- 底本
- Terence. Publii Terentii Comoediae Sex. Parry, Edward St. John, editor. London: Whittaker and Co.; George Bell, 1857.
- 翻訳
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- 言語
- 日本語 · English · 简体中文 · 한국어
- CTS URN
- urn:cts:latinLit:phi0134.phi004.humanitext-lat2:762-813d
- 出力
- Humanitext Reader · reader.humanitext.ai · 2026-10-27
クレメスはパニウムが自分の実の娘であることを確信し、その事実を妻に隠そうとする。一方、事情を知らないデミポはナウシストラタを連れてきてパニウムを説得させようとするが、クレメスの不可解な態度とパニウムを「親戚」とする主張に混乱する。
Nunc quid opus facto sit vide. Pater adolescentis venit;
クレメス:「さて、何をすべきか考えてくれ。あの若者の父親がやって来る。」
Eumque animo iniquo hoc oppido ferre aiunt.
「そして、彼はこのことをひどく不満に思っているそうだ。」
Nihil pericli est.
ソプロナ:「心配はございません。」
Sed per Deos atque homines, meam esse hanc cave resciscat quisquam.
クレメス:「だが、神々と人間たちにかけて、これが私の娘だということは、誰にも知られないように気をつけてくれ。」
Nemo ex me scibit.
ソプロナ:「私からは誰も知ることはありません。」
Sequere me: intus caetera audies.
クレメス:「私について来なさい。詳しいことは家の中で話そう。」
Nostrapte culpa facimus ut malis expediat esse,
デミポ:「悪人にとって悪人であることが得になるようにしているのは、我々自身の過ちなのだ、」
Dum nimium dici nos bonos studemus et benignos.
「我々が良い人間だ、親切だと言われることにあまりにも汲々としているうちに。」
Ita fugias ne praeter casam, quod aiunt. Nonne id sat erat,
「『逃げるなら自分の小屋を通り過ぎるな』と言う通りだ。それだけで十分ではなかったか、」
Accipere ab illo iniuriam? etiam argentum est ultro obiectum,
「奴から不当な扱いを受けるだけで?その上、こちらから進んで金を放り出すとは、」
Ut sit qui vivat dum aliud aliquid flagiti conficiat.
「奴が何か別の悪事をしでかすまでの間、食いつなぐための金をだ。」
Planissime.
ゲタ:「全くその通りです。」
His nunc praemium est qui recta prava faciunt.
デミポ:「今や、正しいことを曲げる者たちに褒美が与えられる時代なのだ。」
Verissime.
ゲタ:「真実そのものでございます。」
Ut stultissime quidem illi rem gesserimus.
デミポ:「それにしても、我々はあの男に対して、何とも愚かなやり方で事を運んでしまったものだ。」
Modo ut hoc consilio possiet discedi ut istam ducat.
ゲタ:「ただ、あの男があの娘をめ取るというこの計画が、首尾よく運ぶと良いのですが。」
Etiamne id dubium est?
デミポ:「それすらも疑わしいというのか?」
Haud scio hercle, ut homo est, an mutet animum.
ゲタ:「ヘラクレスにかけて、あの男の性格からして、気が変わるのではないかと、私には分かりかねます。」
Hem, mutet autem?
デミポ:「何だと、気が変わるだと?」
Nescio: verum "si forte" dico.
ゲタ:「分かりません。ですが、『もしもの場合』を申し上げているのです。」
Ita faciam, ut frater censuit, ut uxorem huc eius adducam,
デミポ:「弟が勧めた通りにしよう、彼の妻をこちらに連れてきて、」
Cum ista ut loquatur: tu, Geta, abi prae; nuntia hanc venturam.
「あの娘と話してもらうのだ。お前、ゲタは、先に行って、奥様がいらっしゃることを伝えておけ。」
Argentum inventum est Phaedriae: de iurgio siletur.
ゲタ:「ファエリアのための金は見つかった。訴訟については沙汰止みだ。」
Provisum est ne in praesentia haec hinc abeat: quid nunc porro?
