イソクラテス · Isocrates
競技戦車の四頭馬について
Concerning the Team of Horses
ギリシア語原文(原典)と日本語・英語・中国語・韓国語の対訳・語釈を、全文無料・登録不要で公開しています。
底本
Isocrates, Vol. 3. Van Hook, Larue, editor. Cambridge, MA, Harvard University Press; London, William Heinemann Ltd., 1945 (printing).
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
元ファイル: urn:cts:greekLit:tlg0010.tlg004.perseus-grc2
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翻訳と校閲
翻訳:Gemini 3.5 Flash(2026-05-22 公開)
AI校閲 2026-09-22:検出 Gemini 3.8 Flash/判定 Gemini 3.8 Flash・GPT-6 Astra — 日本語訳 2 件を修正
AI校閲 2026-10-18:検出 Gemini 4 Argon/判定 Claude Opus 5.5 — 日本語訳の修正なし
反映した修正(日本語訳と原文):AI校閲 2 件
最終更新:2026-10-10・変更履歴の一覧
要旨
本作は、若きアルキビアデス(子)が、かつて父がオリンピア競技で勝利した馬の所有権をめぐる訴訟において、原告テイシアスからの告発に対して自らを弁護する法廷弁論です。話し手は単なる金銭闘争にとどまらず、アテナイ史上名高い父アルキビアデスの名誉と生涯を擁護することに焦点を当てます。弁論の中盤では、父が政敵の陰謀によってスパルタへの亡命を余儀なくされた経緯や、その後のアテナイ民主政への貢献、さらにはペリクレスの後見やオリンピアでの輝かしい戦車競技の勝利といった数々の功績が語られます。父の僭主の野望を否定し、その不変の愛国心を証明したのち、話し手は原告側の不義を厳しく追及します。最終的に、自身が幼少期から被ってきた苦難を訴え、この訴訟が市民権剥奪(アティミア)に直面する死活問題であることを明かして、陪審員に同情と無罪の判決を求めて締めくくられます。
目次
6 チャンク
引用方式:section
- §1-9
テイシアスの中傷への反論と父の追放の経緯
テイシアスによる父アルキビアデスの中傷に対し、話し手は馬の所有の正当性を主張し、若者のために父がアテナイの政敵たちの陰謀によって追放され、スパルタに逃亡せざるを得なくなった経緯を語り始める。
- §10-18
アルキビアデスの亡命中の行動と帰還の弁護
§10-18において、弁論者は父アルキビアデスに対する様々な不当な告発を論駁し、三十人政権期に亡命を経験したアテネ市民自身の境遇に重ね合わせて父の行動を正当化する。また、市民の内紛と国家の存亡の危機において、父の帰還がいかに必要とされ、貢献したかを想起させる。
- §19-27
アルキビアデスの民主政復興の功績と高貴な祖先
アルキビアデスが亡命から呼び戻された際、国家のために尽力して民主政の維持に貢献したこと、および彼の輝かしい先祖(エウパトリダイとアルクメオニダイ)の功績を挙げ、非難者たちの不当な誹謗を論駁する。
- §28-34
アルキビアデスの成長とオリンピア競技での栄冠
アルキビアデスが、ペリクレスによる後見のもとで育ち、軍功を立てて名家ヒッポニコスの娘と結婚したこと、そしてオリンピア祭の戦車競技で不滅の勝利を収め、他を圧倒する公共奉仕を行ったことが語られます。
- §35-41
アルキビアデスの公共奉仕と民主政への忠誠
話者は父アルキビアデスのアテナイに対する多大な公共奉仕と民主制への不変の忠誠を語り、僭主の野望を抱いていたという疑いを晴らす。さらに、彼が民衆のために二度にわたり追放され、スパルタからも目の敵にされた歴史を語り、その愛国心を証明する。
- §42-50
テイシアスの不義の告発と自身の苦難の訴え
語り手は告発者テイシアスとその義父カリクレスの僭越さと不義を告発し、自身が幼少期から被ってきた追放や財産没収などの数々の苦難を訴えます。そして、この五タラントンの金銭訴訟が、貧困にあえぐ自身にとっては市民権の剥奪(アティミア)に直面する死活問題であることを明らかにし、陪審員に同情と無罪の判決を求めます。
