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パイドン

§76

イデアの存在と魂の出生前存在の同等性

ソクラテスは、感覚を契機に忘れ去られた知識を取り戻す行為が「学ぶこと(想起)」であると定義する。その上で、美や善などの「本質(イデア)」の存在と、人間の魂が生まれる前に存在していたこととは、分かちがたく同等の必然性で結ばれていることを論証する。

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§76

ΦΑΙΔ. δυνατὸν γὰρ δὴ τοῦτό γε ἐφάνη, αἰσθόμενόν τι ἢ ἰδόντα ἢ ἀκούσαντα ἤ τινα ἄλλην αἴσθησιν λαβόντα ἕτερόν τι ἀπὸ τούτου ἐννοῆσαι1 ὃ ἐπελέληστο, ᾧ τοῦτο ἐπλησίαζεν ἀνόμοιον ὂν ἢ ᾧ ὅμοιον·2 ὥστε, ὅπερ λέγω, δυοῖν θάτερα, ἤτοι ἐπιστάμενοί γε αὐτὰ γεγόναμεν καὶ ἐπιστάμεθα διὰ βίου πάντες, ἢ ὕστερον, οὕς φαμεν μανθάνειν, οὐδὲν ἀλλ’ ἢ ἀναμιμνῄσκονται οὗτοι, καὶ ἡ μάθησις ἀνάμνησις ἂν εἴη. καὶ μάλα δὴ οὕτως ἔχει, ὦ Σώκρατες. πότερον οὖν αἱρῇ, ὦ Σιμμία; ἐπισταμένους ἡμᾶς γεγονέναι, ἢ ἀναμιμνῄσκεσθαι ὕστερον ὧν πρότερον ἐπιστήμην εἰληφότες ἦμεν; οὐκ ἔχω, ὦ Σώκρατες, ἐν τῷ παρόντι ἑλέσθαι. τί δέ; τόδε ἔχεις ἑλέσθαι, καὶ πῇ σοι δοκεῖ περὶ αὐτοῦ; ἀνὴρ ἐπιστάμενος περὶ ὧν ἐπίσταται ἔχοι ἂν δοῦναι λόγον ἢ οὔ; πολλὴ ἀνάγκη, ἔφη, ὦ Σώκρατες. ἦ καὶ δοκοῦσί σοι πάντες ἔχειν διδόναι λόγον περὶ τούτων ὧν νυνδὴ ἐλέγομεν; βουλοίμην μεντἄν, ἔφη ὁ Σιμμίας· ἀλλὰ πολὺ μᾶλλον φοβοῦμαι μὴ αὔριον τηνικάδε οὐκέτι ᾖ ἀνθρώπων οὐδεὶς ἀξίως οἷός τε τοῦτο ποιῆσαι. οὐκ ἄρα δοκοῦσί σοι ἐπίστασθαί γε, ἔφη, ὦ Σιμμία, πάντες αὐτά; οὐδαμῶς. ἀναμιμνῄσκονται ἄρα ἅ ποτε ἔμαθον; ἀνάγκη. πότε λαβοῦσαι αἱ ψυχαὶ ἡμῶν τὴν ἐπιστήμην αὐτῶν; οὐ γὰρ δὴ ἀφ’ οὗ γε ἄνθρωποι γεγόναμεν. οὐ δῆτα. πρότερον ἄρα. ναί. ἦσαν ἄρα, ὦ Σιμμία, αἱ ψυχαὶ καὶ πρότερον, πρὶν εἶναι ἐν ἀνθρώπου εἴδει, χωρὶς σωμάτων, καὶ φρόνησιν εἶχον. εἰ μὴ ἄρα ἅμα γιγνόμενοι λαμβάνομεν, ὦ Σώκρατες, ταύτας τὰς ἐπιστήμας· οὗτος γὰρ λείπεται ἔτι ὁ χρόνος. εἶεν, ὦ ἑταῖρε· ἀπόλλυμεν δὲ αὐτὰς ἐν ποίῳ ἄλλῳ χρόνῳ; — οὐ γὰρ δὴ ἔχοντές γε αὐτὰς γιγνόμεθα, ὡς ἄρτι ὡμολογήσαμεν — ἢ ἐν τούτῳ ἀπόλλυμεν ἐν ᾧπερ καὶ λαμβάνομεν; ἢ ἔχεις ἄλλον τινὰ εἰπεῖν χρόνον; οὐδαμῶς, ὦ Σώκρατες, ἀλλὰ ἔλαθον ἐμαυτὸν οὐδὲν εἰπών. ἆρ’ οὖν οὕτως ἔχει, ἔφη, ἡμῖν, ὦ Σιμμία; εἰ μὲν ἔστιν ἃ θρυλοῦμεν ἀεί, καλόν τέ τι καὶ ἀγαθὸν καὶ πᾶσα ἡ τοιαύτη οὐσία, καὶ ἐπὶ ταύτην τὰ ἐκ τῶν αἰσθήσεων πάντα ἀναφέρομεν, ὑπάρχουσαν πρότερον ἀνευρίσκοντες ἡμετέραν οὖσαν,3 καὶ ταῦτα ἐκείνῃ ἀπεικάζομεν, ἀναγκαῖον, οὕτως ὥσπερ καὶ ταῦτα ἔστιν, οὕτως καὶ τὴν ἡμετέραν ψυχὴν εἶναι καὶ πρὶν γεγονέναι ἡμᾶς· εἰ δὲ μὴ ἔστι ταῦτα, ἄλλως ἂν ὁ λόγος οὗτος εἰρημένος εἴη; ἆρ’ οὕτως ἔχει, καὶ ἴση ἀνάγκη ταῦτά τε εἶναι καὶ τὰς ἡμετέρας ψυχὰς πρὶν καὶ ἡμᾶς γεγονέναι, καὶ εἰ μὴ ταῦτα, οὐδὲ τάδε;

