デモステネス · Demosthenes
第三十九弁論 ボイオトスへの抗弁 第一演説
Against Boeotus I
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. II, Part 2. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1921.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本作は、古代アテナイの法廷を舞台に、原告マンティテオスが、同じ「マンティテオス」の名を騙る異母兄弟ボイオトスを相手取って、名前の変更を求めた裁判演説です。父親がボイオトスを認知した結果、同じ父親から生まれた二人の息子が同一の名前を持つことになり、公的・私的な混乱が生じていました。原告は、同名であることによって生じる官職の抽選、軍役、裁判、国庫への債務登録といった実務的な不都合や不利益を、具体的な事例を挙げて詳細に告発します。さらに、自分が長男として父親の存命中に正式に「マンティテオス」として先に登録されたという事実を根拠に優先権を主張し、ボイオトスには祖父の名を名乗る資格がないと訴えます。最後に、ボイオトスが過去の訴訟等で自ら「ボイオトス」の名を受け入れていた経緯を指摘し、法と誓いに従って自分に有利な判決を下すよう裁判員に求めます。
目次
6 チャンク
引用方式:section
- §1-8
同姓同名による混乱と提訴の経緯
マンティテオスが、同じ名前を騙る異母兄弟のボイオトスを相手に、名前の変更を求める訴訟を起こした経緯と、同一名を持つことから生じる公的な不都合を説明する。
- §9-15
同姓同名が公私に引き起こす具体的な弊害
原告は、自分と被告が同じ名前を使用することによって公的および私的な場面で生じる具体的な混乱や不利益を、官職の抽選や裁判、国庫への債務登録などを例に挙げて詳細に説明する。
- §16-21
同名による軍務と訴訟の混乱と命名の証拠
マンティテオスは、ボイオトスと同じ名前を持つことで生じる軍事的・法的な実務上の混乱や、私生活における害を具体的に列挙する。そして、父親が自分に自発的に名前を与えた事実を証明する証言を提示し、ボイオトスが父親の生前の決定を不当に覆そうとしていることを非難する。
- §22-28
ボイオトスの虚偽の主張と年齢差の論証
マンティテオスは、ボイオトスが仲裁人の前で行った嘘の主張を論破し、彼が親族として認知される以前に他部族の活動に参加していた事実を指摘します。また、ボイオトスが起こした金銭訴訟の矛盾を突き、彼が自分より年下であることを証明して祖父の名前を名乗る資格がないと主張します。
- §29-34
先行登録に基づく名前の優先権とボイオトスへの戒め
語り手は、自分が父親の存命中に正式に長男「マンティテオス」として先に登録されたことを根拠に名前の優先権を主張し、ボイオトスに対して父親が認知した際の名前(ボイオトス)を維持するよう強く迫るとともに、分をわきまえ中傷活動をやめるよう戒める。
- §35-41
過去の訴訟歴と親の命名権に基づく勝訴の訴え
マンティテオスは、父親が生前に異なる名前で二人を認知した事実と、ボイオトス自身が過去の訴訟でボイオトスという名前を受け入れていた経緯を挙げ、法と誓いに従って自分に有利な判決を下すよう裁判員に求めます。
