アイリオス・アリステイデス · Aelius Aristides
アキレウスへの使節の演説
Embassy Speech to Achilles
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底本
Aristides. Vol. 2. Dindorf, Wilhelm, editor. Leipzig: Reimer, 1829.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
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要旨
本作は、トロイア戦争においてアガメムノンへの怒りから戦線を離脱したアキレウスに対し、ギリシア軍の使節が帰還と参戦を促す修辞学的な説得演説です。演説はまず、アガメムノンが過ちを認め謝罪した以上、これ以上怒りに固執することは敵を利する不名誉な行為であると指摘することから始まります。話し手は、女性一人のために軍全体を破滅に追いやる不条理さを厳しく追及し、提示された寛大な和解案を受け入れるよう促します。さらに、現在の撤退の意志が、アキレウス自身の過去の決意や受けた教育、そして本来の遠征目的に反していることを論証します。最後に、ヘクトルが彼を「臆病から逃げている」と嘲笑しているという屈辱的な状況を突きつけ、祖先の徳に倣って怒りを捨て、即座に参戦することを強く求めて演説を結びます。
目次
7 チャンク
引用方式:Jebb_page
- §425-426
アガメムノンの謝罪とアキレウスへの怒りの鎮静の促し
アキレウスに対し、アガメムノンが過ちを認め謝罪した以上、これ以上怒りに執着せずギリシア勢を救うべきであり、そうでなければ敵を利する二重の不名誉をもたらすと説得する。
- §427-428
アキレウスへの軍の救済と怒りの不条理の指摘
説得者は、アキレウスの怒りが当初はアカイア人の救済のために生じたものであること、そしてブリーセーイス一人のために軍全体を滅ぼすことの不条理さを指摘し、共同体の救済を促す。
- §429-430
遠征の目的とアキレウスの撤退の自己矛盾
説得者はアキレウスに対し、本来の遠征目的とアガメムノンの最大限の和解案(ブリセイスと多数の贈与)を提示し、彼の現在の撤退の意志がいかに自己矛盾に満ち、かつての情熱やデイダメイアとの関係、教育に相反するものであるかを指摘して翻意を促す。
- §431-432
少女を巡る翻意の批判と名声保持の促し
アキレウスが少女のために以前の決意を覆そうとしていることを批判し、彼がかつて得た栄光や名声を守ることの重要性を説き、アカイア人への復帰を促す。
- §433-434
クリュセースとの対比と軍見捨ての批判
話者はアキレウスに対し、怒りに囚われて軍を見捨てることを厳しく批判し、クリュセースの態度との対比や帰国した際の名誉失墜を説いて戦線復帰を促す。
- §435-436
ケイロンの教えと過度な怒りの抑制の促し
話者はアキレウスに対し、撤退がもたらす不名誉や、ヘクトル侵攻時の危機を説き、師ケイロンの教えやネメシスとディケーの存在を引いて、高慢な怒りを鎮めるよう促す。
- §437
ヘクトルの嘲笑の告発と怒りの放棄の懇請
使節はアキレウスに対し、ヘクトルが彼らの不和を嘲笑してアキレウスが恐怖から怒りを口実にしていると吹聴していることを告げ、即時参戦を促す。また、祖先アイアコスの徳を引き合いに出し、使節とともに神々へ献酒して怒りを捨てるよう強く求める。
