オリゲネス · Origen
『申命記』注記断片(カテナ所収)
Annotations on Deuteronomy (fragments from Catenae)
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底本
Origenes. Origenis Opera Omnia, Volume 7 (Patrologia Graeca, Tomus 17). La Rue, Charles de, editor; La Rue, Charles Vincent de, editor. Paris: J. P. Migne, 1857.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
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要旨
本作は、旧約聖書の『申命記』の様々な箇所に対して、古代の教父たちが施した注解を編纂した断片集(カテネ)です。ここでは、神が人間に適応される謙遜な姿や、モーセからヨシュアへの指導権継承に見られるキリスト論的な予型など、聖書の記述に潜む深い意味が探求されます。また、鳥類に関する食物規定や戦争のルール、民法上の禁止事項といった旧約の具体的な掟が、道徳的な悪徳の回避や新約聖書の教えに基づく霊的・寓意的な解釈(アレゴリー)へと昇華されています。さらに、律法の呪いや祝福に関する議論を通じて、文字通りの理解を超えた、教会の信仰生活や異端との対比における真の意義が明らかにされます。旧約の律法がキリスト教の文脈でどのように霊的に再解釈されるかを示す、貴重な神学的文献です。
目次
10 チャンク
引用方式:chapter.verse
- §1.7
父のように人を育てる神の適応と遜り
申命記1章31節の「人がその子を養う(運ぶ)ように」という箇所について、アキュラスの解釈と、オリゲネスの『エレミヤ書説教』からの引用(神が人間に対して教師や父親のように遜り適応されること)を提示している。
- §3.18-3.27
モーセの入国拒絶とヨシュアへの継承の予型
モーセがヨルダン川の手前の部族に命じた件、およびモーセが約束の地に入るのを禁じられた理由と、イエス(ヨシュア)への権能継承の型が論じられる。
- §4.12
言葉の声を聴くことの二重の意味と十戒
申命記4章12節の「言葉の声」という記述に対し、精神による観照(思考を聴くこと)と、肉体的な聴覚(声を受け取ること)の二つの解釈を提示し、さらに十戒のみが石板に直接書かれたものであることを説明する。
- §14.19
清浄な鳥と汚れた鳥が象徴する人間の悪徳
申命記の鳥類に関する規定を引用し、高く飛ぶ鳥や貪欲な鳥を、高慢や貪欲、他者への加害といった悪徳に染まった人々の象徴として解釈する。
- §20.5-20.13
戦いの規定と平和の提案に関する霊的解釈
申命記20章の戦いの規定について、伝令の呼びかけや「平和の提案」を新約聖書や使徒の教えを用いて霊的に注解する。
- §22.6
母鳥と雛を同時に捕ることを禁じる規定の理由
申命記の「母鳥を子と一緒に取ってはならない」という掟について、母親を失うと子らが自活できなくなるためであると説明する。
- §23.3-23.14b
異民族の受け入れ規定と陣営の清浄さの解釈
申命記23章のモアブ人・アモン人とエドム人・エジプト人の扱いの差違、および陣営内での衛生的な掟とその霊的・キリスト論的な解釈が論じられている。
- §24.12
石臼の質入れ禁止と命の転義的表現の解釈
申命記24章6節の石臼の質入れ禁止規定について、石臼や血が「命」と呼ばれるのは、それら自体が魂なのではなく生存に不可欠な手段だからであるという転義的解釈を示す。
- §27.15-27.26
申命記の呪いに関する霊的解釈と割礼の徒
申命記27章の呪いに関する各節について、教会の入信段階や異端の誘惑を示すものとして霊的・寓意的に釈義し、最後に割礼の徒が律法を全うできずに呪いの下にあることを示す。
- §33.6
モーセによるルベンの祝福とヤコブの呪い
モーセがルベンに対して与えた祝福について、ヤコブがかつて彼に与えた呪いと比較しつつ、兄弟ヨセフの命を救ったルベンの善行に照らして、その祝福の正当性を解説している。
