Humanitext Reader

プラウトゥス · カルタゴ人 §290-342

美徳を説くアデルファシウムとアゴラストクレスの接近

5 / 22 箇所 · ラテン語

要旨

アゴラストクレスとミルピオが愛や泥の言葉遊びを交えて語り合うなか、姉妹(アデルファシウムとアンテラスティリス)が登場する。アデルファシウムが外見よりも美徳の大切さを語った後、彼女たちはウェヌス神殿へと向かい、アゴラストクレスが話しかける。

§290nam illa mulier lapidem silicem subigere, ut se amet, potest.
(アゴラストクレス)だってあの女なら、自分を愛させるために、硬い火打石でも説き伏せることができるのだから。
§291Pol id quidem hau mentire, nam tu es lapide silice stultior, §292qui hanc ames.
(ミルピオ)誓って、それは全く嘘ではありませんね。 だって、あなたはあの女を愛しているのですから、あの火打石よりも愚かです。
§292bAt vide sis, cum illac numquam limavi caput.
(アゴラストクレス)だがおい、見てくれ。 私は彼女と一度も頭を寄せ合わせた(いちゃついた)ことがないのだ。
§293Curram igitur aliquo ad piscinam aut ad lacum, limum petam.
(ミルピオ)それなら私はどこか池か湖に走っていって、泥を求めてきましょう。
§294Quid eo opust?
(アゴラストクレス)どうしてそれが必要なんだ?
§294bEgo dicam: ut illi ét tibi limem caput.
(ミルピオ)お教えしましょう。 あの女とあなたの頭を泥だらけにする(頭を擦り合わせる)ためです。
§295I in malam rem.
(アゴラストクレス)地獄へ落ちろ。
§295bIbi sum équidem.
(ミルピオ)私はすでにそこにいます(旦那様のそばにいますからね)。
§295cPerdis.
(アゴラストクレス)お前は台無しにしているぞ。
§295dTaceo.
(ミルピオ)黙ります。
§295eAt perpetuo volo.
(アゴラストクレス)だが、ずっとそうしていてほしい。
§296Enim vero, ere, meo me lacessis ludo et delicias facis.
(ミルピオ)本当に、旦那様、あなたは私のやり方で私をからかい、おどけていらっしゃる。
§297Satis nunc lepide ornatam credo, soror, te tibi viderier;
(アデルファシウム)妹よ、お前は今、自分自身で十分に美しく飾られていると思っているのだろう。
§298sed ubi exempla conferentur meretricum aliarum, ibi tibi
けれど、他の娼婦たちの例と比較される時、そこでお前には心痛が生じるでしょう。
§299erit cordolium, si quam ornatam melius forte aspexeris.
もしお前よりよく飾られている者を偶然目撃したならね。
§300Invidia in me numquam innatast neque malitia, mea soror.
(アンテラスティリス)嫉妬や悪意は、私のうちに生じたことはありません、お姉様。
§301bono med esse ingenio ornatam quam auro multo mavolo:
私は金を多く身にまとうことより、良い気立てで飾られていることをずっと望みます。
§302aurum, id fortuna invenitur, natura ingenium bonum.
金、それは運によって見出されるものですが、良い気立ては生まれつきのものです。
§304meretricem pudorem gerere magis decet quam purpuram:
娼婦には、紫の衣を身にまとうことよりも、恥じらいを身に帯びていることのほうがふさわしいのです。
§306pulchrum ornatum turpes mores peius caeno conlinunt, §307lepidi mores turpem ornatum facile factis comprobant.
美しい装いも、卑しい品性が泥よりもひどく汚してしまいますが、気品ある品性は、みすぼらしい装いをその行いによって容易に立派なものと証明して見せます。
§308Eho tu, vin tu facinus facere lepidum et festivom?
(アゴラストクレス)おいお前、何か洒落ていて愉快なことをしてみたいか?
§308bVolo.
(ミルピオ)したいですね。
§309Potesne mi auscultare?
(アゴラストクレス)俺の言うことが聞けるか?
§309bPossum.
(ミルピオ)聞けますよ。
§309cAbi domum ac suspende te.
(アゴラストクレス)家へ帰って、首を吊れ。
§310Quam ob rem?
(ミルピオ)どうしてですか?
§310bQuia iam numquam audibis verba tot tam suavia.
(アゴラストクレス)もうこれからは、これほど多くの、これほど甘い言葉を聞くことはないだろうからな。
§311quid tibi opust vixisse? ausculta mihi modo ac suspende te.
お前にとって生きている必要がどこにある? 俺の言う通りにして、首を吊るんだ。
§312Siquidem tu es mecum futurus pro uva passa pensilis.
(ミルピオ)もし、あなたが私と一緒に干しぶどうのようにぶら下がってくださるのならね。
§313At ego amo hanc.
(アゴラストクレス)だが俺はあの女を愛しているのだ。
§313bAt ego esse et bibere.
(ミルピオ)ですが、私は食べたり飲んだりしたいのです。
§313cEho tu, quid ais?
(アゴラストクレス)おい、お前、何を言っている?
§313dQuid rogas?
(ミルピオ)何をお尋ねですか?
§314Viden tu? pleni oculi sorderum quí erant, iam splendent mihi.
(アゴラストクレス)お前には見えるか? 汚れでいっぱいだったあの女の目が、今は俺には輝いて見える。
§315Immo etiam in medio oculo paullum sordest.
(ミルピオ)いや、むしろ目の真ん中にまだ少し汚れがありますよ。
§315bCedo sis dexteram.
(アゴラストクレス)頼むから、右手を差し出してくれ。
§316Vt quidem tu huius oculos inlutis manibus tractes aut teras?
