デモステネス · Demosthenes
第五十一弁論 三段櫂船奉仕役への冠について
On the Trierarchic Crown
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Demosthenes. Orationes, Vol. III. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1931.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0014.tlg051.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳の修正なし
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、古代アテナイにおける三段櫂船の装備義務(トリエラルキア)を巡り、その功績を称える「冠」の授与を要求する法廷弁論です。話し手は、自分が誰よりも早く装備を完了させて国家への義務を果たしたとして、戴冠の権利を主張します。一方で、義務を放置したまま弁論家を雇って権利を主張する競合相手や、その公的義務(レイトゥルギア)を他者に安価で下請けに出していた不正を暴露し、厳しく糾弾します。このような富裕層の怠慢と私利私欲の追求が、市民の安全や国家の防衛を脅かしていることを陪審員に警告します。最後に、相手側の共同弁護人の不合理な態度を批判し、公的義務の名誉を守るために厳格で公正な判決を下すよう陪審員に訴えかけています。
目次
3 チャンク
引用方式:section
- §1-8
最速の船装備による受冠の権利と相手の下請け行為の告発
話し手は、自分が最初に三段櫂船を装備した者として戴冠される権利があると主張し、装備を放置して弁論家を雇った競合相手の不当性を暴く。さらに、競合相手が三段櫂船の職務(レイトゥルギア)を他者に安価で下請けに出していた事実を指摘し、過去の先例を持ち出して彼らを厳しく糾弾する。
- §9-15
下請けをめぐる処罰の不公平と公衆への被害
語り手は、トリエラコス職を下請けに出して義務を怠る富裕層が処罰を免れ、一方で困窮した水夫が厳しく処罰される不公平さを批判します。さらに、下請けを隠れ蓑にした私利私欲の追求が市民の安全を脅かし、不法行為を助長していることを指摘して陪審員たちの警戒を促します。
- §16-22
変節した弁護人たちの告発と公正な判決の要求
演説者は、かつて告発者であったにもかかわらず報酬のために被告らを弁護する共同弁護人たちの二面性と不合理を厳しく批判する。そして、アテナイ市民に対し、不届きな弁論家たちの貪欲によって公的な義務や名誉が損なわれないよう、毅然とした判決を下すよう勧告する。
