- 底本
- Platonis Opera, Tomus III: Tetralogia V-VII. Burnet, John, editor. Oxford: Clarendon Press, 1903.
- 翻訳
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- 言語
- 日本語 · English · 简体中文 · 한국어
- CTS URN
- urn:cts:greekLit:tlg0059.tlg021.humanitext-grc2:286
- 出力
- Humanitext Reader · reader.humanitext.ai · 2026-10-27
ディオニュソドロスは、万物にはそれぞれのあり方に応じた説明があるため反論することは不可能であるという議論を展開し、ソクラテスはこれが「偽りを語ることは不可能である」というプロタゴラス的な説であることを指摘して追及する。
ΣΩ. τί οὖν; ἦ δʼ ὅς· εἰσὶν ἑκάστῳ τῶν ὄντων λόγοι;1 — πάνυ γε. — οὐκοῦν ὡς ἔστιν ἕκαστον ἢ ὡς οὐκ ἔστιν; ὡς ἔστιν. — εἰ γὰρ μέμνησαι, ἔφη, ὦ Κτήσιππε, καὶ ἄρτι ἐπεδείξαμεν μηδένα λέγοντα ὡς οὐκ ἔστι· τὸ γὰρ μὴ ὂν οὐδεὶς ἐφάνη λέγων. — τί οὖν δὴ τοῦτο; ἦ δʼ ὃς ὁ Κτήσιππος· ἧττόν τι ἀντιλέγομεν ἐγώ τε καὶ σύ; — πότερον οὖν, ἦ δʼ ὅς, ἀντιλέγοιμεν ἂν τοῦ αὐτοῦ πράγματος λόγον ἀμφότεροι λέγοντες, ἢ οὕτω μὲν ἂν δήπου ταὐτὰ λέγοιμεν; —συνεχώρει.— ἀλλʼ ὅταν μηδέτερος, ἔφη, τὸν τοῦ πράγματος λόγον λέγῃ, τότε ἀντιλέγοιμεν ἄν; ἢ οὕτω γε τὸ παράπαν οὐδʼ ἂν μεμνημένος εἴη τοῦ πράγματος οὐδέτερος ἡμῶν; —καὶ τοῦτο συνωμολόγει.— ἀλλʼ ἄρα, ὅταν ἐγὼ μὲν τὸν τοῦ πράγματος λόγον λέγω, σὺ δὲ ἄλλου τινὸς ἄλλον, τότε ἀντιλέγομεν; ἢ ἐγὼ λέγω μὲν τὸ πρᾶγμα, σὺ δὲ οὐδὲ λέγεις τὸ παράπαν; ὁ δὲ μὴ λέγων τῷ λέγοντι πῶς ἂν ἀντιλέγοι; καὶ ὁ μὲν Κτήσιππος ἐσίγησεν· ἐγὼ δὲ θαυμάσας τὸν λόγον, πῶς, ἔφην, ὦ Διονυσόδωρε, λέγεις; οὐ γάρ τοι ἀλλὰ2 τοῦτόν γε τὸν λόγον πολλῶν δὴ καὶ πολλάκις ἀκηκοὼς ἀεὶ θαυμάζω—καὶ γὰρ οἱ ἀμφὶ Πρωταγόραν σφόδρα ἐχρῶντο αὐτῷ καὶ οἱ ἔτι παλαιότεροι· ἐμοὶ δὲ ἀεὶ θαυμαστός τις δοκεῖ εἶναι καὶ τούς τε ἄλλους ἀνατρέπων καὶ αὐτὸς αὑτόν —οἶμαι δὲ αὐτοῦ τὴν ἀλήθειαν παρὰ σοῦ κάλλιστα πεύσεσθαι. ἄλλο τι ψευδῆ λέγειν οὐκ ἔστιν;3 —τοῦτο γὰρ δύναται ὁ λόγος· ἦ γάρ; —ἀλλʼ ἢ λέγοντʼ ἀληθῆ λέγειν ἢ μὴ λέγειν; συνεχώρει. πότερον οὖν ψευδῆ μὲν λέγειν οὐκ ἔστι, δοξάζειν μέντοι ἔστιν; οὐδὲ δοξάζειν, ἔφη. οὐδʼ ἄρα ψευδής, ἦν δʼ ἐγώ, δόξα ἔστι τὸ παράπαν. οὐκ ἔφη. οὐδʼ ἄρα ἀμαθία οὐδʼ ἀμαθεῖς ἄνθρωποι· ἢ οὐ τοῦτʼ ἂν εἴη ἀμαθία, εἴπερ εἴη, τὸ ψεύδεσθαι τῶν πραγμάτων;4 πάνυ γε, ἔφη. ἀλλὰ τοῦτο οὐκ ἔστιν, ἦν δʼ ἐγώ. οὐκ ἔφη. λόγου ἕνεκα, ὦ Διονυσόδωρε, λέγεις τὸν λόγον, ἵνα δὴ ἄτοπον λέγῃς, ἢ ὡς ἀληθῶς δοκεῖ σοι οὐδεὶς εἶναι ἀμαθὴς ἀνθρώπων; ἀλλὰ σύ, ἔφη, ἔλεγξον. ἦ καὶ ἔστι τοῦτο κατὰ τὸν σὸν λόγον, ἐξελέγξαι, μηδενὸς ψευδομένου; οὐκ ἔστιν, ἔφη ὁ Εὐθύδημος. οὐδʼ ἄρα ἐκέλευεν, ἔφην ἐγώ, νυνδὴ Διονυσόδωρος ἐξελέγξαι; τὸ γὰρ μὴ ὂν πῶς ἄν τις κελεύσαι; σὺ δὲ κελεύεις; ὅτι, ἦν δʼ ἐγώ, ὦ Εὐθύδημε, τὰ σοφὰ ταῦτα καὶ τὰ εὖ ἔχοντα οὐ πάνυ τι μανθάνω, ἀλλὰ παχέως πως ἐννοῶ. ἴσως μὲν οὖν φορτικώτερόν τι ἐρήσομαι, ἀλλὰ συγγίγνωσκε.
