プルタルコス · Plutarch
水と火ではどちらがより有益か
Whether Fire of Water Is More Useful
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底本
Plutarch. Plutarchi Chaeronensis Moralia, Vol. VI. Vernardakēs, Grēgorios N., editor. Leipzig: Teubner, 1895.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本作は、自然を構成する基本元素である「火」と「水」のどちらが人間や生命にとってより有用であるかという古典的な問いを追究する哲学・科学的エッセイです。議論の冒頭では、詩人や思想家の言葉を引用しながら、あらゆる生命の維持に不可欠な存在として水の重要性が強調されます。中盤では、水が航海を通じて文明間の交流を可能にする安全な元素として称賛される一方で、生成と生命維持の真の能動的原理は火(熱)であり、水自体も熱を失えば腐敗するという強力な反論が提示されます。終盤にかけて著者は、水が有用であるためには火が必要とされるのに対し、火はそれ自体で自足的であると論じます。最終的に、火はあらゆる技術の基礎であるだけでなく、夜を照らして活動時間を倍加させ、視覚を通じて天体観測と魂の陶冶をもたらす最も高貴な元素であると結論づけられます。
目次
3 チャンク
引用方式:section
- §1-5
火と水の比較と生命における水の不可欠性
詩人や思想家の言及を引用し、火と水のどちらが優れているかを比較した上で、水があらゆる時と生命に不可欠な存在であるという点を主張する。
- §6-9
水の安全・海洋の利益と火の能動的原理
前半部では、水は自己完結的に安全であり、海洋を通じて文明と交流をもたらすため火よりも有用であると主張されるが、後半部では一転して、火(熱)こそが生成と維持の能動的原理であり、水自体も熱の欠乏によって腐敗して死ぬため、火の方がより有用であるという反論が提示される。
- §10-13
火の自足性と感覚や技術における有用性の優位
著者は、水が有用になるためには火(熱)を必要とするのに対し、火はそれ自体で自足的であることを論じる。さらに、火はあらゆる技術の基礎であり、夜を活動可能にすることで人生の実質的な長さを倍加させ、天体を観察して魂を整えるための視覚を支える最も高貴な元素であると主張する。
