- 底本
- Euripides. Euripidis Fabulae, Vol. I. Murray, Gilbert, editor. Oxford: Clarendon Press, 1902.
- 翻訳
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- 言語
- 日本語 · English · 简体中文 · 한국어
- CTS URN
- urn:cts:greekLit:tlg0006.tlg002.humanitext-grc2:361-457
- 出力
- Humanitext Reader · reader.humanitext.ai · 2026-10-27
アルケスティスは夫や子供たちに見守られながら静かに息を引き取り、子供たちは母の死を深く嘆き悲しむ。悲嘆に暮れるアドメトスは、国全体に喪に服することを命じ、歌隊は地下冥界へと去るアルケスティスの高潔な犠牲を称えて歌う。
οὔθ’ οὑπὶ κώπῃ ψυχοπομπὸς ἂν Χάρων
また、櫂を手にした魂の導き手カロンも、
ἔσχον,1 πρὶν ἐς φῶς σὸν καταστῆσαι βίον.
お前の命を光の中へと戻すまでは、私を止めることはできなかっただろう。
ἀλλ’ οὖν ἐκεῖσε προσδόκα μʼ, ὅταν θάνω,
だから、私があちらへ行く(死ぬ)ときには、私を待っていておくれ。
καὶ δῶμ’ ἑτοίμαζʼ, ὡς συνοικήσουσά μοι.
そして、私と一緒に暮らすために、住まいを整えておくれ。
ἐν ταῖσιν αὐταῖς γάρ μ’ ἐπισκήψω2 κέδροις
なぜなら、この子たちに、お前と同じそのレバノン杉の棺に
σοὶ τούσδε θεῖναι πλευρά τ’ ἐκτεῖναι πέλας
私を納め、私の体を胸の傍らに
πλευροῖσι τοῖς σοῖς· μηδὲ γὰρ θανών ποτε
お前の体の傍らに横たえるよう命じるつもりだからだ。死んだ後も、
σοῦ χωρὶς εἴην τῆς μόνης πιστῆς ἐμοί.
私に対して唯一忠実であったお前と決して離ればなれにならないように。
καὶ μὴν ἐγώ σοι πένθος ὡς φίλος φίλῳ
(歌隊)そして、私もまた、友が友に対するように、あなたとともに
λυπρὸν συνοίσω τῆσδε· καὶ γὰρ ἀξία.
この女性のための辛い喪を担いましょう。彼女はそれに値するお方ですから。
ὦ παῖδες, αὐτοὶ δὴ τάδ’ εἰσηκούσατε
(アルケスティス)子供たちよ、お前たち自身、父親が、お前たちの上に決して他の女を娶って
πατρὸς λέγοντος μὴ γαμεῖν ἄλλην ποτὲ
妻としないこと、また私を軽んじないことを語るのを
γυναῖκ’ ἐφ’ ὑμῖν μηδ’ ἀτιμάσειν ἐμέ.
今、聞いたね。
καὶ νῦν γέ φημι, καὶ τελευτήσω τάδε.
(アドメトス)今もそう言い、またこれをやり遂げよう。
ἐπὶ τοῖσδε παῖδας χειρὸς ἐξ ἐμῆς δέχου.
(アルケスティス)これらの約束のもとに、私の手から子供たちを受け取っておくれ。
δέχομαι, φίλον γε δῶρον ἐκ φίλης χερός.
(アドメトス)受け取ろう、愛する手からの愛する贈り物として。
σὺ νῦν γενοῦ τοῖσδ’ ἀντ’ ἐμοῦ μήτηρ τέκνοις.
(アルケスティス)今度はあなたが、私の代わりにこの子たちの母親になっておくれ。
πολλή μ’ ἀνάγκη, σοῦ γ’ ἀπεστερημένοις.
(アドメトス)どうしてもそうしなければなるまい、お前を奪われた子供たちのために。
ὦ τέκνʼ, ὅτε ζῆν χρῆν μʼ, ἀπέρχομαι κάτω.
(アルケスティス)ああ、子供たちよ、私が生きるべき時に、私は地下へと去ってゆく。
οἴμοι, τί δράσω δῆτα σοῦ μονούμενος;
(アドメトス)ああ、お前に取り残されて、私は一体どうすればよいのだ。
χρόνος μαλάξει σʼ· οὐδέν ἐσθ’ ὁ κατθανών.
(アルケスティス)時があなたを和らげてくれるでしょう。死んだ者は無に等しいのですから。
ἄγου με σὺν σοί, πρὸς θεῶν, ἄγου κάτω.
(アドメトス)私を一緒に連れて行ってくれ、神々の名において、地下へ連れて行ってくれ。
ἀρκοῦμεν ἡμεῖς οἱ προθνῄσκοντες σέθεν.
(アルケスティス)あなたの身代わりに死ぬのは、私一人で十分です。
ὦ δαῖμον, οἵας συζύγου μ’ ἀποστερεῖς.
(アドメトス)運命よ、お前は何という配偶者を私から奪うのか。
καὶ μὴν σκοτεινὸν ὄμμα μου βαρύνεται.
