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平和

§248-325

すりこぎの喪失と平和救出への全ギリシアの招集

ポレモスがギリシアの諸都市を研鉢で潰そうと目論む中、障害となるアテナイとスパルタの主導者たち(すりこぎ)の死が報じられる。これを聞いたトリガイオスはギリシアの諸階層の民を呼び集め、洞窟に幽閉された女神『平和』の救出へ向けて団結を促し、コーラスも歓喜の踊りで応じる。

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248

βαβαὶ βαβαιὰξ ὡς μεγάλα καὶ δριμέατοῖσι Μεγαρεῦσιν ἐνέβαλεν τὰ κλαύματα.

おお、なんということだ、メガラの人々に奴はなんと大きな、激しい泣き言を投げ込んだことか!

250

ἰὼ Σικελία καὶ σὺ δʼ ὡς ἀπόλλυσαι.

おおシケリアよ、お前もまた、なんと滅ぼされようとしていることか!

οἵα πόλις τάλαινα διακναισθήσεται.

なんという哀れな都市が粉々にすり潰されようとしていることか!

φέρʼ ἐπιχέω καὶ τὸ μέλι τουτὶ τἀττικόν.

さあ、このアッティカの蜜も注ぎ込むとしよう。

οὗτος παραινῶ σοι μέλιτι χρῆσθἀτέρῳ.

これ、お前、私としては別の蜜を使うようお前に勧めるぞ。

τετρώβολον τοῦτʼ ἐστί· φείδου τἀττικοῦ.

これは4オボロスもするのだ。アッティカの蜜は節約しろ。

255

παῖ παῖ Κυδοιμέ.

おい、おい、キュドイモス!

τί με καλεῖς;

なぜ私をお呼びですか?

κλαύσει μακρά.

手痛い目に遭うぞ!

ἕστηκας ἀργός; οὑτοσί σοι κόνδυλος.

ぼんやり突っ立っているのか?ほれ、お前に拳骨だ。

ὡς δριμύς. οἴμοι μοι τάλας ὦ δέσποτα.

なんと痛いことか!ああ哀れな私、ご主人様。

μῶν τῶν σκορόδων1 ἐνέβαλες ἐς τὸν κόνδυλον;

まさかニンニクをその拳骨の中に混ぜておられたのですか?

οἴσεις ἀλετρίβανον τρέχων;

走ってすりこぎを持ってこないか?

ἀλλʼ ὦ μέλε

ですが、ご主人様、

260

οὐκ ἔστιν ἡμῖν· ἐχθὲς εἰσῳκίσμεθα.

私たちにはありません。昨日引っ越してきたばかりですから。

οὔκουν παρʼ Ἀθηναίων μεταθρέξει ταχὺ πάνυ;

では、大急ぎでアテナイ人のところへ走って行って取ってこないか?

ἔγωγε νὴ Δίʼ· εἰ δὲ μή γε, κλαύσομαι.

ええ、ゼウスにかけて行きますとも。さもないと泣く羽目になりますから。

ἄγε δὴ τί δρῶμεν ὦ πόνηρʼ ἀνθρώπια;

さあ、我々哀れな小人間どもよ、どうしたらよいのだ?

ὁρᾶτε τὸν κίνδυνον ἡμῖν ὡς μέγας·

我々に対する危険がいかに大きいか見えるだろう。

265

εἴπερ γὰρ ἥξει τὸν ἀλετρίβανον φέρων,

もし彼がすりこぎを持って戻ってきたら、

τούτῳ ταράξει τὰς πόλεις καθήμενος.

腰を据えて、それを使って諸都市をかき回してしまうだろうから。

ἀλλʼ ὦ Διόνυσʼ ἀπόλοιτο καὶ μὴ ʼλθοι φέρων.

おお、ディオニュソスよ、あいつが滅びますように、そしてすりこぎを持って戻ってきませんように。

οὗτος.

おい。

τί ἔστιν;

何でしょうか?

οὐ φέρεις;

持ってこないのか?

