エウクレイデス · Euclid
カノンの分割
Division of the Canon
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底本
Euclid. Musici scriptores Graeci. Jan, Karl von, editor. Leipzig: Teubner, 1895.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
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要旨
本作は、音程の関係を数論的な比率として扱い、単弦琴(カノン)の上に音階を割り当てる理論的・数論的アプローチを示した古代ギリシアの音楽理論書です。導入部では、音の高さが運動の頻度に由来することを示し、協和音を倍数比や超一分比(エピモリオス比)として定義します。中盤では、幾何学的な証明形式を用いて、オクターブ(2:1)、5度(3:2)、4度(4:3)、全音(9:8)といった主要な音程の数論的関係を詳細に導出し、「オクターブは6つの全音より小さい」ことなどを証明します。結末部では、これらの数学的関係に基づき、単弦琴の上に「不動の組織」の固定音や可動音を比例配分によって目盛る具体的な手順を説明します。厳密な数学的手法により、音楽の感覚的な調和を理論的に裏付ける構成となっています。
目次
5 チャンク
引用方式:section
- §pr-3
音の運動比と協和音の比例的性質
『カノーンの分割』の導入部、および第1命題から第3命題まで。音の発生が運動の周波数や密度の比に由来することを示し、協和音が倍数比または超一分比(エピモリオス比)であるべきこと、およびこれら比率の数学的・数論的性質を証明する。
- §4-5
音程の結合と二倍比音程の分解
倍数比でない音程を二度合わせても倍数比や超一分比にならないこと(命題4)と、二度合わせても倍数比にならない音程はそれ自体も倍数比ではないこと(命題5)を示し、さらに2倍比の音程がヘミオリオス(3:2)とエピトリトス(4:3)から構成されること(命題6)を二通りの方法で証明する。
- §7-11
音程比の加減と協和音の比率の分類
本チャンクでは、音程比の合成と分割に関する数学的証明が提示され、1オクターブ(二倍)と5度(ヘミオリオス)から1オクターブ半(三倍)が生じること、5度から4度(エピトリトス)を引くと全音(エポグドオス)が残ること、そして全音6つが1オクターブより広いことが示される。さらに、オクターブ、4度、5度の音程がそれぞれ倍数比、超一分比であることの証明が続く。
- §12-17
主要な協和音程の比と全音の性質および調律
オクターブ(ディ・ア・パソーン)が2倍比であり、五度と四度がそれぞれ3:2(ヘミオリオス)と4:3(エピトリトス)であることを証明し、全音が9:8(エポグドオス)であることを導く。また、オクターブが6全音より小さいこと、四度や五度が全音と半音の組合せより小さいこと、全音の不可分性を示し、最後に協和音程を用いた具体的な音律の決定法(リカーノスやパラネーテーの取得)を説明する。
- §18-20
ピュクノンの非等分と単弦琴上の音程配分
§18では、パリュパテーとトリーテーがピュクノンを二等分しないことが証明される。§19と§20では、単弦琴(カノン)の上に「不動の組織」の恒常音(固定音)と可動音をそれぞれ比例配分によって目盛る具体的な手順が示される。