パイドン:「というのも、何かを知覚した人、すなわちそれを見たり聞いたり、あるいは他の何らかの感覚を得た人が、そのことから、自分が忘れていた別の何かで、この知覚されたものがそれに近づいているようなもの(似ていないにせよ似ているにせよ)を思い浮かべるということは、確かに可能であると示されたからです。したがって、私が言うように、二つのうちどちらか一方になります。私たちはそれらを知った状態で生まれ、全員がそれらを生涯を通じて知っているか、あるいはその後で、私たちが『学ぶ』と言っている人々は、想起している以外の何ものでもなく、学ぶことは想起することであるか、のどちらかです。」 「『そして、ソクラテス、全くその通りです』と(シミアスは言った)。」 「『それでは、シミアスよ、君はどちらを選ぶかね?私たちが知っている状態で生まれたという方か、それとも、かつてあらかじめ知識を獲得していた事柄を、後になって想起する方か?』」 「『ソクラテス、今のところは選ぶことができません。』」 「『では、これはどうだね?これについては選ぶことができるし、どう思われるかね?知っている人は、自分が知っている事柄について説明を与えることができるだろうか、それともできないだろうか?』」 「『大いに不可避です』と彼は言った、『ソクラテス。』」 「『では、今しがた私たちが話していた事柄について、すべての人が説明を与えることができると君には思われるかね?』」 「『そうあってほしいものですが』とシミアスは言った、『むしろ、明日の今頃には、もう人間の中にこれを十分に成し遂げられる者が誰もいなくなっているのではないかと、大いに恐れています。』」 「『それなら、シミアスよ』と彼は言った、『すべての人がそれらを知っているとは、君には思われないのだね?』」 「『決してそうは思いません。』」 「『それなら彼らは、かつて学んだことを想起しているのだね?』」 「『不可避です。』」 「『私たちの魂は、いつそれらの知識を獲得したのだろうか?私たちが人間になってからではないことは確かだが。』」 「『確かに違います。』」 「『それなら、それより前だ。』」 「『はい。』」 「『それなら、シミアスよ、魂は人間のかたちをとる前にも、肉体とは離れて存在しており、知性を持っていたのだね。』」 「『ソクラテス、私たちが生まれると同時にこれらの知識を獲得するのでない限りは、です。というのも、この時間だけがまだ残されていますから。』」 「『よろしい、友よ。では、私たちはそれらを他のどの時間に失うのだろうか? ――というのも、私たちがそれらを持った状態で生まれるのではないことは、今しがた合意したばかりだからだ―― それとも、私たちが獲得するまさにその時に失うのだろうか?それとも、君は何か他の時間を言うことができるかね?』」 「『決してできません、ソクラテス。私は自分でも気づかないうちに無意味なことを言っていました。』」 「『それなら、シミアスよ』と彼は言った、『私たちの状況は次のようになっているのではないかね?もし私たちがいつも口にしているもの、すなわち美や善、そしてそのような本質(ウーシア)のすべてが存在し、私たちが感覚から得られるすべてのものをそこへと連れ戻し、それがあらかじめ存在しており、私たちのもの(本来備わっているもの)であることを見出して、それら感覚のものをあの本質に似せているのだとすれば、それら(本質)が存在するのとまったく同様に、私たちの魂も私たちが生まれる前から存在していることが不可避である。しかし、もしこれらが存在しないのだとすれば、この議論は無駄に語られたことになるのではないかね?実際のところ、そうなのかね?これらが存在することと、私たちが生まれる前に私たちの魂が存在することとは同等の必然性があり、もしこれらがないなら、魂も存在しない、ということでよいかね?』」

構文注3 件
  1. 76aδυνατὸν γὰρ δὴ τοῦτό γε ἐφάνη, αἰσθόμενόν τι ἢ ἰδόντα ἢ ἀκούσαντα ἤ τινα ἄλλην αἴσθησιν λαβόντα ἕτερόν τι ἀπὸ τούτου ἐννοῆσαι

    非人称的に用いられている動詞 ἐφάνη(〜であることが明らかになった)の実質的な主語は、名詞句として機能する不定詞句 ἕτερόν τι ... ἐννοῆσαι(別の何かを思い浮かべること)であり、δυνατόν はその述語形容詞。この不定詞 ἐννοῆσαι の意味上の主語は、対格の分詞 αἰσθόμενον, ἰδόντα, ἀκούσαντα, λαβόντα によって表されている。

  2. 76aᾧ τοῦτο ἐπλησίαζεν ἀνόμοιον ὂν ἢ ᾧ ὅμοιον

    関係代名詞 ᾧ(与格)の先行詞は直前の ἕτερόν τι(忘れていた別の何か)であり、ἐπλησίαζεν(近づいていた)の目的語。主語 τοῦτο は、直前の αἰσθόμενόν τι(知覚した何か)を指す。後半の ᾧ ὅμοιον も関係節 ᾧ [ὅμοιον ὂν ἐπλησίαζεν] の省略であり、先行詞は同じく ἕτερόν τι を指す。

  3. 76eὑπάρχουσαν πρότερον ἀνευρίσκοντες ἡμετέραν οὖσαν

    分詞 ἀνευρίσκοντες(見出す)の補語(述語的分詞)として ὑπάρχουσαν(あらかじめ存在していること)および οὖσαν(〜であること)が対格で置かれている。ἡμετέραν(私たちのもの)は οὖσαν の述語であり、「(その本質が)あらかじめ存在しており、私たちの本来の所有物であることを見出す」という意味を表す。

翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)urn:cts:greekLit:tlg0059.tlg004.humanitext-grc2:76