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ヘルクレス

§367-450

リコスの求婚の拒絶とアンピトリュオンの弁護

メガラとリコスの激しい対話が描かれる。リコスはメガラに求婚するが、メガラは彼への不倶戴天の憎悪を示し、ヘルクレスへの貞節を貫いて死をも辞さない覚悟を示す。アムピトリュオーンも加わり、ヘルクレスの神聖な出自をめぐってリコスと対立する。

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367

​altus sepultas obruet gentes cinis.

深い灰が、埋もれた諸民族を覆いつくすだろう。

​pacem reduci velle victori expedit,

平和が戻ることを望むことは、勝者にとっては有益であり、

​victo necesse est. particeps regno veni;

敗者にとっては不可欠なのだ。共同統治者として私の王国へ来なさい。

370

​sociemur animis, pignus hoc fidei cape:

心において結ばれよう、この信義の証を受け取るがよい。

​continge dextram, quid truci vultu siles?

右手に触れよ。なぜ険しい顔をして沈黙しているのか?

​Egone ut parentis sanguine aspersam manum

この私が、父の血と兄弟たちの

​fratrumque gemina caede contingam?1 prius

二重の殺戮に染まった手に触れるなどということがあろうか。それよりは先に、

​extinguet ortus, referet occasus diem,

東が光を消し去り、西が昼をもたらすだろう。

375

​pax ante fida nivibus et flammis erit

雪と炎の間に、先に信頼ある平和が訪れ、

​et Scylla Siculum iunget Ausonio latus,

スキュラがシキリアの岸をアウソニアの岸へと結びつけるだろう。

​priusque multo vicibus alternis fugax

またそれよりもはるか先に、交互に流れを変えて逃げ去る

​Euripus unda stabit Euboica piger.

エウリーポスが、エウボイアの波とともに、淀んで静止するだろう。

​patrem abstulisti, regna, germanos, larem

お前は父を、王国を、兄弟たちを、父祖の家を

380

​patrium— quid ultra est? una res superest mihi

奪い去った。これ以上に何があるというのか。私には一つのものが残されている、

​fratre ac parente carior, regno ac lare:

兄弟や父よりも愛おしく、王国や家よりも大切なものが。

​odium tui, quod esse cum populo mihi

お前への憎しみだ。それが民衆と私に

​commune doleo:2 pars quota ex illo mea est?

共通であるのが悔しい。そのうちの私の取り分は、どれほどわずかなものなのだ。

​dominare tumidus, spiritus altos gere:

傲慢に支配し、高慢な態度を取るがよい。

385

​sequitur superbos ultor a tergo deus.

復讐の神が、傲慢な者たちの背後を追っている。

​Thebana novi regna: quid matres loquar

私はテバイの王家を知っている。悪行を

​passas et ausas scelera? quid geminum nefas

被り、また自ら企てた母親たちのことを、なぜ語る必要があろうか。二重の罪悪と、

​mixtumque nomen coniugis nati patris?

妻であり、息子であり、父であるという、混ざり合った名前のことを。

​quid bina fratrum castra? quid totidem rogos?

兄弟の二つの陣営を、そして同じ数の葬儀の薪を。

390

​riget superba Tantalis luctu parens

誇り高きタンタロスの娘は、母としての悲しみのうちに硬直しており、

​maestusque Phrygio manat in Sipylo lapis.

悲しげな石となって、フリュギアのシピュロス山で涙を流し続けている。

​quin ipse torvum subrigens crista caput3

否、カドモス自身さえも、不気味な頭に鶏冠を立て、

​Illyrica Cadmus regna permensus fuga

逃亡の末にイリュリアの王国を這い進み、

​longas reliquit corporis tracti notas.

