底本
Aristotle. Aristotelis Opera, Volume 1. Bekker, Immanuel, editor (Academia Regia Borussica). Berlin: Reimer, 1831. Transcribed by Humanitext from the page images.
原文データ出典
Humanitext Project · CC BY 4.0
Humanitext Project が底本の頁画像から翻刻し、継続的に校正・更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 4 件・原文 3 件を修正
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最終更新:2026-10-09・変更履歴の一覧
要旨
本作は、世界のあらゆる存在者や言説を分類するための基礎的な枠組みを提示した哲学論集である。アリストテレスはまず、言葉と存在の関係を整理した上で、世界に存在するものを分類する「10の範疇(カテゴリー)」を提示する。前半では、すべての存在の基盤となる「実体(ウーシア)」、そして「量」や「関係」、「性質」といった主要な範疇が詳細に定義され、それぞれの性質や特有の論理が順次検証される。後半では、能動や受動など残りの範疇が手短に整理された後、議論は範疇そのものから言葉同士の関係性へと移行する。そこでは、対立の四つの形式(相関、反対、欠如と所有、肯定と否定)や、「先なるもの」「同時なるもの」の定義、さらには「運動」の分類や「持つ」の多義性が分析される。本書は、個別的な存在の分析から論理的関係の解明へと至る、体系的な思考の土台を提示している。
目次
19 チャンク
引用方式:chapter
- §1-4
言語の基礎的区別と十個の範疇
アリストテレスは同音異義語、同義語、派生語を定義し、存在するものの分類として「主体について語られるもの」と「主体の中に存在するもの」の4つの組み合わせを提示する。さらに、類の従属関係による種差の共有、および結合を伴わない言葉が意味する10の範疇(カテゴリー)とそれらが命題の真偽を構成する仕組みについて説明している。
- §5#1
第一実体と第二実体の定義とその優位
第一の実体(個物)と第二の実体(種と類)の定義と関係を提示し、すべての存在が第一の実体に依存していること、また第二の実体のうちでは種が類よりも本来的であることを説明する。
- §5#2
実体と種差に共通する性質と実体の特徴
実体と差異(種差)が「主体の中に存在しない」こと、すべてが「同義的」に語られることを説明し、実体が「これこれの特定のもの」を意味することや、反対の性質を持たないことといった特徴を解説する。
- §5#3
程度の差の不在と反対の性質の受容能力
実体は程度の差(より多く、より少なく)を受け入れないこと、そして数において一つでありながら自身が変化することで反対の性質を受け入れられることが実体の最も固有な特徴であることを、言説や意見の不変性と比較しながら論じる。
- §6#1
量の区分としての連続量と不連続量
第6章の冒頭部分。アリストテレスは「量(ポソン)」を不連続な量(数、言説)と連続的な量(線、面、体、時間、場所)に分類し、さらに部分が互いに位置を持つものと持たないもの(順序のみを持つもの)に大別する。最後に、これら以外のものはすべて付帯的にのみ量と呼ばれることを論じる。
- §6#2
反対の不在と量に固有な等・不等
量には本来的な反対が存在しないこと、多少の度合い(程度)を受け入れないこと、そして「等・不等」と言われることこそが量に最も固有の特性であることを論じる。
- §7#1
関係の定義と反対性や換位などの特徴
関係(相対的なもの)の定義を与え、その特徴(反対性の有無、程度の差の受容、換位の成立)を、適切な関係相手の提示という観点から議論する。
- §7#2
関係の適切な換位と同時存在性の例外
適切に提示されるならば、関係にあるものは必ず換位すること、また名前がない場合は新しく造るべきであることを論じ、さらに関係にあるものの同時存在性について、認識対象(可知的・可感対象)は認識(知識・感覚)に時間的に先立つという例外を示す。
- §7#3
実体とその部分が関係に属するかという問題
実体、特に第二実体の部分(頭や手など)が関係に属するかというアポリアを検討し、関係の第二の定義を導入することで、これら実体の部分は関係に属さず、したがって実体は関係に属さないという結論を導く。
- §8#1
性質の定義と状態や素質および能力の分類
性質(クオリティ)の定義を与え、その多義的な分類のうち、第一の種である「状態と素質」の区別、および第二の種である「自然な能力と無能力」について詳細に論じる。
- §8#2
受動的性質と形態の分類および有性質者
アリストテレスは性質の第三の類として、感覚に変化を及ぼす「受動的性質」(味や色など)と「受動」を挙げ、それが一時的なものか永続的なものかによって区分する。さらに第四の類として「図形」や「形態」を提示し、最後に性質から派生する「特定の性質のもの(有性質者)」について論じる。
- §8#3
性質の特徴と反対性および関係との区別
性質における派生名的な言われ方の例外、反対性、度合いの強弱、類似性と非類似性を論じたのち、状態や配置といった性質の類が関係ではなく性質の範疇に属する理由を説明する。
- §9
能動と受動の特徴および残りの諸範疇
能動と受動もまた反対性と程度の差を受け入れることを示し、残りの範疇(姿勢、時間、場所、所持)については明白であるためこれ以上の詳細な議論を要しないとして整理する。
- §10#1
対立の四つの様態と反対なるものの性質
10種類のカテゴリーの概説を終え、対立(反対)の4つの種類(相関、反対、欠如と所有、肯定と否定)を提示し、特に反対なるものにおける中間の有無とその性質を論じる。
- §10#2
欠如と所有の対立および他の対立との差異
アリストテレスは「欠如と所有」について、同一の対象において生じることや、状態の概念的相違を論じる。また、欠如と所有の対立が、相関概念や反対概念の対立とは異なる独自の性質を持つことを論証する。
- §10#3
対立の相互変化可能性と肯定否定の真偽性
著者は、反対なるものは時間や条件によって互いに変化しうるが(所有と欠如は不可逆)、肯定と否定として対立するもののみが、主体の存否に関わらず、常に一方が真で他方が偽という性質を持つことを、ソクラテスを例に挙げて論じている。
- §11
反対なるものの性質と善悪の対立関係
反対なるものの性質として、善に対する悪の必然的対立、悪に対する反対の多様性(過度・不足・中庸)、両立不可能性や同じ属・種に属することなどについて論じる。
- §12-13
先なるものと同時なるものの諸定義
第12章では「先なるもの」の5つの異なる意味(時間、非可逆的な存在随伴、順序、価値、および存在の原因となる関係)が定義され、第13章では「同時なるもの」の意味(時間的同時、および可逆的だが原因関係にないものや同一属から対比区分されたもの等の自然的な同時)が規定される。
- §14-15
運動の六つの種と「持つ」の多様な意味
第14章では、運動を六つの種に分類した上で、性質変化が他の運動と区別されることを論じ、それぞれの運動に対する反対のあり方を考察する。第15章では、「持つ」という言葉が持つ八つの多様な意味を分類・解説する。
