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商人

§410-466

女奴隷の買い手を巡る父子の競り合い

デミポーとカリヌスは、美しい女奴隷をめぐって、お互いに架空のバイヤーを口実にして購入費用を競り合う。最終的にデミポーが港で女を売却すると言い放ち、カリヌスはそれを密かに阻止するため港に向かうことを決意する。

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410

​atque, ut nunc sunt maledicentes homines, uxori meae

デミポ:それに、最近の人々は口が悪いから、私の妻と私に

​mihique obiectent lenocinium facere. nam quid eost opus?

女衒をしていると非難するかもしれない。何のためにそんなものが必要なのだ?

​Hercle qui tu recte dicis, et tibí adsentior.​sed quid illá nunc fiet?1

カリヌス:ヘラクレスにかけて、あなたのおっしゃる通りです。私も同意します。ですが、あの女は今どうなるのですか?

​Recte.2 ego emero matri tuae

デミポ:大丈夫だ。私が君の母のために、

​ancillam viraginem aliquam non malam, forma mala,

悪くはないが、容姿の醜い屈強な女奴隷を買い入れよう。

415

​ut matrem addecet familias, aut Syram aut Aegyptiam:

それこそ一家の女主人の供にふさわしい。シリア女かエジプト女をな。

​ea molet, coquet, conficiet pensum, pinsetur flagro,

彼女なら粉を挽き、料理をし、羊毛の割り当てをこなし、鞭打たれるだろうし、

​neque propter eam quicquam eveniet nostris foribus flagiti.

彼女のせいで我が家の扉に不名誉なことが起きることもない。

​Quid si igitur reddatur illi unde empta est?

カリヌス:では、彼女が買われた元の相手に返却されたらどうでしょう?

​Minime gentium.

デミポ:とんでもない。

​Dixit se redhibere, si non placeat.

カリヌス:気に入らない場合は、引き取るとあの男は言いました。

​Nihil istoc opust:

デミポ:そんな必要は全くない。

420

​litigari nolo ego usquam, tuam autem accusari fidem;

私はどこであれ訴訟を起こされたくないし、君の信用が非難されるのも嫌だ。

​multo edepol si quid faciendumst facere damni mavolo,

おやまあ、何かをしなければならないなら、損失を被る方がずっとましだ、

​quam opprobramentum aut flagitium muliebre exferri domo.

女にまつわる恥や不名誉が家から外に出るくらいならな。

​me tibi illam posse opinor luculente vendere.

私は彼女を、君のために非常に有利に売ることができると思う。

​Dum quidem hercle ne minoris vendas3 quám ego emi, pater.

カリヌス:お父さん、ヘラクレスにかけて、私が買ったのより安く売らないのであればですね。

​Tace modo: senex est quidam, qui illam mandavit mihi

デミポ:黙っていなさい。ある老人が、自分にそのような女を、

​ut emerem aut ad istanc faciem.

あるいはそのような美貌の女を買ってくれと私に頼んだのだ。

​At mihi quidam adulescens, pater,

カリヌス:ですがお父さん、私にもある若者が、

​mandavit ad illam faciem, ita ut illaec est, emerem sibi.

自分にそのような容姿の、まさに彼女のような女を買ってくれと頼んだのです。

​Viginti minis opinor posse me illam vendere.

デミポ:私は二十ミナで彼女を売ることができると思う。

430

​At ego si velim, iam dantur septem et viginti minae.

カリヌス:ですが、もし私が売る気なら、すでに二十七ミナが提示されています。

​At ego—

デミポ:だが私は――

​Quin ego, inquam—

カリヌス:いえ、私は、申し上げているのは――

​Ah, nescis quid dicturus sum, tace.

デミポ:ああ、お前は私が何を言おうとしているか知らないのだ、黙っていなさい。

​tris minas accudere etiam possum, ut triginta sient.

さらに三ミナを付け足して、三十ミナにすることもできる。

​Quo vortisti?

カリヌス:どちらを向いたのですか?