τὸ δεῖνα2 γὰρ

あの、実は、

ἀπόλωλʼ Ἀθηναίοισιν ἁλετρίβανος,

アテナイ人たちのすりこぎが死んでしまったのです、

270

ὁ βυρσοπώλης, ὃς ἐκύκα τὴν Ἑλλάδα.

あの、ギリシアをかき回していた革鞣し屋が。

εὖ γʼ ὦ πότνια δέσποινʼ Ἀθηναία ποιῶν

でかしたぞ、主なる女神アテナよ、よくぞやってくれた!

ἀπόλωλʼ ἐκεῖνος κἀν δέοντι τῇ πόλει,

あの男が死んだのは、この国にとってまさに必要な時だ、

ἢ πρίν γε τὸν μυττωτὸν ἡμῖν ἐγχέαι.

我々にあのすり鉢料理を注ぎ込む前に。

οὔκουν ἕτερον δῆτʼ ἐκ Λακεδαίμονος μέτει

それなら、大急ぎでラケダイモンからもう一本取ってこないか?

275

ἀνύσας τι;​b ταῦτʼ ὦ δέσποθʼ.

かしこまりました、ご主人様。

ἧκέ νυν ταχύ.

では、早く戻ってこい。

ὦνδρες τί πεισόμεσθα; νῦν ἀγὼν μέγας.

皆さん、我々はどうなるのだろう?今や大いなる戦いだ。

ἀλλʼ εἴ τις ὑμῶν ἐν Σαμοθρᾴκῃ τυγχάνει

もし皆さんのうちに、サモトラケで

μεμυημένος, νῦν ἐστιν εὔξασθαι καλὸν

秘儀に参入した方がいるなら、今こそ、

ἀποστραφῆναι τοῦ μετιόντος τὼ πόδε.3

取りに行っている者の両足が挫かれるよう祈るべき良い時だ。

280

οἴμοι τάλας, οἴμοι γε κἄτʼ οἴμοι μάλα.

ああ哀れな私、ああ、なんと、再び、ああ、大変だ。

τί ἔστι; μῶν οὐκ αὖ φέρεις;

どうした?まさかまた持ってこなかったのか?

ἀπόλωλε γὰρ

実は、死んでしまったのです、

καὶ τοῖς Λακεδαιμονίοισιν ἁλετρίβανος.

ラケダイモン人たちのすりこぎもまた。

πῶς ὦ πανοῦργʼ;

どういうことだ、悪党め?

ἐς τἀπὶ Θρᾴκης χωρία

トラキア方面の地方に

χρήσαντες ἑτέροις αὐτὸν εἶτʼ ἀπώλεσαν.

彼を他に貸し出していたところ、失ってしまったのです。

285

εὖ γʼ εὖ γε ποιήσαντες ὦ Διοσκόρω.

でかした、でかした、よくぞやってくれた、ディオスクロイよ!

ἴσως ἂν εὖ γένοιτο· θαρρεῖτʼ ὦ βροτοί.

もしかすると万事うまくいくかもしれない。元気を出しなさい、死すべき人々よ!

ἀπόφερε τὰ σκεύη λαβὼν ταυτὶ πάλιν·

これらの道具を受け取って、また奥へ運んでいけ。

ἐγὼ δὲ δοίδυκʼ εἰσιὼν ποιήσομαι.

私は中に入って、自分で作ろう。

νῦν τοῦτʼ ἐκεῖνʼ ἥκει τὸ Δάτιδος μέλος,

今こそ、あのダティスの歌がやってきた、

290

ὃ δεφόμενός ποτʼ ᾖδε τῆς μεσημβρίας,

彼がかつて真昼間に自慰をしながら歌ったという、

ὡς ἥδομαι καὶ χαίρομαι κεὐφραίνομαι.

「なんと私は嬉しく、喜び、愉快なことか!」という歌が。

νῦν ἐστιν ἡμῖν ὦνδρες Ἕλληνες καλὸν

ギリシアの皆さん、今こそ我々にとって、

ἀπαλλαγεῖσι πραγμάτων τε καὶ μαχῶν

厄介事や戦いから解放され、

ἐξελκύσαι τὴν πᾶσιν Εἰρήνην φίλην,

すべての人に愛される『平和』を引っ張り出す良い時です、

295

πρὶν ἕτερον αὖ δοίδυκα κωλῦσαί τινα.

