Humanitext Reader

プルタルコス · 不可能な事柄についての選集 §1-52

不可能な事柄と徒労を表す俚諺集

1 / 1 箇所 · ギリシア語

要旨

古典期から伝わる、主に「不可能なこと」や「無駄な骨折り」を比喩的に表現したギリシア語の短い俚諺(ことわざ)の集成。一部に「極めて自然で容易なこと」を表す対比的な表現も含まれる。

§1Κατὰ πετρῶν σπείρεις.
石の上に種をまく。
§2Πλίνθον πλύνεις.
泥煉瓦を洗う。
§3Δικτύῳ ἄνεμον θηρᾷς.
網で風を追う。
§4Εἰς πίθον ἀντλεῖς.
大瓶に水を汲み入れる。
§5Εἰς ὕδωρ γράφεις.
水に文字を書く。
§6Εἰς οὐρανὸν τοξεύεις.
天に向かって矢を射る。
§7Αἰθίοπα σμήχεις.
エティオピア人をこすって洗う。
§8Κοσκίνῳ ὕδωρ ἀντλεῖς.
篩で水を汲む。
§9Νεκρὸν μαστίζεις.
死者を鞭打つ。
§10Εἰς ψάμμον οἰκοδομεῖς.
砂の上に建てる。
§11Εἰς ὕδωρ σπείρεις.
水の中に種をまく。
§12Ἀκίνητα κίνεις.
動かしてはならぬものを動かす。
§13Ἀκίχητα διώκεις.
追いつけぬものを追う。
§14Σίδηρον πλεῖν διδάσκεις.
鉄に泳ぐことを教える。
§15Δελφῖνα νήχεσθαι διδάσκεις.
イルカに泳ぐことを教える。
§16Ἡλίῳ φῶς δανείζεις.
太陽に光を貸す。
§17Κύματα μετρεῖς.
波の数を数える。
§18Ὑπὲρ τὰ ἐσκαμμένα πηδᾷς.
境界線を越えて跳ぶ。
§19Λύκου πτερὸν ζητεῖς.
狼の羽を探す。
§20Τράγον ἀμέλγεις.
雄山羊の乳を搾る。
§21Ἄμμον θαλάσσης κοφίνῳ ζητεῖς μετρεῖν, §22Ἐλαίῳ πῦρ σβεννύεις.
籠で海の砂を量ろうとする、油で火を消す。
§23Αἰγιαλῷ λαλεῖς.
海岸に向かって話す。
§24Λίθῳ διαλέγου.
石に語りかけよ。
§25Ἄνεα πτερῶν ζητεῖς ἵπτασθαι.
羽なしで飛ぼうとする。
§26Φαλακρῷ κτένας δανείζεις.
禿頭の人に櫛を貸す。
§27Τυφλῷ κάτοπτρον χαρίξῃ·
盲人に鏡を贈るだろう。
§28Ἠπειρώτῃ δίκτυα δίδως.
内陸の住人に網を与える。
§29Πρὸς κωφοῖς ἀποπέρδεις.
耳の聞こえぬ人々の前で屁を放つ。
§30Ἄνεμον διώκεις.
風を追いかける。
§31Παρὰ δικτύοις ὕδωρ κομίζεις.
網で水を運ぶ。
§32Ἵππος εἰς λεῖον πεδίον.
平らな野原に向かう馬。
§33Ἀετὸς εἰς θήραν.
狩りに向かう鷲。
§34Ξυρὸς εἰς ἀκόνην.
砥石に向かう剃刀。
§35Σφαῖρα κατὰ πρανοῦς.
坂を下る球。
§36Πῦρ εἰς ἀκάνθας.
茨の中の火。
§37Σπόγγος εἰς ὕδωρ.
水の中の海綿。
§38Ὄρνιθος γάλα ζητεῖς.
鳥の乳を探す。
§39Φακοῦ γωνίαν κάμπτεις.
レンズ豆の角を曲がる。
§40Ὠὸν τίλλεις.
卵の羽をむしる。
§41Θάλασσαν σπείρεις, §42Πλίνθον πλύνεις.
海に種をまく、泥煉瓦を洗う。
§43Κωφῷ ὁμιλεῖς.
耳の聞こえぬ人に話しかける。
§44Τυφλῷ διανεύεις.
盲人に向かって目配せする。
§45Ἀνδριάντα γαργαλίζεις.
彫像をくすぐる。
§46Εἰς τετρημένον πίθον ἀντλεῖς.
穴のあいた大瓶に水を汲み入れる。
§47Ἄστρα τοξεύεις.
星に向かって矢を射る。
§48Πῦρ ἀλείφεις.
火に油を塗る。
§49Κατὰ μαχαιρῶν κυβιστᾷς.
刃の上で宙返りをする。
§50Κοσκίνῳ φέρεις ὕδωρ.
篩で水を運ぶ。
§51Νεφέλας ξαίνεις.
雲をほぐす。
§52Αἰθίοπα λευκαίνεις.
エティオピア人を白くする。

語釈・文法注

  1. §12Ἀκίνητα — 形容詞 ἀκίνητος(動かせない、神聖な)の中性複数対格で、「動かしてはならない墓や伝統、神聖なもの」を指す。
  2. §14πλεῖν — 動詞 πλέω(航行する、泳ぐ)の現在不定詞。沈む性質を持つ鉄(σίδηρον)に対して、泳ぐこと(あるいは航海すること)を教えるという不可能な試みを表す。
  3. §18τὰ ἐσκαμμένα — 動詞 σκάπτω(掘る)の完了受動分詞中性複数対格。競技などで掘られた「境界線」や「溝」を指し、それを超えて跳ぶことから「度を越す」という比喩になる。
  4. §24διαλέγου — デポネント動詞 διαλέγομαι(語り合う、話しかける)の現在命令法2人称単数。本作の他の一連の文(直説法2人称単数)と異なり、明示的な命令形となっている。
  5. §25Ἄνεα — 前置詞 ἄνευ(〜なしに、属格支配)の誤記または異形と考えられ、πτερῶν(羽)に係る。
  6. §32Ὄππος εἰς λεῖον πεδίον — §32から§37までは動詞が省略された名詞句で、ある対象(馬、鷲、剃刀など)がそれに最も適した場所や状態に置かれる「極めて自然な成り行き」を表現している。

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AIによる草稿訳である旨と閲覧日を添えてください。

訳文・注・要旨はAIによる草稿で、読者の指摘により改訂されています。