ガレノス · Galen
病全体の好機について
The Opportune Moments in Diseases as a Whole
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底本
Galen. Claudii Galeni Opera Omnia, Volume 7. Kühn, Karl Gottlob, editor. Leipzig: Knobloch, 1824.
原文データ出典
A Digital Corpus for Graeco-Arabic Studies · CC BY-SA 4.0
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要旨
本作は、ガレノスが病気の進行過程を体系的に分類し、適切な治療を施すべき「好機」を捉えるための医学的指標を提示した著作です。著者は病気の経過を動物の一生に例え、始まり、上昇、極期(アクメー)、減退という4つの病期に区分します。各病期は、体液の未消化と消化(ペプシス)の進展に基づいて定義され、尿や痰などの排泄物の変化が客観的な診断の指標とされます。さらに、極期は単なる一瞬ではなく、医師が介入可能な感覚される時間の幅を持つことが実用的な医療の観点から強調されます。後半では、死に至る不治の病における諸段階や、病気と患者の体力との相対的な関係が分析されます。最終的に、複数の病気が並存する際の主要臓器(脳・心臓・肝臓)の評価方法や、病期に応じた食事療法の原則が示され、空論に陥ることなく実践的な観察に基づき治療を行うことの重要性が説かれます。
目次
7 チャンク
引用方式:chapter
- §1-2
病気全体の四つの病期とその区分の定義
ガレノスは病気の経過を動物の一生に例えて4つの病期に分け、各病期の定義をめぐる諸学説の対立を整理し、特に「始まり」の時期が単なる一瞬ではなく一定の治療可能な時間的幅を持つことをヒポクラテスの引用を用いて論じる。
- §3
排泄物と体液の消化による四つの病期の判定
ガレノスは炎症、発熱、潰瘍における各病期(始まり、上昇、極期、減退)を、体液の未消化と消化の進展に基づいて定義する。また、糞便、尿、痰、眼の分泌物、カタルなどの排泄物の変化が、各病期を客観的に診断するための不可欠な指標であることを解説する。
- §4#1
病気の極期が持つ感覚可能な時間の幅
極期(アくメー)が時間を有するのか瞬時的(時間を有しない)なのかという学説上の論争を、実用主義的な医療の観点から退け、極期やその他の病期は感覚可能な時間の幅を持つことを動物の成熟期や持続熱などの具体例を通じて論じる。
- §4#2
突発的疾患における各病期と知覚の可能性
卒中やてんかんなどの突発的な病気においても、初期の経過時間は存在することを論じ、肝臓の硬化性腫瘍の例を用いて、病気には不可感知な発生期と増悪期があるが、極期と減退期は必ず感覚されるものであることを示す。
- §5
死に至る病気の性質と体力との関係
解消されない(死に至る)病気の二重の性質と、それが死をもたらす三重の仕方を説明し、病気の大きさと患者の体力(自然)の相対関係によって生死が決まることを論じる。
- §6
不解消の病気の諸段階と致命的な兆候
解消されない病気の「時期(諸段階)」について、始まりと増悪期の捉え方を説明し、特に尿や痰などの致命的な兆候、および炎症における極期の決定方法を論じる。
- §7-8
併発疾患の観察と病期に応じた治療原則
複数の病気が並存する際の観察方法(脳・心臓・肝臓という三つの源の評価)を提示し、病気の時期(極期や寛解期)に応じた適切な治療法および食事療法の原則を論じ、不要な多弁に流れたアルキゲネスを批判する。
