- 底本
- Terence. Publii Terentii Comoediae Sex. Parry, Edward St. John, editor. London: Whittaker and Co.; George Bell, 1857.
- 翻訳
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- 言語
- 日本語 · English · 简体中文 · 한국어
- CTS URN
- urn:cts:latinLit:phi0134.phi006.humanitext-lat2:882-945b
- 出力
- Humanitext Reader · reader.humanitext.ai · 2026-10-27
デメアは奴隷のシルスやゲタに愛想よく振る舞い始め、息子のエスキネスのために、ミキオの家と花嫁の家の壁を取り壊して合併させる。さらにデメアはミキオに、花嫁の母親である年老いた未亡人と結婚するよう強引に迫る。
Si id fit dando atque obsequendo, non posteriores feram.
デメア:もしそれが、与えることや従うことによってなされるのなら、私は後れを取るつもりはない。
Deerit. Id mea minime refert qui sum natu maximus.1
金は足りなくなるだろうが、最年長である私にはどうでもよいことだ。
Heus, Demea, rogat frater ne abeas longius.
シルス:おい、デメアさん、旦那が、遠くへ行かないでくれと言っていますよ。
Quis homo? O Syre noster salve: quid fit? quid agitur?
デメア:誰かね?おお、わがシルスよ、ごきげんよう!どうかね?調子は?
Recte.
シルス:順調です。
Optime est. Iam nunc haec tria primum addidi
デメア:(独り言)素晴らしい。今、私の本性に反して、まずこれら三つの言葉を付け加えたぞ。
Praeter naturam: "O noster! quid fit? quid agitur?"
「わがシルス!どうかね?調子は?」とな。
Servum haud illiberalem praebes te; et tibi
(シルスに)お前は実に立派な奴隷の態度を見せている。お前のために、
Libens bene faxim.2
喜んで何か良いことをしてやりたいものだ。
Gratiam habeo.
シルス:ありがとうございます。
Atqui, Syre,
デメア:いや、シルスよ、
Hoc verum est; et ipsa re experiere propediem.
これは本心だ。近いうちに身をもってそれを知るだろう。
Hera, ego huc ad hos provisam quam mox virginem
ゲタ:(独り言)奥様、お嬢様をいつお迎えに来るか、こちらの様子を見に行きましょう。
Arcessant: sed eccum Demeam. Salvus sies.
おや、デメア様だ。ごきげんよう。
O, qui vocare?
デメア:おお、名前は何と言ったかね?
Geta.
ゲタ:ゲタです。
Geta, hominem maximi
デメア:ゲタよ、お前がこの上なく価値のある
Preti te esse hodie animo iudicavi meo:
男だと、今日私は心の中で判断したのだ。
Nam is mihi profecto est servus spectatus satis
というのも、主人のことを気にかける奴隷こそ、
Cui dominus curae est, ita uti tibi sensi, Geta:
私にとって確かに十分に信頼できる奴隷なのだ。ゲタよ、お前がそうであると私は感じた。
Et tibi ob eam rem, si quid usus venerit,
それゆえお前に対しても、何か機会があれば、
Libens bene faxim. Meditor esse affabilis;
喜んで良いことをしてやろう。(独り言)愛想よくすることを練習しているのだ。
Et bene procedit.
そして、実によくうまくいっている。
Bonus es quum haec existimas.
ゲタ:そう思ってくださるとは、ご親切に。
Paulatim plebem primulum facio meam.
デメア:(独り言)少しずつ、まずは庶民を私の味方に引き入れているぞ。
Occidunt me quidem dum nimis sanctas nuptias
エスキヌス:(独り言)彼らはあまりにも厳格な結婚式をしようとして、私をいらいらさせる。
Student facere: in apparando consumunt diem.
準備のために一日を費やしているのだ。
Quid agitur, Aeschine?
デメア:どうしたね、エスキネス?
Ehem, pater mi, tu hic eras?
エスキヌス:おや、父さん、ここにいらしたのですか?
Tuus hercle vero et animo et natura pater,
デメア:そうだとも、心においても本性においても、本当にお前の父親だ。
Qui te amat plus quam hosce oculos: sed cur non domum
この目よりもお前を愛している父親だ。だが、なぜ花嫁を家に
Uxorem arcessis?
