底本
Aristotle. Aristotelis Opera, Volume 1. Bekker, Immanuel, editor (Academia Regia Borussica). Berlin: Reimer, 1831. Transcribed by Humanitext from the page images.
原文データ出典
Humanitext Project · CC BY 4.0
Humanitext Project が底本の頁画像から翻刻し、継続的に校正・更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 3 件・原文 2 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 5 件
最終更新:2026-10-09・変更履歴の一覧
要旨
本書は、夢がどのようなメカニズムで生じ、魂のどの部分に属するのかを科学的・生理学的な観点から探究した論考です。著者アリストテレスはまず、夢が思考や判断ではなく、感覚能力(特に表象能力である「ファンタシアー」)に属することを示します。次いで、感覚器官が刺激を受けた後に生じる「運動の残存」という生理的現象を、視覚の残像や鏡の例などを用いて説明し、感情や病気によって知覚の誤りが生じる仕組みを明らかにします。最終的に、睡眠中に外部からの刺激が減少することで、体内に残存していた運動が感覚の根源へと集まり、それがイメージとして現れるプロセスとして夢を定義します。夢の発生プロセスと、夢を見ない人の身体的要因までを体系的に論じた作品です。
目次
5 チャンク
引用方式:chapter
- §1
夢が属する魂の能力と表象機能
夢が魂のどの部分に属するかについて、感覚能力と思い(判断)の関係から検討し、夢が感覚能力に、それも表象能力(構想力)である限りにおいて属することを示す。
- §2#1
感覚器官における刺激後の運動の残存
アリストテレスは、感覚器官が受動した後の「運動の残存」という物理的・生理的なメカニズムを、投射物や熱の伝播、視覚の残像、鏡に生じる月経の影響を例に挙げて説明する。
- §2#2
残存する感覚印象と内的状態による知覚の誤り
アリストテレスは、鏡、ワイン、香油の例から、感覚器官が対象に作用を及ぼし感覚印象が残存することを示し、さらに感情や病気などの内的状態によって人間が容易に知覚的な誤りを犯す仕組みを、支配的な判断能力とイメージ提示能力の不一致から説明する。
- §3#1
睡眠中に残存運動が感覚の根源へ集まる機序
睡眠中に生じる夢のメカニズムが説明され、外部刺激が減少する夜間に感覚の運動が身体の根源へと集まることで、様々なイメージが夢として現れるプロセスが、川の渦巻きや水中の物体の例えを用いて論じられている。
- §3#2
夢の定義と夢を見ない原因
アリストテレスは、夢が覚醒時の感覚の残存物から生じる幻象であり、睡眠状態特有のものであると定義する。また、夢を見ない人の原因が身体内の熱や気の運動の激しさにあることを説明する。