​Ad illum qui emit.

デミポ:それを買う男の方さ。

​Vbinamst is homo gentium?

カリヌス:その男はいったい世界のどこにいるのですか?

​Eccillum4 video. iubet quínque me addere etiam nunc minas.

カリヌス:ほら、あそこに彼が見えます。私に、さらに今五ミナを上乗せしろと命じています。

​Hercle illunc divi infelicent, quisquis est.

デミポ:ヘラクレスにかけて、神々があの男に災いをもたらしますように、それが誰であれ。

​Ibidem mihi

カリヌス:同じ場所で、彼は私に

​etiam nunc adnutat addam sex minas.

今、さらに六ミナを上乗せしろと頷きかけています。

​Septem mihi.

デミポ:私は七ミナ上乗せする。

​Numquam edepol me vincet hodie.

おやまあ、今日、彼が私に勝つことは決してない。

​Commodis poscit, pater.

カリヌス:お父さん、都合の良い条件で求めていますよ。

​Nequiquam poscit: ego habeo.

デミポ:無駄に求めているのだ。私が手に入れる。

​At illic pollicitust prior.

カリヌス:ですが、あちらが先に約束したのです。

440

​Nihili facio.

デミポ:気にもかけん。

​Quinquaginta poscit.

カリヌス:五十ミナを求めています。

​Non centum datur.

デミポ:百ミナでも渡さん。

​potine ut ne licitere5 advorsum mei animi sententiam?

私の意向に反して競り合うのをやめてくれないか?

​maximam hercle habebis praedam: ita ille est, quoi emitur, senex;

ヘラクレスにかけて、お前はものすごい利益を得ることになるぞ。それを買ってやる相手の老人はそうした男なのだ。

​sanus non est ex amore illius. quod posces feres.

彼女への愛で正気ではない。お前が求めるものは何でも手に入る。

​Certe edepol adulescens ille, cui ego emo, efflictim perit

カリヌス:おやまあ確かに、私が買ってやるあの若者も、彼女への愛で死ぬほど

445

​eius amore.

苦しんでいます。

​Multo hercle ille magis senex, si tu scias.

デミポ:ヘラクレスにかけて、もしお前が知っていれば、あの老人の方がずっと深く苦しんでいる。

​Numquam edepol fuit neque fiet ille senex insanior

おやまあ、あの老人が彼女への愛で、

​ex amore quam ille adulescens cui ego do hanc operam, pater.

私が尽力しているあの若者よりも狂おしくなったことも、なることも決してありません、お父さん。

​Quiesce, inquam. istanc rém ego recte videro.

デミポ:静かにしなさいと言っているのだ。その件は私がうまく取り計らう。

​Quid ais?

カリヌス:何とおっしゃるのですか?

​Quid est?

デミポ:何だ?

​Non ego illám mancupio accepi.6

カリヌス:私は彼女を正式な所有権譲渡によって受け取ってはいません。

​Sed ille illam accipiet. sine.

デミポ:だが、彼が彼女を受け取るのだ。放っておけ。

450

​Non potes tu lege vendere illam.

カリヌス:あなたは法的に彼女を売ることはできません。

​Ego aliquid videro.

デミポ:私が何とかする。

​Post autem communest illa mihi cum álio. qui scio7

カリヌス:それにまた、彼女は私と他の人との共同所有なのです。彼女を

​quid sit ei animi, venirene eam velit an non velit?

売りたいのか売りたくないのか、その人の意向が私にどうしてわかるでしょう?

​Ego scio velle.

デミポ:売りたがっていると私にはわかる。

​At pol ego esse credo aliquem qui non velit.

カリヌス:ですが、おやまあ、そうしたくない人が誰かいると私は信じています。

​Quid id mea refert?

デミポ:それが私と何の関係がある?

​Quia illi suam rem esse aequomst in manu.

カリヌス:自分の財産は自分で管理するのが当然だからです。

455

​Quid ais?​b Communis mihi illa est cum illo: is hic nunc non adest.