引きずられたその身体の長い跡を残したのだ。

395

​haec te manent exempla: dominare ut libet,

これらの先例がお前を待っている。好きなように支配するがよい、

​dum solita regni fata te nostri vocent

我が王国のいつもの宿命がお前を呼び寄せるまでは。

​Agedum efferatas rabida voces amove

さあ、その凶暴で狂気じみた言葉を退け、

​et disce regum imperia ab Alcide pati

王の命令に服することを、アルケイデスから学びなさい。

​ego rapta quamvis sceptra victrici geram

私は、奪い取った王笏を勝利した

400

​dextra regamque cuncta sine legum metu

右手で携え、武力が打ち勝つ法律を恐れることなくすべてを支配しているとはいえ、

​quas arma vincunt, pauca pro causa loquar

我が大義のために少しばかり語ろう。

​nostra, cruento cecidit in bello pater?

血塗られた戦争で父が倒れたか?

​cecidere fratres? arma non servant modum;

兄弟たちが倒れたか?武器は節度を守らない。

​nec temperari facile nec reprimi potest

抜かれた剣の怒りは、容易に和らげることも抑えることもできず、

405

​stricti ensis ira, bella delectat cruor.

戦争においては血が好まれるのだ。

​sed ille regno pro suo, nos improba

だが、彼は自らの王国のために戦い、私たちは不当な

​cupidine acti? quaeritur belli exitus,

欲望に突き動かされたというのか?問われるのは戦争の結末であり、

​non causa, sed nunc pereat omnis memoria:

原因ではない。だが今、すべての記憶は消え去るがよい。

​cum victor arma posuit, et victum decet

勝者が武器を置いたときには、敗者もまた

410

​deponere odia. non ut inflexo genu

憎しみを捨てるのがふさわしい。膝を屈して、

​regnantem adores petimus: hoc ipsum placet

支配している者を崇めることを求めているのではない。

​animo ruinas quod capis magno tuas;

お前が自らの破滅を、気高い心で受け止めていること、まさにそのことが気に入っているのだ。

​es rege coniunx digna: sociemus toros.

お前は王の妻にふさわしい。床を共にしよう。

​Gelidus per artus vadit exanguis tremor.

冷たく血の気のない震えが、四肢を駆け抜ける。

415

​quod facinus aures pepulit? haut equidem horrui,

いかなるおぞましい言葉が耳を打ったのか。私は本当に恐れおののきはしなかった、

​cum pace rupta bellicus muros fragor

平和が破れて戦争の轟音が城壁の周りに

​circumsonaret, pertuli intrepide omnia:

響き渡ったときにも。すべてを恐れることなく耐え抜いた。

​thalamos tremesco; capta nunc videor mihi.

婚礼の床を私は恐れる。今や、私は囚われの身となったように思われる。

​gravent catenae corpus et longa fame

鎖がこの体を重く縛り、長い飢えによって、

420

​mors protrahatur lenta: non vincet fidem

のろのろとした死が引き延ばされるがよい。いかなる力も、私たちの信義に

​vis ulla nostram; moriar, Alcide, tua.

打ち勝つことはできない。アルケイデスよ、私はお前のものとして死ぬ。

​Animosne mersus inferis coniunx facit?

冥界に沈められた夫が、お前にそのような気概を与えるのか?

​Inferna tetigit, posset ut supera assequi.

彼は冥界に触れたのだ、地上の高みに達することができるように。

​Telluris illum pondus immensae premit.

果てしない大地の重みが彼を押しつぶしている。

425

​Nullo premetur onere, qui caelum tulit.

天を支えた者が、いかなる重荷によっても押しつぶされることはない。

​Cogere.

強いられるがよい。

​Cogi qui potest nescit mori.4

強いられ得る者は、死ぬことを知らないのだ。

​Effare potius, quod novis thalamis parem

むしろ、新しい婚礼に私がいかなる王にふさわしい贈り物を準備すべきか、

​Regale munus.

言うがよい。

​Aut tuam mortem aut meam.

お前の死か、あるいは私の死を。

​Moriere demens,

狂った女よ、お前は死ぬことになる。

​Coniugi occurram meo.

