デモステネス · Demosthenes
第四弁論 ピリッポス弾劾 第一演説
The First Philippic
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. I. Butcher, S. H., editor. Oxford: Clarendon Press, 1903.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本書は、マケドニア王フィリッポスの台頭という危機に直面したアテナイ市民に対し、迅速な軍事的・財政的行動を促す演説です。著者はまず、過去の怠慢こそが今後の好転への希望の根拠であると語りかけ、市民の主体的な防衛準備を強く要求します。議論の中盤では、不測の事態に迅速に対応するための常設軍(歩兵と騎兵、快速船など)の具体的な兵力構成や、維持に必要な財源と冬営地の確保について現実的な計画を提示します。さらに、アテナイの場当たり的な防衛策を「野蛮人のボクシング」に例えて鋭く批判し、常に後手に回る現状からの脱却を訴えます。最後は、虚妄な噂話に惑わされることなく、市民自らが軍を率いて敵地を直接攻撃し、主体的に国の未来を切り開くべきであると結論づけます。
目次
7 チャンク
引用方式:section
- §1-6
過去の失策を希望とし決起を促す導入
デモステネスはアテナイ市民に向けて、過去の怠慢こそが今後の好転への希望の根拠であると語りかけ、かつてラケダイモン人に勝利した歴史やフィリッポスの弱点を挙げて迅速な行動と準備を促す。
- §7-14
市民の主体的な行動と軍備計画の予告
デモステネスはアテナイ市民に対し、言い逃れをやめて主体的に行動し、軍事的・財政的支援に備えるよう促す。また、フィリッポスの勢力は絶対不変ではないことを強調し、続く議論で具体的な防衛および資金計画を提示することを予告する。
- §15-22
艦隊の即応体制と常設軍編成の提案
デモステネスは、不測の事態に迅速に対応するために必要な50隻の三段櫂船の準備と市民自身の従軍を提案し、さらに常にフィリッポスに打撃を与えるための常設軍(歩兵2000人、騎兵200人、快速船10隻)の具体的な構成を提示する。
- §23-30
遊撃戦のための兵力規模と食費の算定
デモステネスは、提案した小規模な市民主体の軍隊が、正面から対峙するのではなく、まずは遊撃戦によって敵に対抗する現実的なアプローチであることを説明し、維持に必要な食費の算定と財源の提示へと移る。
- §31-36
冬営地と常駐兵力の運用および軍備の制度化
デモステネスは、フィリッポスの行動パターンに基づき、常駐兵力の必要性と冬営地の候補を提示する。また、アテナイの軍事行動が祭礼の準備に比べて遅れをとる原因が、制度と法の不備にあることを指摘する。
- §37-44
後手の対応への批判と市民自らの出撃の要求
アテナイ市民の臨機応変さを欠く準備不足を指摘し、対応が常に遅れている現状を、野蛮人のボクシングに例えて批判する。また、戦争をただ待ち構えるのではなく、市民自身が兵を率いて直接フィリッポスの領土を攻撃することの必要性を訴える。
- §45-51
空しい決議への批判と市民自らの従軍の呼びかけ
デモステネスは実質を伴わない軍隊の派遣やアテナイ市民の怠慢を厳しく批判し、虚妄な噂話に惑わされることなく、フィリッポスの脅威に対して市民自らが出兵し、国のために行動すべきであることを訴える。