ソクラテス:「『では、どうなのだ』 と彼(ディオニュソドロス)は言った。『存在するもののそれぞれに、説明があるかね?』 『確かにあります』 『それは、それぞれが存在する通りにあるという説明か、あるいは存在しない通りにあるという説明かね?』 『存在する通りにあるという説明です』 『というのも、もし君が覚えているなら』 と彼は言った。『クテシッポスよ、私たちは先ほど、存在しない通りに語る者は誰もいないということを証明したのだからね。なぜなら、存在しないものを語る者は誰も現れなかったのだから』 『では一体、それがどうしたというのだ?』 とクテシッポスは言った。『それで私と君が反論し合っていることが、少しでも減るのかね?』 『それでは』 と彼は言った。『私たち双方が、同じ事柄についての説明を語る場合、私たちは反論し合っていることになるだろうか、それともそのように語るなら、私たちはきっと同じことを語っていることになるだろうか?』 ――彼は同意した。―― 『しかし、どちらの者もその事柄の説明を語らないとき、そのとき私たちは反論し合っているだろうか?それともそのようにしては、およそ私たちのどちらもその事柄を念頭に置いてさえいないだろうか?』 ――彼はこのことにも同意した。―― 『だがそれでは、私がその事柄の説明を語り、君が何か他のものの別の説明を語るとき、そのとき私たちは反論し合っているだろうか?あるいは、私はその事柄を語っているが、君は全く何も語ってさえいないのだろうか?そして、語っていない者が、語っている者に対して、どうして反論し得ようか?』 そこでクテシッポスは黙り込んだ。私はその議論に感嘆して言った。『ディオニュソドロスよ、君はどういう意味で言っているのかね?というのも、私はほかならぬこの議論を、実に多くの人々から何度も聞いており、いつも感嘆しているのだ。プロタゴラスの仲間たちもこれを大いに用いていたし、それよりさらに昔の人々もそうだった。これは私にとって常に驚くべきものに思われ、他者を覆すとともに、自らをも覆すものだ。だが、これについての真理を、君から最も見事に教わることができるだろうと思っている。偽りを語ることは存在しない、ということではないのかね? ――この議論が意味するのはそういうことだ。そうだろう? ――語る者は真実を語るか、さもなくば語らないかのどちらかだ、ということかね?』 彼は同意した。 『それでは、偽りを語ることは存在しないが、偽りの思いを抱くことは存在するのかね?』 『思いを抱くことすら存在しない』と彼は言った。 『では、偽りの思いというものは、およそ存在しないのだね』と私は言った。 『存在しない』と彼は言った。 『では、無知も存在せず、無知な人間も存在しないのだね。それとも、もし無知が存在するとすれば、それは事柄について欺かれていることではないのかね?』 『確かにそうだ』と彼は言った。 『しかし、このようなことは存在しないのだね』と私は言った。 『存在しない』と彼は言った。 『ディオニュソドロスよ、君はこの議論を、ただおかしなことを言うために議論の都合上言っているのか、それとも、人間のうちには無知な者は一人もいないと本当に思っているのかね?』 『いや、君こそ』と彼は言った。『反駁してみたまえ』 『誰も偽りを言っていないのに、君の言う議論に従って、反駁するということが本当に存在するのかね?』 『存在しない』とエウテュデモスが言った。 『では、先ほどディオニュソドロスが反駁せよと命じたのは、何でもなかったのだね』と私は言った。 『存在しないものを、どうして誰かが命じることができようか。ところで、君は命じているのかね?』 『エウテュデモスよ』と私は言った。『私にはこれらの知恵に満ちた立派な事柄がよく理解できず、何とも鈍くしか把握できないのだ。だから、もしかしたら少し無粋な質問をするかもしれないが、許してくれたまえ。』
- 286εἰσὶν ἑκάστῳ τῶν ὄντων λόγοι
ἑκάστῳ は所有の与格。τῶν ὄντων(存在する諸々のもの、現在分詞 ὤν の複数属格)は、部分属格としてこれに依存する。直訳は「存在するもののそれぞれに、説明が存在する」。
- 286bοὐ γάρ τοι ἀλλά
強い肯定的な対比や、驚きを伴う強調を表す慣用的な表現(「なぜなら実のところ〜だからだ」「というのも他ならぬ〜」)。ここでの οὐ は前の文を否定するのではなく、このコロケーション全体で「だが実際には〜」という強い肯定・確認を導入する。
- 286cἄλλο τι ψευδῆ λέγειν οὐκ ἔστιν
ἄλλο τι ἤ (「〜以外の何かがあろうか、いやない」=「〜ということではないのか」)の ἤ が省略された形。二重否定による反語的・確認的な疑問文として機能している。
- 286dτὸ ψεύδεσθαι τῶν πραγμάτων
動名詞化された不定詞 ψεύδεσθαι(誤る、欺かれる)が属格 τῶν πραγμάτων を支配している。これは「事柄から外れる」という分離の属格、あるいは「事柄について誤る」という客観的属格(目的格的属格)の機能を持つ。
