底本
Euripides. Euripidis Fabulae, Vol. I. Murray, Gilbert, editor. Oxford: Clarendon Press, 1902.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0006.tlg003.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 10 件・原文 2 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 12 件
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最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、夫の裏切りに直面した異邦人の女性メディアの壮絶な復讐劇を描いた古典ギリシア悲劇です。舞台はコリントス。かつてメディアの献身によって栄光を得た夫イアソンが、王クレオンの娘と新たに結婚し、メディアと子供たちを追放しようとすることから物語は始まります。絶望と激怒のなか、メディアは一日だけの滞在猶予を勝ち取り、さらにアテナイ王から亡命の約束を取り付けて復讐を計画します。彼女はイアソンを欺いて和解を装い、子供たちを介して新婦へ毒入りの贈り物を届けさせ、新婦と王を無残に殺害します。そして、我が子への愛と復讐心の激しい葛藤の末、メディアは自らの手で子供たちを殺害するという究極の決断を下します。最期に彼女は、太陽神の戦車に乗って絶望するイアソンの前から立ち去り、人間の激情(トゥモス)がもたらす悲劇の深淵を浮き彫りにします。
目次
16 チャンク
引用方式:line
- §1-86
乳母の嘆きとメディア追放の噂
乳母の独白により、メディアのイアソンへの怒りと絶望、そしてクレオンの娘との新しい婚礼による裏切りが語られる。そこへ子供たちを連れた児童監が現れ、クレオンがメディアと子供たちを追放しようとしているという不穏な噂を伝える。
- §87-191
メディアの叫びとコロスの登場
乳母はメディアの暴発を恐れて子供たちを家の中へと退避させ、そこへコーラス(コリントスの女性たち)が登場して、メディアの嘆き悲しむ声を耳にする。乳母とコーラスはメディアを宥めるために彼女を外へと連れ出そうと相談する。
- §192-278
女性の境遇の訴えとクレオンの追放宣告
メディアは、コリントスの女性たち(コーラス)の前に現れ、異邦人女性としての自らの不遇と女性の社会的苦境を訴え、復讐への沈黙の協力を求める。そこへコリントス王クレオンがやってきて、彼女と子供たちに国外追放を命じる。
- §279-356
メディアの懇願とクレオンによる一日の猶予
メディアはクレオンに対し、追放の不当性と自身の賢さへの偏見を訴え、子供たちのために一日だけの猶予を懇願する。クレオンは罠を警戒しつつも、情けをかけて一日の滞在を許す。
- §357-454
メディアの復讐計画とイアソンの登場
クレオンが去った後、メディアは彼を欺いて手に入れた一日を使ってイアソンらへの復讐を決意し、毒薬を用いる計画を立てる。続いて、コロスは男女の信義の反転やメディアの過酷な境遇を歌い、その後イアソンが登場して彼女の激しい怒りが追放を招いたと諭す。
- §455-534
メディアの過去の貢献の主張とイアソンの弁明
イアソンとメーデイアが直接対峙し、イアソンは自己の寛大さを主張するが、メーデイアは彼の不実と自らの多大な貢献を激しく非難する。これに対しイアソンは、彼女を救ったのは自身の知恵ではなくアプロディテの力であると反論する。
- §535-612
イアソンの再婚の弁明とメディアの援助拒絶
ヤソンはメデイアに対し、ギリシアでの生活や名声という恩恵を挙げ、自らの新しい結婚が家族の安全と繁栄のためであると弁明する。しかしメデイアは彼の不義を非難し、彼の提供する資金援助を拒絶する。
- §613-707
愛への警告の歌とアイゲウスへのメディアの訴え
ヤソンが援助を拒絶されて去った後、コーラスは破滅的な愛を警告する歌を歌う。続いてアテナイの王アイゲウスが登場し、メデイアは彼に夫の裏切りと自らの追放の危機を訴える。
- §708-787
アイゲウスの誓いとメディアの復讐計画の告白
メデイアはアテナイ王アイゲウスから安全な亡命を保証する誓いを得る。その後、彼女はヤソンを欺き、その新婚の妻に毒入りの贈り物を送って殺害するという復讐計画を明かす。
- §788-892
子殺しの決意とイアソンに対するメディアの偽りの和解
メデイアは花嫁を毒殺し、自らの子らを殺すという恐るべき計画を打ち明けてコーラスの制止を拒む。その後、彼女はヤソンと再会して怒りを謝罪し、和解を装う。
- §893-974
メディアの偽りの謝罪と新婦への毒の贈り物
メディアはヤソンに対して、これまでの怒りを謝罪し子供たちとも和解させる芝居を打つ。そして追放を免れるため、子供たちを介して新しい花嫁にヘリオスの秘宝である豪華な贈り物を届ける計画をヤソンに提案する。
- §975-1066
追放免除の報せと子殺しを巡るメディアの葛藤
コリントスの合唱隊が子供たちの死を予見して嘆くなか、教育係は追放の免除と贈り物の受け取りという成功の知らせを持ち帰る。メデイアはこれを聞いて絶望し、わが子への深い情愛とイアソンへの復讐心の板挟みとなり、激しい葛藤の末に復讐のために子供たちを殺害する凄惨な決意を再確認する。
- §1067-1156
メディアの子供たちとの別れと使者の来訪
メデイアは子供たちとの最後の痛切な別れを惜しみ、自らの激情(トゥモス)が理性的計画を上回ることを自覚しつつ犯行を決意する。合唱隊が子供を持つ親の終わりなき不安と悲劇を歌い終えたところへ、王家から逃れてきたイアソンの従者が現れ、メデイアの毒入りの贈り物が引き起こした王女とクレオンの無残な最期を報告し始める。
- §1157-1244
王女とクレオンの惨死とメディアの子殺しの決意
使者は王女グラウケと父王クレオンがメデイアの毒入りの衣と冠によって凄惨な死を遂げた様子を語り、人間の幸福の不確かさを説く。これを聞いたメデイアは、子供たちを自らの手で殺害し逃亡することを最終的に決意する。
- §1245-1332
メディアの子殺しと太陽の戦車に乗るメディア
メディアが我が子を殺害し、コーラスがその非情さを嘆く中、イアソンが救出に駆けつけるが、すでに遅く子供たちは息絶えていた。メディアは太陽神から授かった空飛ぶ戦車に乗って現れ、絶望するイアソンと激しい非難の言葉を交わし合う。
- §1333-1419
イアソンとメディアの最後の非難と別れ
イアソンとメディアが子供たちの死をめぐって激しい非難を応酬する。メディアは子供たちの埋葬を拒んでヘラ女神の聖域に自ら葬ると告げ、アテナイへ去ることを宣言し、二人は悲痛の中で互いを呪い合う。
