デモステネス · Demosthenes
第五十四弁論 コノン弾劾
Against Conon
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. III. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1931.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本作は、アテナイの市民アリストンが、被告コノンとその息子たちから受けた暴力行為に対して正義を求める法廷弁論(演説)です。原告アリストンは、守備任務中に始まったコノンの一家からの嫌がらせと、その後にアゴラで起きた凄惨な暴行事件の詳細な経緯を、医師や目撃者の証言を交えて陪審員に訴えかけます。被告側が事件を「若気の至り」として軽視しようとするのに対し、アリストンは法が暴力を厳しく禁じている意義を説いて反論します。さらに原告は、コノンが仲裁手続きを不当に引き延ばし、偽証者を動員して罪を逃れようとしている実態や、彼の不道徳な過去を暴いていきます。最後にアリストンは、厳粛な誓いとともに被告の不道徳性を糾弾し、陪審員に対して厳正な裁きを下すよう求めて弁論を締めくくります。
目次
6 チャンク
引用方式:section
- §1-6
提訴の経緯と守備隊での嫌がらせ
アリストンはコノンから受けた暴行と、それに対する告訴の経緯を陪審員に説明する。まず、守備任務中にコノンの息子たちから受けた執拗な嫌がらせと襲撃事件について語り始める。
- §7-12
アゴラでの暴行と重態の経緯
原告は、コノンの息子クテシアスらから夜のアゴラで受けた執拗かつ凄惨な暴行事件の経緯と、その後直ちに浴場やメイディアスの家に運ばれた顛末、および瀕死の重態に陥った病状について、関係者や医師の証言を用いて詳しく立証する。
- §13-20
若気の至りとする弁明への反駁と法の趣旨
原告は、被告コノンが今回の暴行事件を若者の「悪ふざけ」や「若気の至り」として過小評価し、裁判を笑い話に持ち込もうとする弁明を予測して反論する。さらに、法律が些細な罵り合いや暴行から殺人に発展するのを防ぐために各種の訴訟を設けている意義を説き、コノンの蛮行を笑って済ますべきではないと主張する。
- §21-28
コノンの悪質性と仲裁手続きにおける遅延工作
原告アリストンは、年長者でありながら暴行を主導したコノンの著しい悪質性を指摘し、彼の行為が暴行罪や追剥罪に該当することを説く。さらに、コノンが仲裁手続きを深夜まで引き延ばした上で、証拠の封印を防ぐために土壇場で奴隷の拷問による証言を要求した不当性を暴露する。
- §29-37
奴隷引き渡しの忌避とコノン側の偽証
コノンが起訴後も拷問のための奴隷引き渡しを行わなかったこと、および彼が提出した証人たちの証言が飲み仲間による明らかな偽証であることを暴き、彼らの不道徳な実態を非難する。
- §38-44
コノンの偽誓への警告と原告の誓言による結審
原告はコノンが法廷で行うであろう破廉恥な誓いと彼の不道徳な過去を暴露し、自ら正しい誓いを立てた上で、裁判員たちに正義の裁きを求める。
