リュシアス · Lysias
第二弁論 コリントス戦争の援軍として斃れた戦士への葬礼弁論
Funeral Oration
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Lysias. Lamb, W.R.M., editor. Cambridge, MA: Harvard University Press; London: William Heinemann Ltd., 1930.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0540.tlg002.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 5 件・原文 2 件を修正
AI校閲 2026-10-12:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳の修正なし
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 7 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、国家のために命を捧げたアテナイの戦死者たちを追悼し、その不滅の徳を称える演説です。演説は、アマゾン族の撃退やテーバイ遠征における遺体回収といった神話的時代のアテナイの正義と、地生え(オートクトニア)という高貴な出自から説き起こされます。続いて、民主政のもとで団結したアテナイ人が、マラトンの戦いやサラミスの海戦などのペルシア戦争において、ギリシア全体の自由のために果たした偉大な犠牲と勝利の歴史が熱く語られます。さらに、近年の民主政復興やコリントス戦争に至るまで、彼らが一貫して正義のために戦い抜いたことが示されます。結末では、遺された親族の深い悲しみへの共感と彼らを支える市民の義務が説かれ、死を克服して不死の栄誉を得た戦死者たちへの祝福と哀悼をもって締めくくられます。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §1-8
演説の前置きとアマゾン撃退および戦死者の埋葬
語り手は、戦死者の徳を称える演説の準備期間が短いことの必然性を説き、国家の配慮を示す。そしてアテナイの祖先たちの偉業を讃えるため、古のアマゾンたちの襲撃と敗北、およびテーバイ遠征における死者の埋葬拒否に立ち向かったアテナイの正義について語り始める。
- §9-18
ヘラクレスの遺児の保護とアテナイ人の起源
アテナイ人がテーバイ遠征での死者をエレウシスに埋葬して正義を貫いたこと、またエウリュステウスに追われるヘラクレスの子供たちを救うためにペロポネソス軍と戦って勝利したこと、そしてアテナイ人の地生えという高貴な出自と民主政の確立について語る。
- §19-27
マラトンの戦いとペルシアの再遠征
アテナイが法と言論による民主政を基盤とする中、ペルシア王の50万の大軍がマラトンに上陸する。アテナイの祖先たちは同盟国を待たず、単独で多数の敵に立ち向かい劇的な勝利を収め、その後のクセルクセス王によるさらなる大遠征の始まりが語られる。
- §28-38
クセルクセスの侵攻とサラミス海戦の決意
クセルクセス率いるペルシア大軍のギリシア侵攻に対し、アテナイはアルテミシオン海戦へ、スパルタはテルモピュライの戦いへと赴き、スパルタが全滅した後にアテナイは祖国を空にしてサラミスへと避難し、不退転の決意でサラミス海戦に臨む。
- §39-49
サラミス海戦の勝利とギリシアの覇権掌握
サラミス海戦でのアテナイの驚異的な活躍と、その後のプラタイアイの戦いにおける彼らの貢献、さらに戦後のギリシア世界での覇権獲得とアイギナやコリントスとの戦いの始まりについて叙述されている。
- §50-61
ミュロニデスの勝利と七十年の海上覇権
アテナイが不在の隙を狙ったコリントス軍を、アテナイに残った老人と若者の部隊がミュロニデスの指揮下で撃退した功績を称え、さらにアテナイの70年にわたる海上覇権とその後の敗戦によるギリシア全体の没落を振り返る。
- §62-71
民主政再建とコリントス戦争の戦没者への追悼
ペイライエウスの戦いで民主政のために戦い、アテナイを再建した戦死者たちと、在留外邦人の功績を称え、さらにコリントス戦争で同盟国のために戦死した者たちの美徳を追悼する。
- §72-81
遺族への慰めと戦没者の不朽の栄誉
遺された親たちや子供たちの深い悲しみを描写し、彼らを支える責任が市民にあることを説く。また、死の本性を論じた上で、美徳のゆえに不死の栄誉を得た戦死者たちの死を祝福しつつ、伝統に則り哀悼を捧げるべきことを論じている。
