アリストテレス · Aristotle
聞こえるものについて
On Things Heard
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Aristotle. Aristotelis Opera, Volume 6. Bekker, Immanuel, editor. Oxford: Oxford University Press, 1837.
原文データ出典
Open Greek and Latin · CC BY-SA 4.0
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0086.tlg004.1st1K-grc1
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 1 件・原文 16 件を修正
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 17 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、人間や動物の声、および楽器の音がどのように発生し、伝播し、様々に変化するのかを物理学的・解剖学的な視点から探究した科学的・哲学的論考です。はじめに、空気の運動や打撃と、肺や気管などの身体器官の構造との関連から、音や声が発生する基本的なメカニズムを説明します。続いて、発声器官の湿気や乾燥、形状が声の質に及ぼす影響を論じ、聴覚の認識メカニズムにも言及します。さらに、角笛やアウロスといった楽器の素材や状態が音の響きに与える物理的影響を分析します。後半では、音の硬軟、かすれ、太さ、細さなどの様々な声の性質を、呼気の量や気管の状態から詳細に究明します。最終的に、吃音の原因などの具体的な現象を身体的・物理的条件から包括的に解き明かして締めくくられます。
目次
7 チャンク
引用方式:section
- §1-10
音と声の発生原理と空気の運動
音や声が発生するメカニズムについて、空気の運動や打撃、ならびに肺や気管、口などの身体器官の構造との関連から論じている。
- §11-20
発声器官の構造と声の伝達および聴覚の遠近
長い首や不均一な気管、器官の湿気や乾燥が声に与える影響を論じる。また、音が空気を伝わる仕組みと、絵画の遠近法に似た聴覚の遠近認識について説明する。
- §21-31
音の分節による声の明瞭さと明るさの要因
個々の音の正確な分節が声の明瞭さを生み出すこと、そして息の密度と緊張が声の明るさを生み出すことを論じる。
- §32-42
楽器の素材と構造が音の響きに与える影響
角笛やアウロスなどの楽器において、素材の硬さ、乾燥度、均一さ、加熱処理、さらにリードの湿り気が音の明瞭さと響きに与える影響を、木材や青銅像の物理的伝導を例に挙げながら解説する。
- §43-53
音の硬軟と粗さを生じさせる空気の打撃
音が硬くなる原理について、物理的現象や様々な器具、人間の発声器官(肺と気管)を例にとり、音の硬軟が空気への打撃の勢いや楽器の構造・素材に依存することを示すとともに、声のかすれが空気への打撃の分裂によって生じることを説明する。
- §54-64
呼気の量による声の細さと太さの原因
やすりや液体の動きを例に引きながら、声の「細さ」が呼気の少なさに起因することを説明し、次いで、連続する打撃や協和音(シンフォニア)が一つに聞こえる聴覚のメカニズムを解説した上で、呼気の量や気管の状態によって生じる声の「太さ」の原因を究明している。
- §65-74
澄んだ声とひび割れた声の特徴および吃音の原因
澄んだ声やひび割れた声、また息の混じり方による声の性質の違いを物理的器具の類比から説明し、吃音の原因が息の強さによる舌の運動切り替えの困難さにあることを論じている。
