底本
Homer. Hesiod, The Homeric Hymns and Homerica. Evelyn-White, Hugh G. (Hugh Gerard), editor. London: William Heinmann; New York: The Macmillan Co., 1914.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
『ホメロス風エピグラム』は、古代ギリシアの伝説的な詩人ホメロスに帰せられる、多様なテーマを扱った短い韻文詩のコレクションです。作品の多くは、定住の地を持たず放浪する詩人の視点から語られ、旅先での不遇な運命への嘆きや、親切な人々や守護神への祈りから始まります。中盤では、大地や海の神々への懇願、不実な者への復讐、職人や船乗りたちとの駆け引き、そして家々を訪れて富と繁栄を祈る祝福の歌などが生き生きと描かれます。終盤には、漁師の少年たちとの有名な謎かけのやり取りも収められています。本作は、詩人の哀愁に満ちた内面と、古代ギリシアの庶民の生活や神々への信仰が交錯する、素朴で変化に富んだ詩的世界を現代に伝えています。
目次
17 チャンク
引用方式:epigram.line
- §1.1-1.5
クメの住民に対する歓待の懇願
詩人は、木々の生い茂る山の下、ヘルモス川のほとりにあるクメの街の住民に対し、家もなく旅の途上にある自分を憐れみ迎えるよう呼びかける。
- §2.1-2.2
賢明で好意ある人々の都市への旅の願い
語り手は、自身の足が自分を親切で知恵に優れた人々の住む都市へと速やかに運んでくれるよう願っている。
- §3.1-3.6
青銅の乙女によるミダスの墓碑銘
ミダスの墓碑銘として有名な詩であり、青銅の乙女の像が、自然の営みが続く限り永遠に墓の上にとどまり、ミダスがここに葬られていることを通行人に告げ続けると誓う。
- §4.1-4.17
過酷な運命の嘆きとクメを去る決意
詩人は、ゼウスによって定められた自らの不遇な運命を嘆きつつ、かつてムーサたちの歌を拒んだキュメの地を去り、異国へと旅立つ決意を語る。
- §5.1-5.2
テストリデスへの呼びかけと測りがたい人心
テストリデスに対し、この世には予期せぬことが多くあるが、人間の心ほど予測しがたく不可解なものはないと語りかける。
- §6.1-6.8
ポセイドンへの祈念と不実な男への復讐の誓い
ポセイドンに対し、船乗りたちへの加護としての順風、詩人自身がミマス山で良き人々に出会うこと、そしてかつて自分を欺いた不実な男へ復讐を遂げることの三つを懇願する。
- §7.1-7.3
大地への呼びかけと豊穣と不毛の二面性
詩人が大地(ガイア)に対して呼びかけ、大地が気に入った人々には豊穣をもたらし、怒りを買った人々には不毛と荒廃をもたらすという二面性を歌う。
- §8.1-8.4
船乗りへの警告と客人守護のゼウスへの畏敬
過酷な海上生活を送る船乗りたちに対し、客人守護の神ゼウスの威厳を敬い、その掟に背く者に下る恐るべき神罰を恐れるよう警告している。
- §9.1-9.2
足止めされた旅人への同乗の懇願と順風の約束
逆風のために足止めされた旅人たちに対し、自分を迎え入れるならば航海は順調なものになると呼びかける。
- §10.1-10.4
イダ山の松とケブレネ人による製鉄
イダ山の松の木について、ケブレネの住民がそれを用いてアレスの鉄(武器の原料)を製錬するようになることを述べる。
- §11.1-11.4
牧人グラウコスへの犬を最優先で養うべきとの忠告
詩人は牧人グラウコスに対し、近づく人間や侵入する野獣を真っ先に察知する犬たちを大切にし、門のところでまず最初に餌を与えるよう忠告する。
- §12.1-12.4
女性が老人を愛するよう願うコウロトロポスへの祈り
コウロトロポスに対し、ある女性が若い男たちの愛を拒み、体は衰えているが心は熱意に溢れる老人たちと交わるように祈る。
- §13.1-13.6
万物の飾りと雪の日の燃える火の家
男の子供や都市の塔、平原の馬など、それぞれの場にふさわしい「飾り」を列挙し、冬の日に雪が降る中、燃える火のある家が最も素晴らしいものであると称える。
- §14.1-14.23
陶工たちへの報酬の要求と窯への祝福と呪い
歌い手が陶工たちに報酬を要求し、支払うならアテナの加護を祈り、騙すなら窯を破壊する魔物たちやキルケ、ケンタウロスたちを呼び出して作品を粉々にし窯を崩壊させると脅す。
- §15.1-15.13
ツバメの歌と富豪の館への繁栄の祈願
歌い手たちが裕福な主人の家を訪れ、その家に富と喜びと平和が満ち、豊かな実りと繁栄がもたらされるよう、ツバメに擬して歌い祝う。
- §16.1-16.2
施しの要求と歌い手たちの立ち去りの告げ
歌い手たちが、施しをくれるなら受け取るが、くれないならば立ち去ると述べ、ここに住み着くために来たのではないと告げる場面。
- §17.1-17.4
漁師たちのなぞなぞと貧しい血筋への言葉
ホメロスが漁師の少年たちに獲物について尋ね、少年たちは有名なシラミの謎かけで答える。ホメロスは彼らの貧しい出自を指摘する。
