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ゴルギアス

§498

愚者や臆病者の快楽から生じる快善説の矛盾

ソクラテスはカリクレスとの対話において、賢者と愚者、臆病者と勇敢な者が同様に快楽と苦痛を感じるという事実から、善人と悪人が同様の度合いで善く、かつ悪くなってしまうという矛盾を指摘する。

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§498

ΣΩ. τί δέ; νοῦν ἔχοντα1 λυπούμενον καὶ χαίροντα; ΚΑΛ. φημί. ΣΩ. πότεροι δὲ μᾶλλον χαίρουσι καὶ λυποῦνται, οἱ φρόνιμοι ἢ οἱ ἄφρονες; ΚΑΛ. οἶμαι ἔγωγε οὐ πολύ τι διαφέρειν. ΣΩ. ἀλλʼ ἀρκεῖ καὶ τοῦτο. ἐν πολέμῳ δὲ ἤδη εἶδες ἄνδρα δειλόν; ΚΑΛ. πῶς γὰρ οὔ; ΣΩ. τί οὖν; ἀπιόντων τῶν πολεμίων2 πότεροί σοι ἐδόκουν μᾶλλον χαίρειν, οἱ δειλοὶ ἢ οἱ ἀνδρεῖοι; ΚΑΛ. ἀμφότεροι ἔμοιγε · εἰ δὲ μή, παραπλησίως γε. ΣΩ. οὐδὲν διαφέρει. χαίρουσιν δʼ οὖν καὶ οἱ δειλοί; ΚΑΛ. σφόδρα γε. ΣΩ. καὶ οἱ ἄφρονες, ὡς ἔοικεν. ΚΑΛ. ναί. ΣΩ. προσιόντων δὲ οἱ δειλοὶ μόνον λυποῦνται ἢ καὶ οἱ ἀνδρεῖοι; ΚΑΛ. ἀμφότεροι. ΣΩ. ἆρα ὁμοίως; ΚΑΛ. μᾶλλον ἴσως οἱ δειλοί. ΣΩ. ἀπιόντων δʼ οὐ μᾶλλον χαίρουσιν; ΚΑΛ. ἴσως. ΣΩ. οὐκοῦν λυποῦνται μὲν καὶ χαίρουσιν καὶ οἱ ἄφρονες καὶ οἱ φρόνιμοι καὶ οἱ δειλοὶ καὶ οἱ ἀνδρεῖοι παραπλησίως, ὡς σὺ φῄς, μᾶλλον δὲ οἱ δειλοὶ τῶν ἀνδρείων; ΚΑΛ. φημί. ΣΩ. ἀλλὰ μὴν οἵ γε φρόνιμοι καὶ οἱ ἀνδρεῖοι ἀγαθοί, οἱ δὲ δειλοὶ καὶ ἄφρονες κακοί; ΚΑΛ. ναί. ΣΩ. παραπλησίως ἄρα χαίρουσιν καὶ λυποῦνται οἱ ἀγαθοὶ καὶ οἱ κακοί; ΚΑΛ. φημί. ΣΩ. ἆρʼ οὖν παραπλησίως εἰσὶν ἀγαθοὶ καὶ κακοὶ οἱ ἀγαθοί τε καὶ οἱ κακοί; ἢ καὶ ἔτι μᾶλλον ἀγαθοὶ εἰσιν οἱ κακοί; ΚΑΛ. ἀλλὰ μὰ Δίʼ οὐκ οἶδʼ ὅτι λέγεις. ΣΩ. οὐκ οἶσθʼ ὅτι τοὺς ἀγαθοὺς ἀγαθῶν φῂς παρουσίᾳ εἶναι ἀγαθούς, καὶ κακοὺς δὲ κακῶν; τὰ δὲ ἀγαθὰ εἶναι τὰς ἡδονάς, κακὰ δὲ τὰς ἀνίας; ΚΑΛ. ἔγωγε. ΣΩ. οὐκοῦν τοῖς χαίρουσιν πάρεστιν τἀγαθά, αἱ ἡδοναί, εἴπερ χαίρουσιν; ΚΑΛ. πῶς γὰρ οὔ; ΣΩ. οὐκοῦν ἀγαθῶν παρόντων ἀγαθοί εἰσιν οἱ χαίροντες; ΚΑΛ. ναί. ΣΩ. τί δέ; τοῖς ἀνιωμένοις οὐ πάρεστιν τὰ κακά, αἱ λῦπαι; ΚΑΛ. πάρεστιν. ΣΩ. κακῶν δέ γε παρουσίᾳ φῂς σὺ εἶναι κακοὺς τοὺς κακούς· ἢ οὐκέτι φῄς; ΚΑΛ. ἔγωγε. ΣΩ. ἀγαθοὶ ἄρα οἳ ἂν χαίρωσι, κακοὶ δὲ οἳ ἂν ἀνιῶνται; ΚΑΛ. πάνυ γε. ΣΩ. οἳ μέν γε μᾶλλον μᾶλλον,3 οἳ δʼ ἧττον ἧττον, οἳ δὲ παραπλησίως παραπλησίως; ΚΑΛ. ναί. ΣΩ. οὐκοῦν φῂς παραπλησίως χαίρειν καὶ λυπεῖσθαι τοὺς φρονίμους καὶ τοὺς ἄφρονας καὶ τοὺς δειλοὺς καὶ τοὺς ἀνδρείους, ἢ καὶ μᾶλλον ἔτι τοὺς δειλούς; ΚΑΛ. ἔγωγε.