(アルケスティス)ああ、暗くなっていく私の目が重くなる。
ἀπωλόμην ἄρ’, εἴ με δὴ λείψεις, γύναι.
(アドメトス)私は破滅だ、妻よ、お前が本当に私を置いて去ってしまうなら。
ὡς οὐκέτ’ οὖσαν οὐδὲν ἂν λέγοις ἐμέ.
(アルケスティス)私はもう存在しないものとして、語ってくれてよいのです。
ὄρθου πρόσωπον, μὴ λίπῃς παῖδας σέθεν.
(アドメトス)顔を上げてくれ、お前の子供たちを見捨てないでくれ。
οὐ δῆθ’ ἑκοῦσά γʼ, ἀλλὰ χαίρετʼ, ὦ τέκνα.
(アルケスティス)決して望んでそうするのではないのです。でも、さようなら、子供たちよ。
βλέψον πρὸς αὐτοὺς βλέψον.
(アドメトス)彼らを見てくれ、見るのだ。
οὐδέν εἰμ’ ἔτι.
(アルケスティス)私はもう無です。
τί δρᾷς; προλείπεις;
(アドメトス)何をするのだ、見捨てるのか。
χαῖρʼ.
(アルケスティス)さようなら。
ἀπωλόμην τάλας.
(アドメトス)私は哀れにも破滅した。
βέβηκεν, οὐκέτ’ ἔστιν Ἀδμήτου γυνή.
(歌隊)去って行かれた。アドメトスの妻はもういない。
ἰώ μοι τύχας. μαῖα δὴ κάτω
(エウメロス)悲しいかな、私の運命よ。母上はもう地下へ
βέβακεν, οὐκέτ’ ἔστιν, ὦ
去ってしまわれ、もうおられません、
πάτερ, ὑφ’ ἁλίῳ.
父上、太陽の下には。
προλιποῦσα δ’ ἀμὸν
私たちの
βίον ὠρφάνισσε τλάμων.
生を去り、哀れにも私を孤児にされました。
ἴδε γὰρ ἴδε βλέφαρον καὶ παρατόνους χέρας.
見てください、見てください、そのまぶたを、そしてだらりと垂れた手を。
ὑπάκουσον ἄκουσον, ὦ μᾶτερ, ἀντιάζω.
答えてください、聞いてください、母上、懇願します。
ἐγώ σ’ ἐγώ, μᾶτερ,
私は、私は、母上、
καλοῦμαί σ’ ὁ σὸς ποτὶ σοῖσι πίτ-
あなたを呼んでいます、あなたの
στόμασιν νεοσσός.
雛が、あなたの口もとにすり寄りながら。
τὴν οὐ κλύουσαν οὐδ’ ὁρῶσαν· ὥστ’ ἐγὼ
(アドメトス)聞くことも見ることもない人を(呼んでいるのだ)。だから私と
καὶ σφὼ βαρείᾳ συμφορᾷ πεπλήγμεθα.
お前たち二人は、重い災いに打ちのめされているのだ。
νέος ἐγώ, πάτερ, λείπομαι φίλας
(エウメロス)父上、私は幼くして、愛する母から
μονόστολός τε ματρός· ὦ
引き離され、一人残されました。ああ、
σχέτλια δὴ παθὼνἐγὼ ἐργὰ..,
私は本当に酷い苦しみを受けました。
σύ τέ μοι σύγκασι κούρα
そして、私の姉妹である少女よ、あなたも
συνέτλας· ὦ πάτερ,
ともに苦しみました。ああ、父上、
ἀνόνατ’ ἀνόνατ’ ἐνύμφευσας, οὐδὲ γήρως
あなたは無駄に、無駄に結婚されました。彼女とともに
ἔβας τέλος σὺν τᾷδʼ·
老年の終わりに達することはできませんでした。
ἔφθιτο γὰρ πάρος· οἰχομένας δὲ σοῦ,
彼女はそれより前に滅んでしまったのですから。母上、あなたが去って、
μᾶτερ, ὄλωλεν οἶκος.
家は滅びました。
Ἄδμητʼ, ἀνάγκη τάσδε συμφορὰς φέρειν·
(歌隊長)アドメトスよ、この災いを受け入れるほかありません。
οὐ γάρ τι πρῶτος οὐδὲ λοίσθιος βροτῶν
あなたは人間の中で最初でも最後でもないのです、
γυναικὸς ἐσθλῆς ἤμπλακες· γίγνωσκε δὲ
優れた妻を失ったのは。私たちすべてに
ὡς πᾶσιν ἡμῖν κατθανεῖν ὀφείλεται.
死は負わされているのだと知りなさい。
ἐπίσταμαί γε, κοὐκ ἄφνω κακὸν τόδε
(アドメトス)知っている。この災いが突然私に
προσέπτατʼ· εἰδὼς δ’ αὔτ’ ἐτειρόμην πάλαι.
