デモステネス · Demosthenes
第四十六弁論 ステパノス弾劾 第二演説
Against Stephanos II
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Demosthenes. Orationes, Vol. III. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1931.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
要旨
本作は、アポロドロスが亡父パシオンの遺言書に関して、偽証を行ったとされるステファノスを追及する法廷弁論である。原告のアポロドロスは、ステファノスが遺言書の作成や開封の場に居合わせていないにもかかわらずその写しを本物と証言した行為を、伝聞証言に関する法的な制限を用いて厳しく批判する。さらに、父パシオンの死と解放奴隷フォルミオンの市民権獲得の時系列の矛盾から遺言書自体が偽造であると指摘し、父にはそのような遺言を遺す法的権利がそもそもなかったことを論証する。また、真相究明のための女奴隷の拷問(バサノス)による検証を相手方が拒んだ事実を証拠として提示する。結末に向けては、女相続人の所有手続きを怠ったフォルミオンの不法性と、これに加担して遺言書を偽造したステファノスの罪を改めて追及し、被告の有罪を訴える。
目次
4 チャンク
引用方式:section
- §1-8
遺言書に関するステファノスの偽証と証拠法
アポロドロスは、ステファノスがパシオンの遺言書の作成や開封に立ち会っていないにもかかわらず、その写しを本物と証言したのは偽証であると主張する。また、提示要求(プロクレーシス)と言い逃れる相手に対し、伝聞証言や不在者証言(エクマルトゥリア)に関する法的な制限を解説して反論する。
- §9-14
当事者証言の禁止と遺言書の偽造
アポロドロスは、フォルミオンが自身の偽証を隠すために証人を利用したことを、当事者の証言を禁じる法律等を用いて指摘する。さらに、父パシオンが亡くなった時期とフォルミオンが市民権を得た時期の矛盾から、遺言そのものが偽造されたものであることを論じる。
- §15-21
パシオンの遺言作成権の否認と奴隷拷問の拒否
アポロドロスは、父パシオンが嫡出子である自分たちの存在や、市民権付与に伴う制限、および妻に対する法的権限の不在から、そもそもフォルミオンへの遺言を作成する法的な権利を持っていなかったことを論じ、フォルミオンが母を正式な婚約前におとしめていた疑惑について女奴隷の拷問による検証を拒んだ証拠を提示する。
- §22-28
女相続人の裁定手続きとフォルミオンの不法性
アポロドロスは、相続人たる娘(女相続人)の所有には法的な審査手続きが必要であったことを指摘し、手続きを怠ったフォルミオンの不法性と、その遺言書を偽造したステファノスの罪を追及する。