ソクラテス:ではどうだろう。思慮ある者が苦しんだり喜んだりするのを見たことがあるかね。 カリクレス:あるとも。 ソクラテス:では、どちらがより多く喜び、また苦しむかね。賢明な者たちかね、それとも愚かな者たちかね。 カリクレス:私としては、大した違いはないと思うが。 ソクラテス:だが、それでも十分だ。では、戦争において臆病な男を今までに見たことがあるかね。 カリクレス:当然あるとも。 ソクラテス:ではどうだろう。敵が退却するとき、君にはどちらがより喜んでいるように見えたかね。臆病な者たちかね、それとも勇敢な者たちかね。 カリクレス:私には両方とも喜んでいるように見えた。あるいは、少なくともほぼ同様にね。 ソクラテス:どちらでも大した違いはない。いずれにせよ、臆病な者たちも喜ぶのだね。 カリクレス:大いにね。 ソクラテス:そして愚かな者たちも、どうやらそのようだ。 カリクレス:そうだ。 ソクラテス:では、敵が接近してくるとき、臆病な者たちだけが苦しむのかね、それとも勇敢な者たちもかね。 カリクレス:両方だ。 ソクラテス:同じようにかね。 カリクレス:おそらく、臆病な者たちの方がより多く。 ソクラテス:では、退却するときも、彼らの方がより喜ぶのではないかね。 カリクレス:おそらくね。 ソクラテス:それなら、愚かな者たちも賢明な者たちも、また臆病な者たちも勇敢な者たちも、君が言うようにほぼ同様に苦しみ、また喜ぶが、臆病な者たちの方が勇敢な者たちよりもさらに多くそうするのだね。 カリクレス:その通りだ。 ソクラテス:しかしながら、賢明な者たちや勇敢な者たちは善い人々であり、臆病な者たちや愚かな者たちは悪い人々ではないかね。 カリクレス:そうだ。 ソクラテス:それなら、善い人々も悪い人々もほぼ同様に喜び、また苦しむのだね。 カリクレス:その通りだ。 ソクラテス:それなら、善い人々も悪い人々も、ほぼ同様に善く、また悪いのかね。それとも、悪い人々の方がさらにいっそう善いのかね。 カリクレス:いや、ゼウスにかけて、君が何を言っているのか私には分からないよ。 ソクラテス:善い人々は善いものの現前によって善いのであり、悪い人々は悪いものの現前によって悪いのだと君が言っていたのを知らないかね。そして、善いものとは快楽であり、悪いものとは苦痛であるとも。 カリクレス:知っているとも。 ソクラテス:それなら、喜んでいる人々には善いもの、すなわち快楽が現前しているのだね、彼らが喜んでいるのだとすれば。 カリクレス:当然そうだろう。 ソクラテス:それなら、善いものが現前しているのだから、喜んでいる人々は善い人々だね。 カリクレス:そうだ。 ソクラテス:ではどうだろう。苦しんでいる人々には悪いもの、すなわち苦痛が現前しているのではないかね。 カリクレス:現前している。 ソクラテス:そして、悪いものの現前によって、悪い人々は悪いのだと君は言うのだね。それとも、もはやそうは言わないかね。 カリクレス:言うとも。 ソクラテス:それなら、喜ぶ人々は善い人々であり、苦しむ人々は悪い人々だね。 カリクレス:まさにその通りだ。 ソクラテス:そして、より多く喜ぶ(または苦しむ)人々はより多く(善く、または悪く)、より少なく喜ぶ(または苦しむ)人々はより少なく、ほぼ同様の者はほぼ同様に、だね。 カリクレス:そうだ。 ソクラテス:それなら、賢明な者たちも愚かな者たちも、また臆病な者たちも勇敢な者たちも、ほぼ同様に喜び、また苦しむ、あるいは、臆病な者たちの方がさらにそれ以上にそうする、と君は言うのだね。 カリクレス:言うとも。

構文注3 件
  1. 498νοῦν ἔχοντα

    「思慮(知性)を持つ者」を意味する対格名詞句。前文の παῖδα ἀνόητον(愚かな子供)および ἄνδρα ἀνόητον(愚かな大人)の対比を継承しており、省略された動詞 εἶδες(見たことがあるか)の直接目的語として機能している。

  2. 498ἀπιόντων τῶν πολεμίων

    属格独立構文(absolute genitive)であり、時(「敵が退却するとき」)または状況を表す。後続の προσιόντων(接近するとき)と文法的に対比されている。

  3. 498eοἳ μέν γε μᾶλλον μᾶλλον

    動詞(χαίρωσιν / ἀνιῶνται および ἀγαθοὶ / κακοί εἰσιν)が極端に省略された並列構造。「より多く[喜び/苦しむ]者はより多く[善く/悪い]」という比例的関係を端的に示している。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)urn:cts:greekLit:tlg0059.tlg023.humanitext-grc2:498