquam aps té abii, algeo.
服を着たままお前のところを立ち去ってから、凍えそうなのだ。
§529Ne thermipolium quidem ullum ínstruit, §530ita salsam praehibet potionem et frigidam.
温かい飲み物屋さえ一軒も用意してくれない、それほどに塩辛く、冷たい飲み物ばかりを出しやがって。
§531Vt fortunati sunt fabri ferrarii, §532qui apud carbones adsident: semper calent.
炭のそばに座っている鍛冶屋たちは何と幸せなことか、いつも温かいのだから。
§533Vtinam fortuna nunc anetina úterer, §534ut quom exiissem éx aqua, arerem tamen.
ああ、今アヒルの性質を持っていられたらよかったのに、水から出ても、体は乾いているだろうに。
§535Quid si aliquo ad ludos me pro manduco locem?
見世物小屋にでも行って、大食い怪物の役で雇ってもらおうか?
§536Quapropter?
ラブラクス:どうしてだ?
§536bQuia pol clare crepito dentibus.
シャルム:ポルクスにかけて、歯がガチガチと良い音を立てて鳴るからな。
§537Iure optumo me élavisse árbitror.
ラブラクス:俺はまったく文無しになってしまったと思う。
§538Qui?
シャルム:どうしてだ?
§538bQui una auderem tecum in navem ascendere, §539qui a fundamento mi usque movisti mare.
ラブラクス:お前と一緒に船に乗る勇気を出してしまったからだ、お前は海の底から嵐を巻き起こしたのだからな。
§540Tibi auscultavi, tu promittebas mihi
俺はお前の言うことを聞いたのだ。
§541illi esse quaestum maximum meretricibus, §542ibi me conruere posse aiebas ditias.
お前は俺に、あちらではあの娼婦たちで大儲けができると約束した、そこへ行けば莫大な富をかき集められると言っていたではないか。
§543Iam postulabas te, impurata belua, §544totam Siciliam devoraturum insulam?
シャルム:不潔な獣め、お前はすでにシチリア島を丸ごと飲み込むつもりだったのだろう?
§545Quaenam ballaena meum voravit vidulum, §546aurum atque argentum ubi omne compactum fuit?
ラブラクス:一体どんなクジラが俺の旅行鞄を飲み込んだのだろう、金も銀もすべてあの中に詰め込まれていたのに。
§547Eadem illa, credo, quae meum marsuppium, §548quod plenum argenti fuit in sacciperio.
シャルム:俺の袋の中に入っていた、銀がぎっしり詰まった財布を飲み込んだのと同じクジラだろうさ、思うに。
§549Eheu, redactus sum usque ad unam hanc tuniculam §550et ad hoc misellum pallium.
ラブラクス:ああ、俺はこの一枚の薄いチュニックと、このみすぼらしい外套だけにされてしまった。
perii oppido.
完全に破滅だ。
§551Vel consociare mihi quidem tecum licet:
シャルム:なんなら、俺とお前で共同事業を始めてもいいぞ。
§552aequas habemus partes.
俺たちの持ち分は平等なのだからな。
§552bSaltem si mihi §553mulierculae essent salvae, spes aliquae forent.
ラブラクス:せめてあの娘たちが無事であったなら、何かしら希望もあったのだが。
§554nunc si me adulescens Plesidippus viderit, §555quo ab arrabonem pro Palaestra acceperam, §556iam is exhibebit hic mihi negotium.
もし今、若いプレシディップスが俺を見つけたら、俺はパライストラのことで彼から手付金を受け取っているのだから、すぐにでもここで厄介な事態になるだろう。
§557Quid, stulte, ploras? tibi quidem edepol copiast,
シャルム:何をしがんでいるんだ、愚か者め。
§558dum lingua vivet, qui rem solvas omnibus.
ポルクスにかけて、お前にはたっぷり資産があるじゃないか、舌が動いている限り、誰にでも言い訳して支払いを済ませられるのだから。
§559Quíd illuc, opsecro, negotist quod duae mulierculae §560hic in fano Veneris signum flentes amplexae tenent,
スケパルニオ:おいおい、一体どうしたことだ、二人の若い娘がここでウェヌスの神殿の神像を泣きながら抱きしめているのは。
§561nescio quém metuentes miserae? nocte hac aiunt proxuma
誰だか知らない男を恐れているようだが、可哀想に。
§562se iactatas, atque eiectas hodie esse aiunt e mari.
昨夜、激しく揺さぶられ、今日、海から投げ出されたと言っているぞ。
§563Opsecro hercle, adulescens, ubi istaec sunt quas memoras mulieres?
ラブラクス:おい、若者よ、ヘラクレスにかけてお願いだ、お前の言うその女たちはどこにいるんだ?
§564Hic in fano Veneris.
スケパルニオ:ここ、ウェヌスの神殿の中だ。
§564bQuot sunt?
ラブラクス:何人だ?
§564cTotidem quot ego et tu sumus.
スケパルニオ:俺とお前を合わせたのと同じ人数だ。

語釈・文法注

  1. §489quae numquam pedem voluisti — 先行詞 Libertas(女性単数)を修飾する関係節であるが、直説法完了形(voluisti)を用いて、自由の女神が船に乗らなかった「歴史的事実」を理由として提示している。
  2. §502quid mihi scelesto tibi erat auscultatio — 与格 mihi scelesto を伴う「主語としての動作名詞(auscultatio)+esse」の構文で、「なぜ私(悪党)があなた(tibi)の言うことに耳を貸したのか」という非難を伴う口語的表現。動詞 auscultare の支配する与格 tibi が並置されている。
  3. §517ex insulso salsum feci — insulsus(塩気のない、愚かな)から salsus(塩辛い、機知に富む、海水に浸かった)にした、という二重の意味での言葉遊び。海難事故で文字通り「海水まみれ」にしたことと、愚か者から「世慣れた者」に変えてやったという自負を引っかけている。
  4. §521multo tanto — 比較級 miserior を修飾する差の対格または奪格(multo と tanto)の重複表現。「はるかにそれだけ多く」という口語的に強調された度合いを示す。
  5. §525velitationem — velitatio(軽装歩兵の小競り合い)という軍事用語を、寒さで歯を鳴らして「ガタガタ震える(velitari)」様子に引っ掛けた言葉遊び。次の行の corusca(震える言葉)と照応している。
  6. §537elavisse — elavo(きれいに洗い流す)という動詞の完了不定詞。ここでは文字通り「水で洗われた」という意味と、比喩的に「無一文にされる、身ぐるみを剥がされる」という俗語的な意味の両方を兼ねている。
  7. §558qui rem solvas — 関係代名詞 qui(形容詞用法として前文の copia を受けるか、あるいは手段を示す)を伴う接続法現在(solvas)。「(舌が動く限りは)債務を弁済するための手段/言い訳をする能力が十分にある」という特徴・目的の節。

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プラウトゥス, 綱引き §489-564c. Humanitext Reader, https://reader.humanitext.ai/text/urn:cts:latinLit:phi0119.phi017.humanitext-lat2:489-564c

AIによる草稿訳である旨と閲覧日を添えてください。

訳文・注・要旨はAIによる草稿で、読者の指摘により改訂されています。