底本
Platonis Opera, Tomus II: Tetralogia III-IV. Burnet, John, editor. Oxford: Clarendon Press, 1910.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0059.tlg014.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 7 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、ソクラテスと若きアルキビアデスによる、神への祈りと「最善の知識」をめぐる対話篇である。神殿へ祈りに向かうアルキビアデスに対し、ソクラテスは、人間が何が本当に自分にとって有益であるかを知らずに祈ることの危険性を指摘する。対話のなかで、歴史上の事例や詩人の言葉を引きつつ、愚かさの本質や、最善の知識(有益さの知識)を欠いたまま特定の専門技術や博識を所有することが、かえって個人や国家に破滅をもたらすことが示される。さらに、神々は高価な生贄よりも、魂の正義や慎み深い祈りを好むという神託の逸話が語られる。最終的にアルキビアデスは、何が本当に良いものであるかを識別する知識を得るまで祈りを保留することに同意し、ソクラテスに感謝の冠を授けて対話は幕を閉じる。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §138-139
祈りにおける慎重さと愚かさや狂気の定義
ソクラテスとアルキビアデスは、神への祈りとその慎重さについて対話し、愚かさと狂気が同一であるか、また病気の性質について議論を始める。
- §140-141
愚かさの種類と無知な祈りが招く危険
ソクラテスは病気や職人の類比を用いて、愚かさの中にも様々な度合いや名前(狂気、愚鈍、お人好しなど)があることを説明し、無知な祈りがもたらす危険性をアルケラオスと彼の愛人の歴史的事例を挙げてアルキビアデスに警告する。
- §142
望みの実現が招く災禍と詩人の祈り
ソクラテスは、将軍職や子供を熱望したことで不幸に陥ったアテナイ市民らの事例を引き合いに出し、何が有益かを知らずに祈ることの危険性を指摘する。そして、無知な友人たちのために良きものを求め、災いを遠ざけるようゼウスに祈った賢い詩人の言葉を引用する。
- §143-144
無知がもたらす善と最善の知識の必要性
ソクラテスは、特定の状況における特定の人物にとっては無知(親の識別ができないこと等)が善となり得ることを、ペリクレスやオレステスの例を用いてアルキビアデスに納得させる。さらに、最善についての知識を欠いたまま他の諸知識を所有することは、かえって所有者に害をもたらすことが多いという議論へと進む。
- §145
専門知識と最善の知識を欠く国家の弊害
ソクラテスは、適切な時に適切な対象に対して技術を使用する「最善のものの知識」を欠いたまま、各種の専門技術(軍事、殺害、乗馬、競技など)や政治的弁論術のみを所有している国家は、思慮深いとは言えず、むしろ有害になり得ることを指摘する。
- §146-147
最善の知識を欠く多識の害と詩句の解釈
ソクラテスとアルキビアデスは、最善についての知識(有益さの知識)を欠いたまま諸技術や博識のみを重んじる国家や個人は混乱と破滅に至ることを合意し、さらにホメロスのマギテースに関する詩句の解釈を通じて、最善の知識を欠いた多識がいかに有害であるかを論じる。
- §148-149
祈りの危険性とアンモンの神託
ソクラテスは、不用意な祈りが災いをもたらす危険性を指摘し、簡素で慎み深い祈りを捧げるラケダイモン人を神々がアテナイ人よりも好んだというアンモンの神託の逸話を語る。
- §150-151
魂の正義の重視と祈りの延期および冠の授与
ソクラテスとアルキビアデスは、神は外的な供物よりも魂の正義を重んじるという点で合意し、正しい知識を得るまで祈りと生贄を延期することを決める。アルキビアデスはソクラテスに感謝の冠を授け、ソクラテスはそれを吉兆として受け取る。
