プルタルコス · Plutarch
十大弁論家列伝
Lives of the Ten Orators
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底本
Plutarch. Plutarchi Chaeronensis Moralia, Vol. V. Vernardakēs, Grēgorios N., editor. Leipzig: Teubner, 1893.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)
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要旨
『十大弁論家伝』は、古代アテナイの黄金期からマケドニアの台頭に至る激動の時代に活躍した、10人の著名な弁論家たちの生涯と業績を描いた伝記である。本書が対象とするのは、アンティポン、アンドキデス、リュシアス、イソクラテス、イサイオス、アイスキネス、リュクルゴス、デモステネス、ヒュペレイデス、デイナルコスの10名である。各章では、彼らの家系や教育、弁論家としての作風や代表作が紹介されるだけでなく、政治的闘争や流亡、非業の死といった劇的な生涯が詳しく綴られている。また、身体的欠点を克服したデモステネスの逸話や、財政官として貢献したリュクルゴスの功績など、彼らの個性際立つエピソードが豊富に盛り込まれている。さらに、アテナイ市民が彼らに授けた公的な顕彰決議案の文面も収録されており、当時の政治状況や制度をリアルに伝える資料ともなっている。弁論術の発展とアテナイ民主政の運命が、個々の弁論家たちの人間模様を通じて多角的に描き出されている。
目次
19 チャンク
引用方式:chapter.section
- §1.1#1
アンティポンの生涯と弁論術の先駆
アテナイの弁論家アンティポンの生い立ち、法廷弁論や弁論術教本の執筆における先駆的貢献、ソクラテスとの論争、および四百人政権への関与に伴うその最期について、異説を交えつつ記されている。
- §1.1#2
アンティポンの逸話と著作および告発の布告
アンティポンの逸話、悲劇創作や悲しみを癒す技術、彼の代表的な演説について紹介し、続いて四百人政府崩壊後の彼に対する告発決議案と有罪判決の全文を掲載する。
- §2.1
アンドキデスの家系と告発および弁論
弁論家アンドキデスの家系と、不敬罪の告発に伴う投獄や流亡、さらには彼の代表的な弁論作品とその素朴な文体スタイルについて記述している。
- §3.1
リュシアスの生涯と亡命および民主派への支援
アテナイの著名な弁論家リュシアスの生涯、スリオイへの移住とアテナイへの帰還、三十人政権期における苦難と民主派への多大な貢献、市民権獲得の失敗、そして彼の作風や著作、死後の評価などについて語られている。
- §4.1#1
イソクラテスの生涯と弟子たちおよび最期
イソクラテスの家系、教育、および学校での活動と、ティモテオスやテオデクテスなど著名な弟子たちとの関わりについて述べ、さらに彼の著作、逸話、およびカイロネイアでの敗戦の報を聞いた直後の最期について記している。
- §4.1#2
イソクラテスの墓碑と著作および逸話
イソクラテスの埋葬場所やその墓碑、彼が残した演説の真偽鑑定、いくつかの有名な逸話(教育方針やアネクドート)、晩年の私生活と訴訟歴、そして彼の養子アパレウスの劇作家としてのキャリアについて詳しく記されています。
- §5.1
イサイオスの出自と作風およびデモステネスの指導
弁論家イサイオスの出自、リシュアスへの師事による作風の極めて高い類似性、活動年代、そしてデモステネスを指導した経歴と著作の遺産について記述されている。
- §6.1
アイスキネスの生涯とデモステネスとの対立
アテナイの弁論家アイスキネスの生涯と経歴が描かれる。役者や書記としての青年期、デモステネス派との政治的対立と使節としての活動、クテシフォン弾劾をめぐる敗訴とロドス島への亡命、そして彼の弁論作品や親族に関する詳細が記述されている。
- §7.1#1
リュクルゴスの生涯と財政管理および立法
アテナイの政治家・財政官リュクルゴスの生涯、功績、導入した数々の法律、および彼の質素な私生活や逸話について述べている。
- §7.1#2
リュクルゴスの逸話と死後の子供たちおよび家系
リュクルゴスの直言に関する逸話やその死後の子供たちの境遇、彼の行政・財政上の多大な功績、家族と子孫の複雑な系譜、および様々な公的栄誉と告発について記述されています。
- §8.1#1
デモステネスの出自と弁論術の修練
デモステネスの出自と、カリストラトスの演説に刺激されて弁論術を志した経緯、また自らの身体的欠点を克服するための数々の過酷な修練について記述される。さらに、彼の政治的立場と、民衆を率いた対マケドニア政策、および彼の演技(デリバリー)や発声についての逸話が紹介される。
- §8.1#2
デモステネスの政治活動と追放および最期
デモステネスの政治的活動、カイロネイアの戦いでの敗走、ハルパロス事件による失脚と流亡、そしてマケドニア軍の追手を避けたカラウリア島での最期と彫像に刻まれた哀悼詩について述べる。
- §8.1#3
デモステネスの死因と名誉および逸話
デモステネスの死(その方法や享年)と、彼および甥デモカレスの彫像に関するアテナイでの顕彰について語られ、さらに彼の個人的な逸話(アネクドート、即興演説の才能、放蕩の噂など)が紹介される。
- §9.1#1
ヒュペレイデスの出自と政治活動および最期
アテナイの弁論家ヒュペレイデスの出自、彼が携わった様々な政治的活動、デモステネスを告発した経緯、そして捕らえられ拷問に屈することなく非業の死を遂げた最期について記述している。
- §9.1#2
ヒュペレイデスの埋葬と私生活および弁論の特徴
ヒュペレイデスの死とその死後の埋葬を巡る異説、彼の極めて優れた弁論の才能と派手な私生活(遊女フリュネの弁護など)について語る。さらに、デモステネスとの逸話、ラミア戦争への貢献をはじめとする愛国的な公的活動、および演劇的虚飾を排した彼の独特の演説スタイルに言及する。
- §10.1
デイナルコスの生涯と亡命および弁論の特徴
アテナイで活動した弁論家デイナルコスの生涯、政治的立場、カルキスへの亡命と帰還、晩年の訴訟、そして彼の弁論の文体と伝承について述べている。
- §11.1
デモカレスによるデモステネス顕彰決議案
デモカレスが、デモステネスがアテナイの自由と民主政のために尽くした多大な功績(財政的貢献、軍事的・外交的支援、亡命と最期など)を列挙し、彼に対する青銅像の建立や食事などの栄誉を提案している。
- §12.1
ラケスによる父デモカレス顕彰決議案
ピュタラトスがアルコンの年に、ラケスがその父デモカレスの多大な政治的・軍死的功績を列挙し、彼への銅像や食事などの顕彰を提案した決議案。
- §13.1
ストラトクレスによるリュクルゴス顕彰決議案
ブテス区のリュコプロンが父リュクルゴスに与えられた特権に基づき食事を請求したこと、およびストラトクレスが提案した、リュクルゴスの多大な功績(財政管理、建設事業、対外政策など)を称え、彼に青銅の像を建て子孫に食事を保証する決議の内容を記述している。
