底本
Sophocles, Volume 1. Storr, Francis, editor. London; New York: William Heinemann Ltd.; The Macmillan Company, 1912.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0011.tlg002.perseus-grc2
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 7 件・原文 2 件を修正
AI校閲 2026-10-12:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳の修正なし
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 9 件
日本語訳を再翻訳したチャンク:1
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、国法を優先する統治者と、神々の不変の法を遵守しようとする個人の対立を描いたギリシア悲劇です。舞台はテーバイの王宮前で、新王クレオンと、王命に背いて逆賊の兄ポリュネイケースを埋葬しようとする姪アンティゴネーを中心に展開します。アンティゴネーは妹の制止を振り切り単独で埋葬を行いますが、捕らえられてクレオンと激しく対立し、岩穴への生きたままの幽閉を宣告されます。クレオンの息子ハイモーンの説得も虚しく議論は平行線をたどりますが、予言者テイレシアースの不吉な警告を受けて王はついに方針を翻します。しかし時すでに遅く、アンティゴネーとハイモーン、さらに王妃までもが自死を遂げます。すべてを失い絶望するクレオンの姿を通じ、人間の思慮深さと傲慢の克服の重要性が描き出されます。
目次
15 チャンク
引用方式:line
- §1-78
兄の埋葬をめぐるアンティゴネーとイスメーネーの対立
アンティゴネーは妹のイスメーネーに、クレオンが下したポリュネイケスの埋葬禁止の布告を伝え、共に埋葬を行うよう協力を求めるが、イスメーネーは女性としての無力を訴えて拒絶する。アンティゴネーは一人で兄を葬り、死を遂げる決意を語る。
- §79-180
勝利を祝うコロスの歌とクレオンの初登場
アンティゴネーはイスメーネーと袂を分かち、一人でポリュネイケースの埋葬へと向かいます。続いて入場したコロスがテーバイの輝かしい勝利を歌い、続いて登城した新王クレオンが自らの統治方針を力強く語り始めます。
- §181-257
クレオンの布告と番人による密かな埋葬の報告
クレオンが自らの政治信条を宣言し、ポリュネイケースの埋葬禁止とエテオクレスの礼葬を命じる。そこに墓の番人が現れ、何者かが遺体に薄く土を振りかけて象徴的に埋葬したことを報告する。
- §258-339
クレオンの怒りと犯人捜索の命令、人間賛歌の始まり
門番はクレオンに対し、遺体が何者かによって清めの砂を撒かれて埋葬されていた経緯を報告し、怒ったクレオンは金で買収された者の犯行だと断じて犯人の捜索を命じます。その後、コーラスによって人間の驚異的な力と技術を讃える歌(人間賛歌)が歌われ始めます。
- §340-439
人間賛歌の結びと捕縛されたアンティゴネーの連行
コーラスは人間の驚異的な知恵と技術、そしてその限界を歌い上げるが、そこへ埋葬の現行犯で捕らえられたアンティゴネーが連行されてくる。番兵はクレオンに対し、砂嵐の後に彼女が再び死体に砂と献酒を施すのを目撃し、捕らえた経緯を詳細に説明する。
- §440-516
アンティゴネーの神の法の弁明とクレオンの死刑宣告
クレオンはアンティゴネーを問い詰め、彼女は法への違背を認めつつ、神々の不変の法を優先したと主張する。クレオンは彼女の頑なな態度を非難し、妹のイスメーネーも共犯として処刑すると宣言する。
- §517-595
イスメーネーの自首とクレオンによる死刑宣告
アンティゴネーとクレオンが死者への敬虔さを巡り対立する中、イスメーネーが現れて共に罪を背負うと主張するがアンティゴネーに拒まれる。クレオンは二人の処刑を決め連行を命じ、コロスはラプダコス家に代々伝わる呪いと災厄を歌う。
- §596-686
ハイモーンの登場とクレオンの説く服従の論理
コーラスは神の絶対的な力と、人間の運命に忍び寄る災厄を歌います。そこへハイモーンが登場し、クレオンは彼にアンティゴネーへの未練を捨てて父に従うよう諭し、国家と家庭における秩序の重要性を説きます。
- §687-760
ハイモーンの諫言とクレオンとの激しい口論
ハイモーンは父クレオーンに、市民たちの本音を代弁しながら柔軟な姿勢を求める。しかし、クレオーンは国家の秩序と自らの権威を絶対視し、意見は平行線をたどって激しい罵り合いへと至る。
- §761-876
アンティゴネーの洞窟幽閉の決定と悲痛な嘆き
クレオンはアンティゴネーを人里離れた岩穴に生きたまま幽閉することを決定し、ハイモンは激怒して立ち去る。その後、連れ出されたアンティゴネーはコーラスとともに自らの不条理な運命と一族の呪いを嘆きながら、死の部屋へと赴く。
- §877-976
アンティゴネーの最後の嘆訴と運命を歌う合唱
アンティゴネーは最後の弁明を行い、生きたまま墓に閉じ込められる自らの過酷な運命を嘆きつつ、クレーオーンの不義を訴えて連行される。合唱は、ダナエーやリュクールゴスなどの神話的類比を歌い、運命の不可避性と神への畏敬を語る。
- §977-1063
テイレシアースの警告とクレオンの反発
コーラスが悲劇的な運命を被った者たちの神話を歌い終えると、盲目の予言者テイレシアースが少年の案内に従われて登場する。テイレシアースは祭壇での異常な不吉な兆候を語り、ポリュネイケースの埋葬を拒むクレーオーンの決定が国を病ませていると警告するが、クレーオーンは彼が利益のために偽りを語っているとして非難する。
- §1064-1164
テイレシアスの破滅の予言とクレオンの悔悟
テイレシアスはクレオンに対し、生者を幽閉し死者を放置した罪の代償として親生児を失うと告げて去る。恐れを抱いたクレオンは方針を翻しアンティゴネーの解放と埋葬に急ぎ出発するが、使者が現れ、かつて栄華を極めたクレオンの破滅を語り始める。
- §1165-1249
使者によるハイモンの自死の報告と王妃の沈黙
使者が王宮に現れ、クレオンの家門に起きた破滅と、ハイモンが自らの手で命を絶ったことを報告する。報告を聞いた王妃エウリュディケは沈黙のまま立ち去り、不吉な予感が漂う。
- §1250-1353
妻子の死とクレオンの絶望および終幕
王妃エウリュディケの沈黙に不吉な予感を抱いた使者とコーラスに続き、クレオンが息子の遺体を抱いて現れます。直後に王妃の自殺も報じられ、クレオンは自らの思い上がりが招いたすべての破滅に直面して深い絶望に陥り、コーラスが思慮深さの重要性を説いて劇を締めくくります。
