底本
Septuaginta. The Old Testament in Greek According to the Septuagint. Volume 2: I Chronicles-Tobit. Swete, Henry Barclay, editor. Cambridge: Cambridge University Press, 1896.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
要旨
本作は、アッシリアの捕囚期における敬虔なユダヤ人トビトとその家族の苦難と救いを描いた物語である。ニネベに暮らすトビトは、慈善を施しながらも失明し、一方メディアのサラは悪霊によって夫たちを失うという悲劇に見舞われ、ともに神に死を祈る。彼らの祈りに応えて遣わされた天使ラファエルは、素性を隠してトビトの息子トビアの旅に同行する。トビアは旅の途中で巨大な魚を捕らえて薬とし、サラと結婚して悪霊を退け、父の資産を回収する。帰郷したトビアが魚の胆汁で父の目を治すと、ラファエルは正体を明かして天に帰る。最後は、トビトによる神への賛美とエルサレム復興の預言、そして次世代の平安が語られて物語は幕を閉じる。
目次
14 チャンク
引用方式:chapter.verse
- §1.1-1.22
トビトの系譜と捕囚地での敬虔と迫害
敬虔な義人トビトの系譜と捕囚期における苦難、およびアッシリア宮廷での栄枯盛衰を描く。トビトは捕囚の身でありながら神の掟と慈善の業を守り抜くが、死者埋葬の罪で追われ、後に甥アヒアハロスの取りなしでニネベに帰還する。
- §2.1-2.14
同胞の埋葬とトビトの失明および妻アンナとの口論
トビトは我が家に戻って五旬節を祝おうとするが、同胞の死体遺棄を知って葬る。その後、壁の雀の糞により失明し、生活を支える妻アンナが賃仕事で得た子山羊をめぐって、二人は口論となる。
- §3.1-3.17
トビトとサラの嘆願と神による聞き届け
トビトは偽りの非難に苦しみ、神に死を求めて祈る。一方、メディアのエクバタナでは、サラも悪霊に夫たちを殺されたことで嘲りを受け、同じく神に祈る。二人の祈りは大いなるラファエルの前で聞き届けられる。
- §4.1-4.21
息子トビアへの遺訓と預託された銀の告知
死を覚悟したトビトは息子のトビアを呼び、メディアに預けた銀の件を伝える。その際、母親への孝行、寛大な施し、同胞との結婚、誠実な労働、祈りと神への敬畏など、生きる上での包括的な徳行の勧告を息子に授ける。
- §5.1-5.22
同行者ラファエルとの出会いとトビアの旅立ち
トビアはトビトから手形と指示を受け取り、メディアへの旅の同行者を探しに出かけ、天使ラファエル(アザリアと名乗る)と出会う。トビトは彼を同行者として雇い、息子を旅に送り出すが、母親のアンナは息子の身を案じて嘆く。
- §6.1-6.18
巨大な魚の捕獲とサラとの婚姻の勧め
トビアとラファエルは旅の途中で巨大な魚を捕らえ、その臓器が魔除けや病気治療の薬となることを知る。ラファエルはトビアに、親戚の娘サラとの婚姻を勧めるが、トビアは彼女に取り憑いた悪霊を恐れる。
- §7.1-7.17
ラグエルによる歓迎とトビアとサラの婚姻契約
トビアはエクバタナのラグエルの家に到着し、親族として温かく迎えられ、娘サラとの結婚を正式に申し入れて契約を交わす。
- §8.1-8.21
悪魔の追放と婚礼の祈りと祝宴
トビアはラファエルの指示に従って悪魔を追い払い、サラと共に神への熱心な祈りを捧げる。一方、トビアの死を懸念したラグエルは墓を用意するが、無事を確認して神を賛美し、十四日間の婚礼の祝宴を催す。
- §9.1-9.6
ラファエルによる預託金の回収とガバエルの婚礼出席
トビアはラファエルに、預かり証を持ってメディアのガバエルのところへ行き、銀を回収して彼を婚礼に招くよう依頼する。ラファエルは任務を果たし、ガバエルを伴って婚礼の席に戻る。
- §10.1-10.12
両親の嘆きとサラを伴うトビアの帰郷の旅立ち
トビアの帰りが遅いことをトビト夫妻が心配して嘆く一方、トビアは婚礼期間が終了すると同時に帰郷を強く希望し、ラグエルから財産と娘サラを託されて出発する。
- §11.1-11.19
トビトの治癒とトビアの帰郷の祝宴
トビアはニネベへ戻る旅の途上で、ラファエルの助言に従い、先に家へ急いで父の目の治療に備える。家に着いたトビアが魚の胆汁を塗ると、父トビトの目は治り、一家は喜びのうちにトビアとサラの婚礼を祝う。
- §12.1-12.22
大天使ラファエルの正体の顕現と昇天
トビトとトビアがラファエルに報酬を支払おうとすると、彼は自身が七人の御使いの一人であるラファエルであることを明かし、神のわざを称え、感謝を捧げるように命じて天へと上っていく。
- §13.1-13.18
トビトの賛歌とエルサレムの復興の預言
トビトは散らされたイスラエルの人々に対し、神の正義と憐れみをたたえて感謝をささげるよう促し、将来のエルサレムの光栄ある再建を予言する祈りをささげる。
- §14.1-14.15
トビトの遺言とメディア移住およびその死
トビトは死の前に息子トビアスに遺言を与え、ニネベの滅亡とエルサレムの復興を予言してメディアへ移住するよう促す。トビト夫妻の死後、トビアスはメディアで長寿を全うし、ニネベの滅亡を見届けて世を去る。