(ミルピオ)あなたが洗っていない手で、あの女の目を触ったり擦ったりするためですか?
§317Nimia nos socordia hodie tenuit.
(アデルファシウム)今日はあまりに怠惰に過ごしてしまったわ。
§317bQua de re, obsecro?
(アンテラスティリス)何についてですか、お願いです?
§318Quia non iam dudum ante lucem ad aedem Veneris venimus, §319primae ut inferremus ignem in aram.
(アデルファシウム)なぜなら、とうに夜明け前にウェヌスの神殿に来て、私たちが真っ先に祭壇に火を捧げなかったのだから。
§319bAha, non factost opus:
(ミルピオ)おっと、その必要はありませんよ。
§320quaé habent nocturna ora, noctu sacruficatum ire occupant.
夜の顔(夜の仕事の顔)をしている連中は、夜のうちに先を争って生贄を捧げに行きますから。
§321prius quam Venus expergiscatur, prius deproperant sedulo §322sacruficare;
ウェヌス様がお目覚めになる前に、熱心に先を急いで生贄を捧げるのです。
nam vigilante Venere si veniant eae, §323ita sunt turpes, credo ecastor Venerem ipsam e fano fugent.
なぜなら、もしウェヌス様が目覚めていらっしゃる時にあの女たちが来たら、彼女たちがあまりに醜いので、誓ってウェヌス様ご自身が神殿から逃げ出してしまうと私は思いますね。
§324Milphio.
(アゴラストクレス)ミルピオ。
§324bEdepol Milphionem miserum.
(ミルピオ)誓って、哀れなミルピオめ、と。
quid nunc vis tibi?
今度は何を望まれるのですか?
§325Opsecro hercle, ut mulsa loquitur.
(アゴラストクレス)ヘラクレスにかけて頼む、あの女は何と甘美に話すのだろう。
§325bNil nisi laterculos, §326sesumam papaveremque, triticum et frictas nuces.
(ミルピオ)焼き菓子とか、胡麻とか、ケシ、小麦、それに炒ったナッツだけですよ。
§327Ecquid amare videor?
(アゴラストクレス)俺は愛しているように見えるか?
§327bDamnum, quod Mercurius minime amat.
(ミルピオ)損失ですね。 メルクリウスが最も嫌うものです。
§328Namque edepol lucrum amare nullum amatorem addecet.
(アゴラストクレス)確かに、いかなる愛人にとっても、誓って利益を愛することは似つかわしくないのだから。
§329Eamus, mea germana.
(アデルファシウム)行きましょう、妹よ。
§329bAge sis, ut lubet.
(アンテラスティリス)さあ、お好きなように。
§329cSequere hac.
(アデルファシウム)こちらへついておいで。
§329dSequor.
(アンテラスティリス)ついていきます。
§330Eunt hae.
(アゴラストクレス)あの女たちが行ってしまうぞ。
§330bQuid si adeamus?
(ミルピオ)近づいてみてはどうですか?
§330cAdeas.
(アゴラストクレス)近づいてくれ。
§330dPrimum prima salva sis,
(ミルピオ)一等最初のお嬢さん、こんにちは。
§331et secunda tu secundo salve in pretio;
そして二等のお嬢さん、相応の価値においてこんにちは。
tertia §332salve extra pretium.
三番目の奴は、価値なしで、こんにちは。
§332bTum pol ego et oleum et operam perdidi.
(ミルピオ)それなら、誓って私は油も労力も無駄に失った。
§333Quo te agis?
(アゴラストクレス)どこへ行くのだ?
§333bEgone? in aedem Veneris.
(アデルファシウム)私ですか? ウェヌスの神殿へです。
§333cQuid eo?
(アゴラストクレス)どうしてそこへ?
§333dVt Venerem propitiem.
(アデルファシウム)ウェヌスの怒りを和らげるためです。
§334Eho, an irata est? propitia hercle est.
(アゴラストクレス)おいおい、女神が怒っているとでも?
vel ego pro illa spondeo.
ヘラクレスにかけて、女神は好意的だよ。
§335quid tu ais?
私が彼女の代わりに保証しよう。
§335bQuid mihi molestu's, opsecro?
お前はどう思う?
§335cAha, tam saeviter.
(アデルファシウム)お願いですから、なぜ私を煩わせるのですか?
§336Mitte, amabo.
(アゴラストクレス)おっと、そんなに冷たくしないでくれ。
§336bQuid festinas? turba nunc illi est.
(アデルファシウム)放してください、お願いですから。
§336cScio.
(アゴラストクレス)なぜ急ぐのだ?
§337sunt illi aliae quas spectare ego, et me spectari volo.
今はあそこは混雑しているぞ。
§338Qui lubet spectare turpes, pulchram spectandam dare?
(アデルファシウム)知っています。
§339Quia apud aedem Veneris hodie est mercatus meretricius:
あそこには、私が眺めたい、そして私を眺めてほしい他の人々がいるのです。
§340eo conveniunt mercatores, ibi ego me ostendi volo.
(アゴラストクレス)醜い者たちを眺めたり、美しい自分を眺めさせたりして、何が楽しいのだ?
§341Invendibili merci oportet ultro emptorem adducere:
(アデルファシウム)なぜなら、今日ウェヌスの神殿のそばでは、娼婦の市が立っているからです。
§342proba mers facile emptorem reperit, tam etsi in abstruso sitast.
そこへ商人たちが集まります。 そこで私は自分を見せたいのです。 売れない商品には、こちらから買い手を連れてこなければなりませんが、良質な商品は、たとえ奥まった場所に置かれていても、容易に買い手を見出すものですから。

