§620bQuor ego id mirer, mi homo?
(少女)「私がなぜそれを不思議に思う必要がありますか、もしもし?
§621servitus mea mi interdixit, ne quid mirer meum malum.
奴隷の身であることは、私自身の不幸を何一つ不思議に思わないよう私に禁じています。
§622Noli flere.
」(ドルダルス)「泣くな。
§622bAh, di istam perdant, ita catast et callida.
」(トキシルス)「ああ、神々があの女を滅ぼしてくださるように。 それほど抜け目がなく、ずる賢い。
§623ut sapiens habet cór, quam dicit quod opust!
なんと賢い心を持っているのだ、必要なことを何と語ることか!
§623bQuid nomen tibist?
」(ドルダルス)「お前の名前は何か?
§624Nunc metuo ne peccet.
」(トキシルス)「(傍白)今は彼女がしくじらないか恐ろしい。
§624bLucridi nomen in patria fuit.
」(少女)「祖国ではルクリスという名でした。
§625Nomen atque omen quantivis iam est preti.
」(トキシルス)「名前、そして予兆は、どれほどの価値もある。
quin tu hanc emis?
なぜこの娘を買わない?
§626nimis pavebam, ne peccaret.
彼女がしくじりやしないか、ひどくおびえていた。
expedivit.
彼女はうまく切り抜けた。
」(ドルダルス)「もしお前を買うなら、私にとっても、お前がルクリス(儲け)になるだろうと信じている。
」(トキシルス)「もしあなたがこの娘を買うなら、ヘラクレスにかけて、この月が終わるまでに、彼女はもうあなたの奴隷ではなくなっているはずだ(と私は思う)。
§629Ita velim quidem hercle.
」(ドルダルス)「ヘラクレスにかけて、本当にそう願いたいものだ。
§629bOptata ut evenant, operam addito.
」(トキシルス)「望むことが実現するように、力を尽くすがよい。
§630nihil adhuc peccavit etiam.
彼女はまだ何一つしくじっていない。
§630bVbi tu nata es?
」(ドルダルス)「どこで生まれたのか?
§632Haec erit tibi fausta meretrix: natast in calido loco,
」(トキシルス)「この娘は君にとって幸運な娼婦になるだろう。
§633ubi rerum omnium bonarum copiast saepissume.
暖かい場所で生まれたのだからな、そこでは、ありとあらゆる良いものが最も頻繁に豊かにある場所だ。
§634tactust leno;
(傍白)女衒は一杯食わされた。
qui rogaret, ubi nata esset diceret, §635lepide lusit.
どこで生まれたかと尋ねたらどこで生まれたかを言えというのに、彼女は実に見事にからかった。
§635bAt ego patriam te rogo quae sit tua.
」(ドルダルス)「だが、私はお前の祖国がどこかを尋ねているのだ。
§636Quae mihi sít, nisi haec ubi nunc sum?
」(少女)「今私がいるこの場所のほかに、私の祖国がどこにありましょう?
§636bAt ego illam quaero quae fuit.
」(ドルダルス)「だが、私はかつてそうであった(かつての)祖国を尋ねているのだ。
§637Omne ego pro nihilo esse duco quod fuit, quando fuit:
」(少女)「かつてあったことは、それが去った時には、すべて私は無に等しいと考えています。
§638tamquam hominem, quando animam ecflavit, quid eum quaeras qui fuit?
人間と同じです。 息を引き取ったとき、かつてそうであった者について、なぜ尋ねるのですか?
§639Ita me di bene ament, sapienter.
」(トキシルス)「神々が私を愛してくださるように、なんと賢いことか!
atque equidem miseret tamen.
しかし、本当に気の毒になってくるな。
§640sed tamen, virgo, quae patriast tua, age mi actutum expedi.
しかし、お嬢さん、君の祖国はどこか、さあ、私にすぐに話してくれ。
§641quid taces?
なぜ黙っている?
§641bDico equidem: quando hic servio, haec patriast mea.
」(少女)「本当に申し上げます。 ここで奴隷として仕えている以上、ここが私の祖国です。
§642Iam de istoc rogare omitte (non vides nolle eloqui?)
」(トキシルス)「もうそのことを尋ねるのはやめなさい(彼女が語りたがらないのが見えないか?
§643ne suarúm se miseriarum in memoriam inducas.
)、彼女に自分自身の不幸を思い出させないように。
§643bQuid est?
」(ドルダルス)「どうしたのだ?
§644captusne est pater?
父親は捕虜になったのか?
§644bNon captus, sed quod habuit perdidit.
」(少女)「捕虜になったのではありません、ただ、持っていたものをすべて失ったのです。
§645Haec erit bono genere nata: nil scit nisi verum loqui.
」(トキシルス)「この娘は良い家柄の生まれに違いない。 真実を語ること以外、何も知らないのだから。
§646Quis fuit? dic nomen.
」(ドルダルス)「彼は誰だったのだ?
§646bQuid illum miserum memorem qui fuit?
名前を言え。 」(少女)「かつてそうであった、あの哀れな人のことを、なぜ口にする必要がありましょう?
§647nunc et illúm miserum et me miseram aéquom est nominarier.
