底本
Lucian, Vol. 5. Harmon, Austin Morris, editor. London: William Heinemann, Ltd.; Cambridge, MA: Harvard University Press, 1936 (printing).
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0062.tlg049.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 4 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):表記の統一 5 件・AI校閲 4 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、ギリシア語の「アポプラス(apophras, 不吉な)」という言葉の解釈をめぐる論争を端緒に、ある無教養で破廉恥なソフィストの欺瞞と悪徳を痛烈に告発する風刺的な散文作品です。語り手は、擬人化された弁駁の神「エレンコス(Elenchos)」を召喚し、かつてこのソフィストがオリンピアで犯した剽窃と失態を暴露します。さらに、ローマでの再会時に生じた言葉の誤用をめぐるやり取りから、相手の徹底的な教養不足を証明します。弾劾の矛先は言葉の誤用のみならず、相手が各地で引き起こした性的な醜聞や倫理的退廃、さらには被告の「舌」自らが持ち主を告訴するという奇妙な法廷劇にまで及びます。最後は、不名誉な方法で得た富で快楽に溺れる姿勢を厳しく批判し、これ以上の不敬を慎み自己を省みるよう、悲劇の引用をもって警告して幕を閉じます。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §1-3
アポプラスの意味とアルキロコスの寓話
語り手は、相手が「アポプラス」の意味を理解していないと指摘し、風刺詩人アルキロコスの寓話を引用して相手の無知と傲慢を痛烈に非難する。
- §4-7
エレンコスの召喚とオリンピアでの剽窃演説
著者はメナンドロスの劇に登場する神「エレンコス(弁駁)」を呼び出し、ある詐欺的なソフィストがオリンピアで即興を装って剽窃した演説を行い、聴衆の嘲笑を買った顛末を語らせる。著者自身もその場にいて笑ったことが彼らの対立の契機となった。
- §8-12
ローマの新年の出会いと語の無知の露呈
筆者はローマの新年行事の際、以前オリンピアで失態を演じたソフィストと遭遇し、「アポプラス(不吉な)」という言葉を使って彼を避けようとする。ソフィストはその言葉をギリシア語ではないと誤解して嘲笑するが、実はその語はアッティカ方言に深く根ざした言葉であり、彼の無教養を晒す結果となる。
- §13-17
アポプラスの語源と不吉な比喩の正当性
語り手は、「アポプラス(不吉な日)」という言葉の由来や、アッティカ方言におけるその根強い歴史を説明し、無教養なソフィストの無知を非難する。さらに、昔の人々が道徳的に問題のある人物を不吉な言葉に例えた先例を引き、悪徳に満ちたソフィストを「アポプラスの日」に例えることの妥当性を弁明する。
- §18-21
各地での破廉恥な醜聞と雇い主からの追放
語り手は、相手が市民や叙事・悲劇の詩を知る者たちからいかに悪名高く思われているかを暴き、祖国を避けている理由を指摘する。さらに、相手が叙リア、アンティオキア、エジプト、アレクサンドリアで引き起こした破廉恥な醜聞と、ローマ人の雇い主から追い出された決定的な不貞行為を暴露する。
- §22-26
アカイアでの悪名と舌による被告への訴え
告発者は、被告の悪名がアカイアやエフェソスにまで広まり、その卑劣な行いが続いていることを告発する。さらに、被告の「舌」を擬人化し、昼夜を問わず偽りや不名誉な奉仕を強制され、蹂躙されているとして法廷で告訴する様子を描き出す。
- §27-29
各地での不名誉な渾名と文法の誤用の暴露
著者は相手が地中海各地で得た恥ずべき多くの性的な別名を暴露し、彼が犯した滑稽な文法・語彙の誤用を嘲笑する。
- §30-32
詐取した金による快楽への耽溺と反省の促し
貧窮ゆえの悪行には情状酌量の余地があるが、不名誉な手段で得た金を悪徳な快楽に費やすことは容認できないとし、相手の詐欺行為や身持ちの悪さを痛烈に批判する。さらに、これ以上の弁論での強弁や不敬な振る舞いをやめ、自らの行いを省みるべきだとエウリピデスの言葉を引いて警告する。
