Humanitext Reader

ユスティニアヌス1世 · 学説彙纂 §19.1.50.pr

買主の代金免除と引渡前後の目的物返還請求

2816 / 9271 箇所 · ラテン語

要旨

売買契約において、物が引き渡される前に買主が法律の恩恵により代金支払義務を免れた場合、売主は引渡しを強制されないが、既に占有が移転している場合には売主は物を取り戻せず失うことになるという原則を示す。

[LABEO libro quarto posteriorum a Iauoleno epitomatorum. ] §19.1.50.prBona fides non patitur, ut, cum emptor alicuius legis beneficio pecuniam rei uenditae debere desisset antequam res ei tradatur, uenditor tradere compelletur et re sua careret.
[ヤウォレーヌス要約ラベオー『遺稿集』第4巻] 信義誠実(善意)は、買主がある法律の恩恵によって、物が彼に引き渡される前に、売却された物の代金を支払う義務を免れたとき、売主が引き渡しを強制され、自己の物を失うことになるのを許さない。
possessione autem tradita futurum est, ut rem uenditor aeque amitteret, utpote cum petenti eam rem petitor ei neque uendidisset neque tradidisset.
しかし、占有が(すでに)引き渡されていた場合には、売主が同様にその物を失うことになる。 なぜなら、その物を(取り戻そうと)請求する原告が、彼にそれを売却したのでも引き渡したのでもないならば、(これを取り戻せたであろうが、実際には売却して引き渡したからである)。

語釈・文法注

  1. §19.1.50.prcompelletur et re sua careret — 主節の現在時制 patitur に対し、従属する ut 節内で現在接続法(compelletur、通常は caret または careat となるところ、ここでは写本上の compelletur)と未完了過去接続法(careret)が混在している。careret は、desisset という歴史的時制の従属節(cum 節)による時制の牽引、または結果としての状態(物を失った状態にあること)を過去からの視点で記述していると考えられる。
  2. §19.1.50.prneque uendidisset neque tradidisset — 接続法過去完了(uendidisset, tradidisset)は、条件節を伴わない反実仮想の帰結として理解される。すなわち、「もし原告(売主)が彼(買主)にそれを売却したのでも引き渡したのでもないのであったならば(売主は物を取り戻せたであろうが、実際には売買・引渡しがあったため、買主の『売却・引渡の抗弁』に阻まれて取り戻せず、物を失うことになる)」という意味を表す。与格の分詞 petenti(請求する者に対して)と主格の petitor(原告)は同一の売主を指し、「原告が物を取り戻しようと請求するにあたって」という状況を示す。

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ユスティニアヌス1世, 学説彙纂 §19.1.50.pr. Humanitext Reader, https://reader.humanitext.ai/text/urn:cts:latinLit:phi2806.phi002.humanitext-lat1:19.1.50.pr

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訳文・注・要旨はAIによる草稿で、読者の指摘により改訂されています。