底本
Hippocrates. Oeuvres complètes d'Hippocrate, Vol. 6. Littré, Émile, editor. Paris: Baillière, 1849
原文データ出典
A Digital Corpus for Graeco-Arabic Studies · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0627.tlg021.1st1K-grc1
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、人間の健康とあらゆる病気の根源的な原因が「気(プネウマ)」であるという一元的な病理説を提示する医学的・自然哲学的な論説です。語り口は聴衆に向けた演説や講義の形式をとっています。冒頭では、医術の困難さと「対立物による治療」という基本原理が示され、万物に遍在し生命を維持する「気」の強大な力が語られます。中盤では、呼吸の絶対的な必要性を論じた上で、発熱や悪寒といった全身症状から、カタル、水腫、各種の痛みに至るまで、あらゆる病が気の異常な出入りや汚染、ガス圧によって生じるメカニズムが説明されます。終盤では、卒中や「聖なる病(てんかん)」も気と血液の相互作用に起因することを示し、すべての病気の主因は気(ガス)にほかならないという一貫した結論をもって本作を締めくくります。
目次
5 チャンク
引用方式:chapter
- §1-3
医術の原理と万物の根源としての気
医術の困難さとその自然にかなった治療原理(対立物による治療)を説明し、すべての病気の根源的な原因である「気(プネウマ)」の普遍的かつ強大な力について論じる。
- §4-7
病因としての気と発熱のメカニズム
著者は生命活動と病気における「気(空気)」の決定的役割について論じ、呼吸の絶対的な必要性を強調した上で、病気が気の異常な出入りや汚染によって生じることを提示する。さらに、発熱(流行性の疫病と個人の不摂生によるもの)を例に取り、それらの発症メカニズムと気の関わりを説明する。
- §8-9
悪寒や震えの発生機序と温罨法による治療
発熱前に悪寒、全身の震え、あくび、関節弛緩が生じるメカニズムを、血液の移動、気(ガス)の熱的挙動、蒸気の凝縮プロセスを用いて説明する。また、腸閉塞などの痛みも気の通過が原因であり、温罨法による治療の仕組みを述べる。
- §10-12
気によるカタルや出血および水腫の発生機序
ガスによって生じる頭部血管内の空気圧と水分の鬱積から、カタルや胸部出血が引き起こされるメカニズムを解説し、さらに肉の裂傷や水腫による腹水の急激な再蓄積もすべて気が原因であることを論じる。
- §13-15
気による卒中や聖なる病の機序と病因の結論
著者は卒中と「聖なる病(てんかん)」が体内のガス(気)と血液の相互作用によって生じる仕組みを説明し、ガスこそがすべての病気の主要な原因であることを宣言する。