私は夫のところへ赴くのだ。

430

​Sceptrone nostro famulus est potior tibi?

我らの王笏よりも、奴隷の方がお前にとって勝っているというのか?

​Quot iste famulus tradidit reges neci.

その奴隷が、いかに多くの王たちを死に追いやったことか。

​Cur ergo regi servit et patitur iugum?

では、なぜ彼は王に仕え、軛に耐えているのか?

​Imperia dura tolle: quid virtus erit?

過酷な命令を取り去ってみよ。徳はいったいどこにあるというのか?

​Obici feris monstrisque virtutem putas?

野獣や怪物に身をさらすことが、徳であると思うのか?

435

​Virtutis est domare quae cuncti pavent.

誰もが恐れるものを手なずけることこそ、徳の本質なのだ。

​Tenebrae loquentem magna Tartareae premunt.

大言壮語を吐く者を、タルタロスの闇が押しつぶしている。

​Non est ad astra mollis e terris via.

地上から星々に至る道は、平坦ではない。

​Quo patre genitus caelitum sperat domos? i

いかなる父から生まれて、彼は神々の住処を望んでいるのか?

​Miseranda coniunx Herculis magni, sile:

偉大なるヘルクレスの哀れむべき妻よ、黙りなさい。

440

​partes meae sunt reddere Alcidae patrem

アルケイデスに父親と

​genusque verum,5 post tot ingentis viri

真の家系を返すことは、私の務めだ。その偉大なる男のこれほど多くの

​memoranda facta postque pacatum manu

記憶されるべき偉業の後、また昇り、そして沈む

​quodcumque Titan ortus et labens videt,

太陽が見るすべてのものを、その手で平和にした後で、

​post monstra tot perdomita, post Phlegram impio

これほど多くの怪物を従わせた後、プレグラが不信心な

445

​sparsam cruore postque defensos deos

血で染められた後、そして神々が守られた後になっても、

​nondum liquet de patre? mentimur Iovem:

まだその父親が明らかではないのか。私たちはユーピテルについて嘘をついているというのか。

​Iunonis odio crede.

ユーノーの憎しみを信じるがよい。

​Quid violas Iovem?

なぜユーピテルを冒涜するのか。

​mortale caelo non potest iungi genus.

死すべき人間の血統が天に連なることはあり得ないのだ。

​Communis ista pluribus causa est deis.

それは、多くの神々に共通する事情だ。

450

​Famuline fuerant ante quam fierent dei?

彼らは神々になる前、奴隷であったというのか?

構文注5 件
  1. 372Egone ut parentis sanguine aspersam manum... contingam?

    疑念や強い拒絶を表す ut +接続法現在(contingam)の構文。「私が〜することなどあろうか(いや、あり得ない)」という反語的な意味になる。主格代名詞 ego に疑問・強調の接尾辞 -ne が付されている。

  2. 382quod esse cum populo mihi commune doleo

    関係代名詞 quod の先行詞は前行の odium(憎しみ)。doleo の目的語として対格不定詞構文(esse ... commune)が続いており、「それ(憎しみ)が私にとって民衆と共通であることを悲しむ」という意味。

  3. 392quin ipse torvum subrigens crista caput

    副詞 quin はここでは否定ではなく、むしろ「それどころか、否そればかりか」と前言をさらに強める肯定の接続詞的機能を持つ。

  4. 426bCogi qui potest nescit mori

    主語は関係節の qui potest cogi(強制され得る者)。死を恐れず、自ら死を選択する覚悟を持つ者は、どのような外的な力によっても真に強制されることはない、というストア哲学的なパラドックスを端的に表現している。

  5. 440partes meae sunt reddere Alcidae patrem genusque verum

    複数名詞 partes(役割、任務)に所有形容詞 meae が付き、これに主語となる不定詞 reddere が後続する。「アルケイデスに(真の)父と家系を返すことは私の役目である」という意味。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)urn:cts:latinLit:phi1017.phi001.humanitext-lat2:367-450