デモステネス · Demosthenes
第四十弁論 ボイオトスへの抗弁 第二演説
Against Boeotus II
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. II, Part 2. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1921.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
本弁論は、アテナイの市民マンティテオスが、異母兄弟であるボイオトスらを相手に、亡き母の持参金の返還を求めて起こした裁判の訴訟演説です。原告のマンティテオスは、相手方の母がかつて偽誓を用いて父を騙し、ボイオトスらを不当に一族に登録させたという複雑な家族の背景から語り始めます。父の死後に発生した財産分割と持参金を巡る対立において、相手方が名前の不一致などを口実にして返還を拒んでいることに対し、原告は自らの母の婚姻と持参金の正当性を証拠によって証明します。さらに原告は、相手方が過去に自作自演の怪我で自分をアレイオス・パゴスに虚偽告訴したことや、亡き父を不当に中傷して訴訟を遅延させようとしている欺瞞に満ちた態度を厳しく暴露します。最後にマンティテオスは、自身の娘の持参金を確保するために父の遺産である家を守る正当性を訴え、陪審員に対して証拠に基づいた公正な判決を強く要求します。
目次
8 チャンク
引用方式:section
- §1-9
異母兄弟による迫害の訴えと父母の婚姻背景
原告(マンティテオス)は、異母兄弟たちから受けた不当な仕打ち(遺産の強奪、祖屋からの追放、母の持参金の差し押さえ)を訴え、裁判員に好意的な審理を求めるとともに、両親の結婚と出生に関する背景を語り始めます。
- §10-16
プランゴンの偽誓と遺産分割後の持参金紛争
マンティテオスは、プランゴンが偽誓を用いて父を騙し、ボイオトスらをフラトリアに登録させた経緯を語る。その後、父の死に伴い財産分割が行われたが、持参金を巡って対立が生じ、現在に至る訴訟の経緯が説明される。
- §17-23
名義の不一致の口実と外祖父の財産の実態
原告は、相手方が名前の不一致を口実にして持参金の返還を拒んでいると非難し、相手方の祖父の財産状況から、相手方の反論が虚偽であることを証明しようとします。
- §24-31
母の持参金の正当性と相手側の仲裁への弁明の反駁
話者は自身の母が正当な持参金を伴って結婚したことの証拠をその家系から立証し、対立相手の主張の矛盾を暴くとともに、過去の仲裁結果を不服とする相手の弁明が不当であることを論じる。
- §32-38
相手側の悪質な虚偽告訴の暴露と結審の訴え
原告は、被告が「訴訟を好まない人間」であるどころか、かつて自作自演の怪我によりアレイオス・パゴスに原告を虚偽告訴し、原告の官職資格審査を妨害するなど、執拗な嫌がらせを行ってきたことを暴露する。そして、ミュティレネ関連の別件の不当な告訴にも触れた後、制限時間内に被告の数々の悪行と法廷闘争への執着を証明し、被告の言い逃れを拒絶するよう陪審員に求める。
- §39-47
確定した仲裁の破棄の試みと亡父への不敬な中傷
原告は、過去の確定した仲裁を無視して新たな任意の仲裁を要求する被告の欺瞞的な態度を暴き、その訴訟遅延工作を非難する。さらに、被告が自己の正当性を主張するために亡き実父を不当に中傷していることを指摘し、その不敬な態度が血のつながりのなさを自ら証明していると陪審員に訴えかける。
- §48-55
亡父への中傷の不当性と経済的負担の不均衡
原告は、相手方が亡き父を中傷する不条理さを非難し、両者の実生活における経済的負担の不均衡を証拠を交えて説明し、陪審員に対して証拠のない虚偽の主張に惑わされないよう強く求めます。
- §56-61
娘の持参金の確保と相手側証言の虚偽の暴露
原告は、自身の娘の持参金を確保するために、父親の遺産である家を確保することの正当性を訴える。また、被告側が提出したクリトンの証言やティモクラテスの証言が極めて疑わしく欺瞞に満ちていることを暴露し、裁判員に対して法に則った公正な判決を求める。