「さしあたり、あの娘がここから去らないような手立ては講じられた。だが、この先どうなる?」
Quid fict? in eodem luto haesitas: versura solves,1
「どうなるというのだ?お前は同じ泥沼にはまり込んでいる。借金を返すために新たな借金をするようなものだ、」
Geta. Praesens quod fuerat malum in diem abiit: plagae crescunt,
「ゲタよ。目の前にあった災難は一日の引き延ばしになっただけ、鞭打たれる回数は増えるばかりだ、」
Nisi prospicis. Nunc hinc domum ibo, ac Phanium edocebo
「先を見通さなければな。さあ、ここから家に入って、パニウムに教えてやろう、」
Ne quid vereatur Phormionem aut eius orationem.
「ポルミオや彼の言うことを何も恐れる必要はないと。」
Agedum, ut soles, Nausistrata, fac illa ut placetur nobis;
デミポ:「さあ、ナウシストラタ、いつものように、あの娘が我々に機嫌を直すように取り計らってくれ。」
Ut sua voluntate id quod est faciendum faciat.
「なされるべきことを、彼女が自ら進んで行うようにね。」
Faciam.
ナウシストラタ:「そういたしましょう。」
Pariter nunc opera me adiuvas ac re dudum opitulata es.
デミポ:「先日、お前が財産で私を助けてくれたのと同様に、今はその骨折りで私を助けてくれるのだな。」
Factum volo; at pol minus queo viri culpa quam me dignum est.
ナウシストラタ:「喜んでいたしますわ。ですが、ポルクスにかけて、夫のせいで、私にふさわしいほどには十分に施すことができませんの。」
Quid autem?
デミポ:「なぜなのだ?」
Quia pol mei patris bene parta indiligenter
ナウシストラタ:「だって、ポルクスにかけて、あの人は私の父が築いた素晴らしい財産を、だらしなく」
Tutatur; nam ex his praediis talenta argenti bina
「管理しているのですもの。かつては、あの領地から二タラントもの銀を」
Statim2 capiebat. Vir viro quid praestat!
「決まって得ていたのです。男が男にこれほど勝るとは!」
Binan quaeso?
デミポ:「二タラントも、かね?」
Ac rebus vilioribus multo, tamen talenta bina.
ナウシストラタ:「ええ、物価がもっとずっと安かった頃でさえ、それでも二タラントですわ。」
Hui.
デミポ:「ほう!」
Quid haec videntur?
ナウシストラタ:「これをどう思われます?」
Scilicet.
デミポ:「なるほどな。」
Virum me natum vellem:
ナウシストラタ:「私が男に生まれていればよかったですわ。」
Ego ostenderem—
「私が見せてやりましたのに――」
Certo scio.
デミポ:「確かにそうだろうね。」
quo pacto—
ナウシストラタ:「――どのようにして――」
Parce, sodes,
デミポ:「どうか勘弁してくれ、」
Ut possis cum illa; ne te adolescens mulier defatiget.
「あの娘と話す体力を残しておくために。若い女にお前が疲れさせられないようにね。」
Faciam ut iubes: sed meum virum abs te exire video.
ナウシストラタ:「おっしゃる通りにいたしましょう。ですが、夫があなたの家から出てくるのが見えますわ。」
Hem, Demipho,
クレメス:「おお、デミポ、」
Iam illi datum est argentum?
「もうあの男に金は渡したのか?」
Curavi ilico.
デミポ:「すぐに手配したよ。」
Nollem datum.
クレメス:「渡さなければよかったのに。」
Hei, video uxorem, paene plus quam sat erat.
「おっと、妻が見える。これはあまりありがたくないぞ。」
Cur nolles, Chreme?
デミポ:「なぜ渡さなければよかったのだ、クレメス?」
Iam recte.
クレメス:「いや、もういいのだ。」
Quid tu? ecquid locutus cum ista es quamobrem hanc ducimus?
デミポ:「お前はどうなのだ?我々があの娘を嫁がせる理由について、彼女と少しは話したのか?」
Transegi.
クレメス:「すべて解決した。」
Quid ait tandem?
デミポ:「結局、彼女は何と言ったのだ?」
Abduci non potest.
クレメス:「引き離すことはできない。」
Qui non potest?
デミポ:「なぜできないのだ?」
Quia uterque utrique est cordi.3
クレメス:「お互いに深く愛し合っているからだ。」
Quid istuc nostra?4
デミポ:「それが我々に何の関係がある?」
Magni: praeter haec,
クレメス:「大ありさ。それに加えて、」
Cognatam comperi esse nobis.