語釈・文法注

  1. 301bono med esse ingenio ornatam — 対格不定詞構文における不定詞 `esse` の意味上の主語が、古ラテン語の対格形 `med`(= `me`)で表されている。`bono... ingenio` は性質を示す奪格。
  2. 292qui hanc ames — 関係代名詞 `qui` が因果関係を示す関係節(「〜するとは」)を導いており、従属節の動詞が接続法現在形 `ames` になっている。
  3. 311quid tibi opust vixisse? — 非人称表現 `opus est`(必要である)が、対格の `quid`(何が)を伴い、与格 `tibi` と完了不定詞 `vixisse` を伴っている。
  4. 320sacruficatum ire occupant — 動詞 `occupant`(先を争って〜する)に不定詞 `ire`(行く)が続き、さらに目的を示す目的分詞(スピーヌム) `sacruficatum`(生贄を捧げるために)が結合している。
  5. 332boleum et operam perdidi — 「油と労力を失った」という慣用表現。灯火の油と自身の努力を無駄にした、すなわち「骨折り損のくたびれ儲け(徒労に終わる)」を意味する。

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プラウトゥス, カルタゴ人 §290-342. Humanitext Reader, https://reader.humanitext.ai/text/urn:cts:latinLit:phi0119.phi015.humanitext-lat2:290-342

AIによる草稿訳である旨と閲覧日を添えてください。

訳文・注・要旨はAIによる草稿で、読者の指摘により改訂されています。