襲いかかったのではない。私はそれを知っていて、ずっと前から苦しめられていた。
ἀλλʼ, ἐκφορὰν γὰρ τοῦδε θήσομαι νεκροῦ,
だが、この死者の葬列を執り行うから、
πάρεστε καὶ μένοντες ἀντηχήσατε
お前たちはとどまり、地下の
παιᾶνα τῷ κάτωθεν ἀσπόνδῳ θεῷ.
休戦を受け入れぬ神へのペアンを歌い和してくれ。
πᾶσιν δὲ Θεσσαλοῖσιν ὧν ἐγὼ κρατῶ
私が支配するすべてのテッサリア人に、
πένθους γυναικὸς τῆσδε κοινοῦσθαι λέγω
この女性のための共同の喪に服することを命じる。
κουρᾷ ξυρήκει καὶ μελαμπέπλῳ στολῇ·
髪を剃り落とし、黒い衣をまとうことによって。
τέθριππά θ’ οἳ ζεύγνυσθε καὶ μονάμπυκας
また、四頭立ての戦車を操る者たちも、一頭立ての馬を
πώλους, σιδήρῳ τέμνετ’ αὐχένων φόβην.
駆る者たちも、鉄器で馬の首のたてがみを切り落とせ。
αὐλῶν δὲ μὴ κατ’ ἄστυ, μὴ λύρας κτύπος
町の中に笛の音も、竪琴の響きも
ἔστω σελήνας δώδεκ’ ἐκπληρουμένας·
あってはならぬ、十二の月が満ちるまでは。
οὐ γάρ τιν’ ἄλλον φίλτερον θάψω νεκρὸν
これよりも愛する死者、私にとって
τοῦδ’ οὐδ’ ἀμείνον’ εἰς ἔμʼ· ἀξία δέ μοι
これより優れた死者を葬ることはないからだ。彼女は私のために、
τιμῆς, ἐπεὶ τέθνηκεν ἀντ’ ἐμοῦ μόνη.
ただ一人身代わりに死んでくれたのだから、私からの最高の栄誉に値する。
ὦ Πελίου θύγατερ,
(歌隊)ペリアスの娘よ、
χαίρουσά μοι εἰν Ἀίδαο δόμοις
ハデスの館において、喜びのうちに
τὸν ἀνάλιον οἶκον οἰκετεύοις.
太陽の昇らぬ住まいに暮らしておくれ。
ἴστω3 δ’ Ἀίδας ὁ μελαγχαίτας θεὸς ὅς τ’ ἐπὶ κώπᾳ
黒い髪の神ハデスも、櫂と
πηδαλίῳ τε γέρων
舵を操り、
νεκροπομπὸς ἵζει,
死者を運ぶ老いぼれも知るがよい、
πολὺ δὴ πολὺ δὴ γυναῖκ’ ἀρίσταν
最も優れた女性を、
λίμναν Ἀχεροντίαν πορεύ-
アケロンの湖を越えて
σας ἐλάτᾳ δικώπῳ.
二本櫂の舟で運んだのだということを。
πολλά σε μουσοπόλοι
詩人たちは多く、
μέλψουσι καθ’ ἑπτάτονόν τ’ ὀρείαν
七弦の山の亀の甲羅の竪琴に合わせ、また
χέλυν ἔν τ’ ἀλύροις κλέοντες ὕμνοις,
弦なき讃歌によって、お前を称えて歌うだろう。
Σπάρτᾳ κύκλος ἁνίκα Καρνείου περινίσσεται ὥρας
スパルタでカルネイオス祭の季節が巡り、
μηνός, ἀειρομένας
夜を徹して輝く月が
παννύχου σελάνας,
高く昇る時に。
λιπαραῖσί τ’ ἐν ὀλβίαις Ἀθάναις.
また、輝かしく恵まれたアテナイにおいても。
τοίαν ἔλιπες θανοῦσα μολ-
お前は死んで、
πὰν μελέων ἀοιδοῖς.
歌い手たちにこれほど素晴らしい歌の主題を残したのだ。
εἴθ’ ἐπ’ ἐμοὶ μὲν εἴη,
願わくは私にその力があり、
δυναίμαν δέ σε πέμψαι
お前をハデスの住まい、地下の暗闇から
φάος ἐξ Ἀίδα τεράμνων
光へと送り届けることができたなら。
- 361ἂν ἔσχον
前の文(357行)の εἰ δ’ Ὀρφέως μοι γλῶσσα καὶ μέλος παρῆν から始まる条件文(反実仮想)の帰結節として機能する。ἔχω + 不定詞(362行の καταστῆσαι)で「〜するのを妨げる、引き留める」という意味になる。
- 365ἐπισκήψω
不定詞の意味上の主語(τούσδε「これら(子供たち)に」)と与格(σοὶ「あなたのそばに」)に対して、不定詞(366行の θεῖναι および ἐκτεῖναι)を伴って「遺言する、厳命する」という意味を表す意志未来。
- 438ἴστω
οἶδα の三人称単数命令形で、分詞句(443行の πορεύσας)を伴い、「〜したことを知る(認める)がよい」という事実認知の構文を導いている。
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-21)
- 2026-09-21 AI校閲 — 注 1 件