他の誰かがまた我々を妨げる前に。

ἀλλʼ ὦ γεωργοὶ κἄμποροι καὶ τέκτονες

さあ、農夫たち、商人たち、大工たち、

καὶ δημιουργοὶ καὶ μέτοικοι καὶ ξένοι

職人たち、在留外人たち、異邦人たち、

καὶ νησιῶται, δεῦρʼ ἴτʼ ὦ πάντες λεῴ,

そして島々の民よ、ここに集まれ、すべての民よ!

ὡς τάχιστʼ ἄμας λαβόντες καὶ μοχλοὺς καὶ σχοινία·

できるだけ早く、鍬や梃子や縄を持って。

300

νῦν γὰρ ἡμῖν ἁρπάσαι πάρεστιν ἀγαθοῦ δαίμονος.4

今こそ我々には、善き神の恵みを奪い取る時なのだから。

δεῦρο πᾶς χώρει προθύμως εὐθὺ τῆς σωτηρίας.

皆、救いに向かって一目散に、熱心にここへ進め!

ὦ Πανέλληνες βοηθήσωμεν, εἴπερ πώποτε,

全ギリシアの皆さん、今こそ助け合いましょう、

τάξεων ἀπαλλαγέντες καὶ κακῶν φοινικικῶν·

戦列や、あの忌まわしい赤い軍服から解放されて。

ἡμέρα γὰρ ἐξέλαμψεν ἥδε μισολάμαχος.

なぜなら、この戦争を嫌う日が輝き出たのだから!

305

πρὸς τάδʼ ἡμῖν, εἴ τι χρὴ δρᾶν, φράζε κἀρχιτεκτόνει·

これに対して我々に、何をなすべきか指示し、監督となってくれ。

οὐ γὰρ ἔσθʼ ὅπως ἀπειπεῖν ἂν δοκῶ μοι τήμερον,

私は今日、諦めることなど到底考えられないのだから、

πρὶν μοχλοῖς καὶ μηχαναῖσιν ἐς τὸ φῶς ἀνελκύσαι

梃子や機械を使って、光の中へ引き出すまでは、

τὴν θεῶν πασῶν μεγίστην καὶ φιλαμπελωτάτην.

あらゆる女神の中で最も偉大で、最も葡萄を愛する女神を。

οὐ σιωπήσεσθʼ, ὅπως μὴ5 περιχαρεῖς τῷ πράγματι

静かにしないか!お前たちがこのことに大喜びして叫び声を上げ、

310

τὸν Πόλεμον ἐκζωπυρήσετʼ ἔνδοθεν κεκραγότες;

中にいる「戦争の神」を再び燃え上がらせないようにするために。

ἀλλʼ ἀκούσαντες τοιούτου χαίρομεν κηρύγματος.

しかし、このような布告を聞いて、私たちは喜んでいるのです。

οὐ γὰρ ἦν ἔχοντας ἥκειν σιτίʼ ἡμερῶν τριῶν.

三日分の食糧を持って来いという命令ではなかったのですから。

εὐλαβεῖσθέ νυν ἐκεῖνον τὸν κάτωθεν Κέρβερον,

それなら、あの下にいるケルベロスに用心せよ、

μὴ παφλάζων καὶ κεκραγὼς ὥσπερ ἡνίκʼ ἐνθάδʼ ἦν,

彼がここにいた時のように、泡を吹き、喚き散らして、

315

ἐμποδὼν ἡμῖν γένηται τὴν θεὸν μὴ ʼξελκύσαι.

我々が女神を引き出すのを妨げないように。

οὔτι καὶ νῦν ἔστιν αὐτὴν ὅστις ἐξαιρήσεται,

一度私の手に渡れば、

ἢν ἅπαξ ἐς χεῖρας ἔλθῃ τὰς ἐμάς. ἰοῦ ἰοῦ.