今は、あの哀れな人と、哀れな私とが名指されるのがふさわしいのです。
§648Quoius modi is suo ín populo habitust?
」(ドルダルス)「彼は自分の民の間で、どのような人物として見なされていたか?
§648bNemo quisquam acceptior:
」(少女)「これ以上、誰からも好意的に受け入れられていた人はいませんでした。
§649servi liberique amabant.
奴隷も自由民も彼を愛していました。
」(トキシルス)「哀れな人のことを語っているのだな、彼自身も完全に破滅し、自分に好意を寄せる人々も失ってしまったのだから。
§651Emam, opinor.
」(ドルダルス)「買おうと思う。
§651bEtiam opinor? summo genere esse arbitror;
」(トキシルス)「『思う』だって? 最高の家柄の生まれだと思うぞ。
§652divitias tu ex istac facies.
君はこの娘から富を得るだろう。
§652bIta di faxint.
」(ドルダルス)「神々がそうしてくださるように。
§652cEme modo.
」(トキシルス)「ただ買うのだ。
§653Iam hoc tibi dico: actutum ecastor meus pater, ubi me sciet
」(少女)「今、これだけは言っておきます。
§654veniisse, ipse aderit et me abs te redimet.
エカストルにかけて、私の父は、私が売られたことを知れば、すぐに自らやって来て、あなたから私を買い戻すでしょう。
§654bQuid nunc?
」(ドルダルス)「どうする?
§654cQuid est?
(トキシルス)「何だ?
§655Audin quid ait?
」(ドルダルス)「彼女が何と言っているか、聞こえるか?
§655bNam etsi res sunt fractae, amici sunt tamen.
」(少女)「というのも、たとえ財産は失われても、友人はまだいるのですから。
§656Ne sis plora;
」(トキシルス)「泣くな。
libera eris actutum, si crebro cades.
お前はすぐに自由の身になる。 もし何度も(ベッドに)倒れるならな。
§657vin mea esse?
」(ドルダルス)「私のものになりたいか?
§657bDum quidem ne nímis diu tua sim, volo.
」(少女)「もっとも、あまり長くあなたのものにならないで済むなら、そう望みます。
§658Satin ut meminit libertatis? dabit haec tibi grandis bolos.
」(トキシルス)「自由のことを本当によく覚えていることだな! この娘は君に大きな獲物をもたらすだろう。
§659age si quid agis.
さあ、取引をするなら。
ego ad hunc redeo.
私はこの男のところに戻る。
sequere.
ついて来なさい。
redduco hanc tibi.
この娘を君に引き渡す。
§660Adulescens, vin vendere istanc?
若者よ、そいつを売りたいか?
§660bMagis libet quam perdere.
」(サガリスティオ)「失うよりは、売りたいものだな。
§661Tum tu pauca in verba confer: qui datur, tanti indica.
」(ドルダルス)「それなら短い言葉でまとめてくれ。 いくらで売るのか、価格を言え。
§662Faciam ita ut te velle video, út emas.
」(サガリスティオ)「君が買いたいと思うように、望み通りにしよう。
habe centum minis.
100ミナで手に入れろ。
§663Nimiumst.
」(ドルダルス)「高すぎる。
§663bOctoginta.
」(サガリスティオ)「80ミナ。
§663cNimiumst.
」(ドルダルス)「高すぎる。
§664bQuid id est ergo? eloquere actutum atque indica.
」(ドルダルス)「それでは、それはいくらだ? すぐに言って価格を示せ。
§665Tuo periclo sexaginta haec dabitur argenti minis.
」(サガリスティオ)「君の自己責任で、この娘は銀60ミナで引き渡されよう。
§666Toxilé, quid ago?
」(ドルダルス)「トキシルス、私はどうするべきだ?
」(トキシルス)「怒れる神々と女神たちがお前を駆り立てているのだ、この悪党め、この娘を急いで買わないなんて。
§667bHabeto.
」(ドルダルス)「買い取ろう。
§667cEu, praedatu's probe.
」(トキシルス)「よし、見事な獲物を手に入れたな。
§668non edepol minis trecentis carast.
ポルックスにかけて、300ミナでも高くない。
fecisti lucri.
得をしたのだ。
§669Heus tu, etiam pro vestimentis huc decem accedent minae.
」(サガリスティオ)「おい、さらに衣服の分として10ミナがここに追加されるぞ。
§670Abscedent enim, nón accedent.
」(ドルダルス)「いや、引かれるのだ、追加されるのではない。
§670bTace sis, non tu illum vides §671quaerere ansam, infectum ut faciat? abin atque argentum petis?
」(トキシルス)「黙れ、彼が取引を台無しにするための口実を探しているのが見えないのか? すぐに行って、銀を取ってこないか?
§671aatque ut dignust perit.
そして、ふさわしい者が破滅する。
§672Heus tu serva istum.
」(トキシルス)「おい、そこの奴、あいつを番していろ。
§672bQuin tu is intro?
(ドルダルスに)中に入らないのか?
§672cAbeo atque argentum affero.
」(ドルダルス)「行って、銀を持ってこよう。
— §673Edepol dedisti, virgo, operam adlaudabilem,
―― (トキシルス)「ポルックスにかけて、お嬢さん、実に見事な働きをしてくれたな、」