迎え入れないのだ?
Cupio: verum hoc mihi morae est;
エスキヌス:そうしたいのですが、これが遅れている原因なのです。
Tibicina, et Hymenaeum qui cantent.
笛の奏者や、婚礼歌を歌う人たちのせいで。
Eho,
デメア:おい、
Vin tu huic seni auscultare?
お前はこの老人の言うことを聞く気はあるか?
Quid?
エスキヌス:何をですか?
Missa haec face,
デメア:そんなものは放っておきなさい。
Hymenaeum, turbas, lampadas, tibicinas;
婚礼歌も、人だかりも、松明も、笛の奏者たちもな。
Atque hanc in horto maceriam iube dirui,
そして、庭にあるこの石壁を大急ぎで取り壊させなさい。
Quantum potest; hac transfer; unam fac domum;
できる限り早く。そこから連れてくるのだ。家を一つにしなさい。
Traduce et matrem et familiam omnem ad nos.
母親も、召使いたち全員も、私たちの家へ移らせるのだ。
Placet,
エスキヌス:それはいいですね、
Pater lepidissime.
最高に素敵なお父さん!
Euge! iam lepidus vocor.3
デメア:(独り言)よし!もう「素敵(lepidus)」と呼ばれたぞ。
Fratri aedes fient perviae: turbam domum
弟の家は通り抜けられるようになり、多くの人が押し寄せ、
Adducet; sumtum admittet; multa. Quid mea?
出費がかさみ、いろいろなことが起きるだろう。それが私に何の関係がある?
Ego lepidus ineo gratiam. Iube nunc iam
私は「素敵な人」として感謝されるのだ。今すぐ、
Dinumeret illi Babylo viginti minas.
あのバビロに彼のために20ミナを支払うよう命じるがよい。
Syre, cessas ire ac facere?
(シルスに)シルス、すぐに行ってやらないのか?
Quid ago?
シルス:何をすればいいのですか?
Dirue.
デメア:取り壊すのだ。
Tu illas abi et traduce.
(エスキネスに)お前は行って、彼女たちを連れてきなさい。
Di tibi, Demea,
エスキヌス:神々があなたに、デメアお父さん、
Bene faciant quum te video nostrae familiae
恵みを与えてくださいますように、あなたが私たちの家族のために
Tam ex animo factum velle.
これほど心から尽くしてくださるのを見て。
Dignos arbitror.
デメア:お前たちはそうされるに値すると思っている。
Quid ais tu?
エスキヌス:どうですか?
Sic opinor.
デメア:そう思うよ。
Multo rectius est
あの産婦を、病身のまま
Quam illam puerperam nunc duci huc per viam
通りを通って連れてくるよりは、ずっとこちらのほうが
Aegrotam.
いいだろう。
Nihil enim vidi melius, mi pater.
エスキヌス:これ以上の名案は見たことがありません、お父さん。
Sic soleo: sed eccum Micio egreditur foras.
デメア:私はいつもそうさ。おや、ミキオが外に出てくるぞ。
Iubet frater? ubi is est? Tun iubes hoc, Demea?
ミキオ:兄さんが命じたと?彼はどこだ?お前がこれを命じたのか、デメア?
Ego vero iubeo et in hac re et aliis omnibus
デメア:そうだとも、私はこのことにおいても、他のすべてのことにおいても命じるのだ。
Quam maxime unam facere nos hanc familiam,
私たちの家族をできるだけ完全に一つにし、
Colere, adiuvare, adiungere.
敬い、助け合い、結びつけることをな。
Ita quaeso, pater.
エスキヌス:どうぞ、そうしてください、お父さん。
Haud aliter censeo.
ミキオ:私も異存はない。
Immo hercle ita nobis decet.
デメア:いや、まさにそれが私たちにふさわしいのだ。
Primum huius uxoris est mater.
まず、この子の妻の母親がいる。
Quid postea?
ミキオ:それがどうした?
Proba et modesta.
デメア:立派で慎み深い女性だ。
Ita aiunt.