「彼女が我々の親戚であることが判明したのだ。」
Quid? deliras?
デミポ:「何だと?正気を失ったか?」
Sic erit.
クレメス:「本当のことなのだ。」
Non temere dico: redii mecum in memoriam.
「いい加減に言っているのではない。記憶をたどって確かめたのだ。」
Satin sanus es?
デミポ:「本当に正気なのか?」
Au, obsecro, cave ne in cognatam pecces.
ナウシストラタ:「まあ、お願いですから、親戚に対して非道なことをなさらないように気をつけてくださいな。」
Non est.
デミポ:「親戚などではない。」
Ne nega.
クレメス:「否定するな。」
Patris nomen aliud dictum est: hoc tu errasti.
デミポ:「父親の名前は違う名前が挙げられていた。お前はそこで勘違いしたのだ。」
Non norat patrem?
クレメス:「彼女が父親を知らなかったとでも?」
Norat.
デミポ:「知っていたさ。」
Cur aliud dixit?
クレメス:「では、なぜ違う名前を言ったのだ?」
Nunquamne hodie concedes mihi,
「今日一日、お前は私に譲ることをせず、」
Neque intelliges?
「察することもしてくれないのか?」
Si tu nihil narras—
デミポ:「お前が何も説明しないのでは――」
Pergis?
クレメス:「まだ続けるのか?」
Miror quid hoc siet.
ナウシストラタ:「これはいいったいどういうことかしら。」
Equidem hercle nescio.
デミポ:「ヘラクレスにかけて、私にも全く分かりません。」
Vin scire? At ita me servet Iupiter
クレメス:「知りたいか?ならば、ユピテルが私をお救いくださるように、」
Ut propior illi quam ego sum ac tu nemo est.
「あの娘にとって、私やあなた以上に近い身内は一人もいないのだ。」
Di vestram fidem!
ナウシストラタ:「まあ、神々の信実にかけて!」
Eamus ad ipsam: una omnes nos aut scire aut nescire hoc volo.
デミポ:「彼女のところへ行こう。皆で一緒にこれを知るか、あるいは知らないままでいるかにしたい。」
Ah.
クレメス:「あっ。」
Quid est?
デミポ:「どうしたのだ?」
Itan parvam mihi fidem esse apud te?
クレメス:「私に対するお前の信頼は、それほどまでに薄いのか?」
Vin me credere?
デミポ:「私に信じてほしいのか?」
Vin satis quaesitum mihi istuc esse? Age, fiat: quid? illa filia
クレメス:「私が十分に調査したと、お前に思ってほしいのだ。さあ、そうしてくれ。ところで、あの娘、」
Amici nostri quid futurum est?
「我々の友人の(娘)は、どうなるのだ?」
Recte.
「大丈夫だ。」
Hanc igitur mittimus?
デミポ:「では、この人には帰ってもらうのか?」
Quidni?
クレメス:「もちろんだ。」
Illa maneat?
デミポ:「あの娘は留まるのか?」
Sic.
クレメス:「そうだ。」
Ire igitur tibi licet, Nausistrata.
デミポ:「ではナウシストラタ、お前は帰ってよいぞ。」
- 780versura solves
金融的な慣用表現で、「新たな借金をして(古い)借金を返す」(自転車操業をする)ことを意味する。
- 790statim
副詞 statim は古典期には「直ちに」の意味で多用されるが、本来は動詞 stare(立つ、留まる)の原義に由来し、ここでは「一貫して」「定期的に」「恒常的に」の意味で用いられている。
- 800uterque utrique est cordi
述語的与格 cordi(「心にとっての〜である」、すなわち「愛すべき存在である、お気に入りである」)を用いた表現。uterque(主格)と utrique(与格)が並置され、「彼らはお互いにお互いにとって愛すべき存在である」という意味になる。
- 800bQuid istuc nostra?
非人称動詞 refert または interest の省略。これらの動詞は関与する者を示す際、属格の代わりに所有形容詞の女性単数奪格(mea, tua, nostra 等)を取るため、nostra が使われている。「それが我々に何の関係があるのか」という意味。
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-21)
- 2026-09-21 AI校閲 — 原文 1 件