今や彼女を奪い取れる者など誰もいない。イオー、イオー!

ἐξολεῖτέ μʼ ὦνδρες, εἰ μὴ τῆς βοῆς ἀνήσετε·

皆さん、叫ぶのをやめないと、私は破滅してしまいます。

ἐκδραμὼν γὰρ πάντα ταυτὶ συνταράξει τοῖν ποδοῖν.

彼が飛び出してきて、両足ですべてをめちゃめちゃにかき回してしまうでしょうから。

320

ὡς κυκάτω καὶ πατείτω πάντα καὶ ταραττέτω,

奴にかき回させ、踏みつけさせ、滅茶苦茶にさせるが良い。

οὐ γὰρ ἂν χαίροντες ἡμεῖς τήμερον παυσαίμεθʼ ἄν.

我々は今日、喜ぶのをやめることなどできないのだから。

τί τὸ κακόν; τί πάσχετʼ ὦνδρες; μηδαμῶς πρὸς τῶν θεῶν

一体どうしたというのだ?皆さん、何をしているのだ?神々にかけて、

πρᾶγμα κάλλιστον διαφθείρητε διὰ τὰ σχήματα.

そのような身ぶりのせいで、この素晴らしい企てを台無しにしないでくれ。

ἀλλʼ ἔγωγʼ οὐ σχηματίζειν βούλομʼ, ἀλλʼ ὑφʼ ἡδονῆς

いや、私は身ぶりをしているつもりはないのです。ただ、喜びのあまり、

325

οὐκ ἐμοῦ κινοῦντος6 αὐτὼ τὼ σκέλει χορεύετον.

私が動かしているわけでもないのに、両足が勝手に踊り出してしまうのです。

構文注6 件
  1. 258μῶν τῶν σκορόδων

    ニンニク(σκορόδων)はメガラの主要な特産物。ポレモスの下した拳骨の「辛さ・痛さ(δριμύς)」とニンニクの辛味をかけると同時に、直前にメガラがすり潰されることが予言されたことへの痛烈な地口となっている。

  2. 268dτὸ δεῖνα

    話者が言葉に詰まったり、言いよどんだりするときに用いられる口語的な慣用表現(「あれだよ、あれ」「実は」の意)。ここでは急な悪い知らせを切り出すため、あるいは言葉を濁すために挿入されている。

  3. 278–279εὔξασθαι καλὸν / ἀποστραφῆναι τοῦ μετιόντος τὼ πόδε

    εὔξασθαι καλὸν(祈るのに良い時だ)に、祈りの具体的な内容を表す対格主語付きの不定詞節「ἀποστραφῆναι(向きをそらされること、挫かれること)+主語 τὼ πόδε(双数形、両足)+属格 τοῦ μετιόντος(取りに行く者の)」が続いている。

  4. 300ἀγαθοῦ δαίμονος

    「善き神(アガトス・ダイモーン)」への献酒としての属格。古代アテナイの食事の終わりにワインを一杯注ぐ習慣から転じて、「幸運」「乾杯の機会」を奪い取る、という比喩的な慣用表現を形成している。

  5. 309–310οὐ σιωπήσεσθʼ, ὅπως μή...

    οὐ+未来直説法(οὐ σιωπήσεσθε)による強い命令(「静かにしてくれないか」)に、ὅπως μή+未来直説法(ἐκζωπυρήσετε)による否定の目的・警戒節(「〜しないように」)が接続している構文。

  6. 325οὐκ ἐμοῦ κινοῦντος

    否定辞 οὐκ を伴った属格絶対(genitive absolute)。動詞 χορεύετον の主語は双数名詞である αὐτὼ τὼ σκέλει であるのに対し、踊りの自発的な動きを強調するために「(私の意思で)私が動かしているのではないのに」という譲歩的な分詞句を形成している。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(4 件・最終 2026-09-30)
  • 2026-09-30 表記の統一 — 訳文 3 件
  • 2026-09-21 AI校閲 — 訳文 1 件
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