ミキオ:そう言われているね。
Natu grandior.
デメア:かなり高齢だ。
Scio.
ミキオ:知っている。
Parere iam diu haec per annos non potest;
デメア:彼女は年齢的にもうずっと前から子供を産むことはできない。
Nec qui eam respiciat quisquam est: sola est.
また、彼女を気遣う者も誰もいない。孤独なのだ。
Quam hic rem agit?
ミキオ:(独り言)こいつは何を企んでいるのだ?
Hanc te aequum est ducere; et te operam ut fiat dare.
デメア:この人を、お前が妻に迎えるのが当然だ。そしてそれが実現するように努めるべきだ。
Me ducere autem?
ミキオ:私が妻に迎えるだと?
Te.
デメア:お前だ。
Me?
ミキオ:私が?
Te inquam.
デメア:お前だと言っているのだ。
Ineptis.
ミキオ:馬鹿げている。
Si tu sis homo,4
デメア:(エスキネスに)もしお前が一人の人間なら、
Hic faciat.
こいつにそうさせるのだ。
Mi pater.
エスキヌス:お父さん。
Quid? tu autem huic, asine, auscultas?
ミキオ:何だと?お前まで、この間抜けの言うことを聞くのか?
Nihil agis:
デメア:無駄な抵抗だ。
Fieri aliter non potest.
他に方法はないのだ。
Deliras.
ミキオ:正気か。
Sine te exorem, mi pater.
エスキヌス:お願いですから、説得させてください、お父さん。
Insanis: aufer.
ミキオ:お前たちはおかしいぞ。やめなさい。
Age da veniam filio.
デメア:さあ、息子に免じて聞き入れてやりなさい。
Satin sanus es? ego
ミキオ:お前は本当に正気か?私が、
Novus maritus anno demum quinto et sexagesimo
65歳にもなって、今さら
Fiam, atque anum decrepitam ducam? Idne estis auctores mihi?
新郎になり、よぼよぼの老婆を娶るというのか?お前たちは私にそれを勧めているのか?
Fac: promisi ego illis.
エスキヌス:お受けください。私が彼らに約束してしまったのです。
Promisti autem? de te largitor, puer.
ミキオ:約束しただと?自分で気前よく分け与えるがよい、小僧め。
Age; quid si quid te maius oret?
デメア:さあ。もしこの子がもっと大変なことを頼んだらどうする?
Quasi non hoc sit maximum.
ミキオ:まるでこれが最大のことではないかのようだな。
Da veniam.
デメア:聞き入れてやりなさい。
Ne gravere.
エスキヌス:嫌がらないでください。
Fac promitte.
デメア:約束してやりなさい。
Non omittis?
ミキオ:しつこいぞ、やめないのか?
Non, nisi te exorem.
エスキヌス:いいえ、あなたを説得するまではやめません。
Vis est haec quidem.
ミキオ:これはもう脅迫だな。
- 883qui sum natu maximus
主格関係代名詞 qui の先行詞は、前文の id mea minime refert における所有形容詞 mea(私の)に内包されている一人称単数の意味上の主語「私」である。そのため、関係節内の動詞 sum が一人称単数になっている。
- 889bene faxim
faxim は古風あるいは喜劇的な完了接続法(fecerim に相当)の一人称単数形。ここでは、親切な振る舞いをしたいという「話者の望み・意志(希求接続法)」を表している。
- 913biam lepidus vocor
lepidus はテレンティウスなどの喜劇で好まれる形容詞で、「気の利いた、素敵な、洗練された」を意味する。厳格だったデメアが息子の望みを叶えたことで、一転して「最高のお父さん(pater lepidissime)」と褒めそやされたことを自嘲気味に、また作戦の成功を喜んで反芻している。
- 936fSi tu sis homo
sis は接続法現在(仮定・条件)、faciat は主節の接続法現在(命令・意思)。「もしお前が一人の人間(一人前の男)であるなら、こいつ(ミキオ)にそうさせる(結婚させる)のだ」という促し。
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)・修正履歴(1 件・最終 2026-09-22)
- 2026-09-22 AI校閲 — 原文 1 件