彼女は私と彼との共同所有です。彼は今ここにいません。

​Prius respondes quam rogo.

デミポ:私が尋ねる前に答えるな。

​Prius tú emis quam vendo, pater.

カリヌス:お父さん、私が売る前にあなたが買おうとしています。

​nescio, inquam, velit ille illam necne abalienarier.

カリヌス:彼が彼女を他人に譲渡したいのかどうか、私は知らないと言っているのです。

​Quid? illi quoidam qui mandavit tibi si emetur, tum volet,

何だと?君に頼んだその男のために買われるなら彼は納得し、

​sí ego emo illi qui mandavit, tum ille nolet? nihil agis.

私が頼まれた男のために私が買うなら、彼は納得しないというのか?話にならん。

460

​numquam edepol quisquam illam habebit potius quam ille quem ego volo.

おやまあ、私が望むあの男以上に、他の誰かが彼女を手に入れることは決してない。

​Certumnest?

カリヌス:本気ですか?

​Censen certum esse? quin ad navem iam hinc eo,

デミポ:本気でないと思うか?だからこそ今から私は船へ向かうのだ、

​ibi venibit.

そこで彼女は売られる。

​Vin me tecum illo ire?

カリヌス:私も一緒に行くことをお望みですか?

​Nolo.

デミポ:嫌だ。

​Non places.

カリヌス:困りました。

​Meliust te, quae sunt mandatae res tibi, praevortier.

デミポ:お前は、委託された用事を優先する方がよい。

​Tu prohibes.

カリヌス:あなたが邪魔をしています。

​At me incusato: te fecisse sedulo.8

デミポ:では私のせいにすればよい、お前は熱心にやったのだと。

465

​ad portum ne bitas, dico iam tibi.

港へは行くな、と今言っておくぞ。

​Auscultabitur.

カリヌス:従います。

​Ibo ad portum. ne hic resciscat, cauto opust: non ipse emam,

(独白)港へ行こう。この男に気付かれないよう、用心しなければ。自分で買うのではなく、

構文注8 件
  1. 413quid illá nunc fiet?

    動詞 fio(または facio)に奪格(ここでは illā)が伴い、「〜はどうなるか、どのように扱われるか」を意味する表現。

  2. 413bRecte

    カリヌスの「彼女はどうなるのか」という問いに対し、デミポーが話を遮りながら安心・同意を促す副詞的一定型表現(「すべてうまくいく」「案ずるな」)。

  3. 424_425Dum quidem hercle ne minoris vendas

    dum+接続法現在(vendas)で、否定に ne を伴うことにより、「〜しさえしなければ」「〜という条件の下で」という制限的条件(proviso)の副詞節を導く。

  4. 434_435Eccillum

    指示代名詞の対格 illum と感嘆詞 ecce(見よ)が融合した初期ラテン語の口語的な縮約形で、「ほら、彼がそこにいる」を意味する。

  5. 441potine ut ne licitere

    potine は非人称的表現 potisne [est](「可能か」)の縮約形。これに ut ne+接続法(licitere は異動詞 licitor の接続法現在二人称単数)が続き、「〜しないでおくことは可能か(頼むから〜しないでくれ)」という苛立ちを帯びた要求を表す。

  6. 449Non ego illám mancupio accepi.

    mancipiō accipere は、ローマ法における正式な所有権移転の儀式(mancipatio)によって財産を受け取ることを意味する法的表現。

  7. 451qui scio

    ここでの quī は奪格に由来する古風な疑問副詞で、「どのようにして(how)」を意味し、直接疑問文の主動詞 sciō を修飾する。

  8. 464bAt me incusato: te fecisse sedulo.

    未来命令法二人称単数 incūsātō(「(後で)私を非難するがよい」)に、非難・言明の内容を表す対格不定詞句(AcI)tē fēcisse sēdulō(「お前が熱心に尽くしたこと」)が続いている構造。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-21)
  • 2026-09-21 AI校閲 — 訳文 1 件
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