デモステネス · Demosthenes
第二十七弁論 アポボス弾劾 第一演説
Against Aphobus I
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底本
Demosthenes. Orationes, Vol. II, Part 2. Rennie, W., editor. Oxford: Clarendon Press, 1921.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0014.tlg027.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
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反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 11 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
デモステネスが自身の不実な後見人アポボスを相手取り、遺産横領の罪を告発するためにアテナイの法廷で行った、最初期の代表的な法廷弁論です。原告デモステネスは、若くして父を亡くした自身に代わって財産を管理すべきであった後見人たちが、いかにして莫大な遺産を食いつぶしたかを詳細に明かします。弁論の前半では、父が遺した工房、奴隷、象牙などの原材料といった詳細な財産目録と評価額を提示し、自身が最高額の納税義務者であったことを証明します。中盤では、アポボスが母親の持参金を着服し、工房の収益や原材料を隠匿した事実を、具体的な数字と証拠を挙げて暴露します。さらに、「父が隠し資産を遺した」というアポボス側の不誠実な弁解を鋭く論破していきます。結末において、デモステネスは自身が被った経済的困窮を訴え、もし敗訴すれば市民権すら失いかねない過酷な状況にあることを主張して、裁判員に正義と同情に満ちた判決を懇願します。
目次
9 チャンク
引用方式:section
- §1-7
後見人アポボスによる遺産横領の告発
デモステネスが、自身の財産を横領した不実な後見人アポボスらに対して、父親が遺した財産の規模と後見人たちが犯した不正の概要を説明し、裁判において正義を求める。
- §8-14
父の遺産の内訳とアポボスによる横領の明細
デモステネスは父が残した遺産の詳細な目録(稼働・非稼働資産、およびそれらの評価額)を提示し、自身が最高額の納税区分に登録されていたことを証明する。また、後見人アポボスが母親の持参金を含む特定の遺産をどのように不当に領得したかを告発し始める。
- §15-22
母の持参金受領と工房収益横領の立証
アポボスが母親の持参金を受け取りながら扶養を拒んだ事実と、工房の2年間の収益(30ミナ)を何一つ申告せず着服した疑惑について、彼の自己矛盾する言い訳を論駁する。
- §23-30
寝台職人工房の収益隠匿と原材料の横領
デモステネスは被告アフォボスが寝台職人の工房から得た多額の利益を隠匿していることを暴露し、その抵当権契約をめぐる被告の矛盾した金銭の回収行為を突くとともに、遺産の原材料である象牙や鉄をも横領していると告発する。
- §31-38
原材料の横領証明と後見人らの虚偽計算書の論破
原告は、亡父が遺した象牙や鉄などの莫大な原材料が後見人たちによって隠匿・販売されたことを証明し、彼らの提出した不当な計算書を数字に基づいて論破して横領の事実を告発する。
- §39-46
横領総額の提示と遺言書隠蔽による不正の論証
デモステネスは、アフォボスが横領した財産の総額を利息を含めて提示し、後見人たちが遺言書の開示を拒むのはその横領を隠蔽するためであると訴える。さらに、遺言書に記載された他者への多額の贈与から、本来の遺産総額が極めて巨額であったことを論証する。
- §47-54
アポボスの遺産略奪と埋蔵金という虚偽弁明の告発
アポボスが遺産を略奪したことを数々の証拠から暴き、彼が仲裁人の前で行った不誠実な弁明や、「父が地中に大金を埋めていた」という悪質な虚偽の主張を告発する。
- §55-61
隠し資産の嘘の論破と遺産貸出益との対比
アポボスが主張する「父の遺した4タラントンの隠し資産」という嘘の矛盾を、父の性格やアポボスの行動から暴く。さらに、遺産を貸し出していれば得られたはずの巨額の利益と、彼らが財産を略奪して損害を与えた事実を法律を引用して対比する。
- §62-69
後見人の虚偽報告の暴露と裁判員への嘆願
原告は、後見人が不当に莫大な財産を消費し尽くしたと嘘の報告をしていることを暴き、もしこれ以上後見期間が長ければ自分は完全に飢え死にしていたと主張する。さらに、敗訴した場合に自分が負う過酷な処罰(市民権剥奪など)と、被告アポボスの極端な不誠実さを訴え、裁判員に同情と正義に満ちた判決を嘆願する。
